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肺の摘出手術で動脈損傷の医療事故 50代の男性患者死亡 約3300万円を賠償へ 広島・尾道市立市民病院

広島県にある尾道市立市民病院は20日、2016年10月に行なった開胸による左肺全摘手術において医療事故が起き、患者遺族へ損害賠償することを明らかにしました。

市民病院によりますと、医療事故で亡くなったのは市外の50代男性です。

2016年10月4日に入院し、翌日、左肺全摘手術を医師3人、麻酔科医2人、看護師2人のあわせて7人体制で行なったところ、30年以上医師としての経験を持つベテランの執刀医が誤って、本来傷つけてはならない肺動脈血管を手術用具で損傷させてしまい、ただちに止血措置を行なったものの出血により心肺停止となり、翌6日に死亡が確認されました。

病院側は術後、損傷について医療過誤を認め、家族に謝罪。翌月から事故調査委員会を院内に設置し、医療過誤の原因を調査しました。

そして、事故調査委員会による報告がまとまった後の2017年8月に、病院側が損害賠償を家族側に提示。ただ、家族側は「時間がほしい」と話し、賠償を受け取ることを先送りしていたということです。

ことし10月になって再度、病院側が賠償額を提示すると、遺族も「進めてください」と伝えたということです。

賠償額は約3265万円で、病院側は、来月2日開会の尾道市議会で議案として上程し、議決後すみやかに支払う予定です。

市民病院の廣岡孝彦院長は「このような事故を繰り返すことのないよう安全な手術を行なうための管理体制の強化と徹底を図り、再発防止に向けて全力を挙げて取り組んでいく」とコメントしています。

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