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「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産へ 「手間暇かけ評価された」広島の酒処・西条も歓迎 

ユネスコの無形文化遺産に、日本の「伝統的酒造り」が登録される見通しとなりました。広島の酒どころからも、歓迎の声が上がっています。

「伝統的酒造り」は杜氏と呼ばれる酒造りの職人などがこうじ菌を使い、日本各地の気候風土にあわせ、経験に基づいて築きあげてきた日本酒や焼酎・泡盛などの伝統的な酒造りの技術です。

正式に登録が決まる11月のパラグアイでの政府間委員会に先駆け、事前審査を行うユネスコの評価機関が「伝統的酒造り」の登録を勧告したと発表しました。

文部科学省 阿部俊子大臣
「今回の勧告は大変喜ばしい。政府間委員会に正式決定される予定で、登録に向けて最善を尽くしたい」

末川徹 記者
「日本3大酒どころの1つ、東広島市の西条地区です。ユネスコの無形文化遺産登録を勧告されたことを受け、地元の酒造会社からは喜びの声があがっています」

西条酒蔵通りです。一角には、創業およそ350年の老舗・白牡丹酒造があります。

白牡丹酒造 島治正 社長
「『蓋麹』(=木製の盆)で、麹を作るといい麹ができるが、非常に手間がかかる。人出も多くいる。これが伝統的な酒造りの部分だと思うが、ありがたい」

島社長は手間暇かけた酒造りが評価されたことを歓迎した上で、杜氏たちの伝統的な技術の継承に努めていきたいと話しました。

白牡丹酒造 島治正 社長
「例えば『もろみ』の温度など、江戸時代のころは温度計はない。手の感覚などをとらえながら、お酒が作られてきている」

東京からの観光客
「日本酒は販売量も減ったり、若い人は『日本酒はけっこうきついから厳しい』の声が多い。(ユネスコ登録で)注目されて、盛り上がっていくといいな」

中国人の留学生
「口あたりがやわらかくて、非常によい。中国人もたくさん飲むようになるかな」

一方、広島県の湯崎知事は、酒造りに適さないとされた軟水を使った醸造法や、コメをよりよく磨いて造る吟醸酒など、広島発祥の技術があることを指摘。「積極的に発信していきたい」と強調しました。

広島県 湯崎英彦 知事
「国際的に非常に伝統あるものとして認められるということは、あらためてお酒のよさとか日本文化における意味や意義をわれわれも再認識して、みなさんがよりお酒に親しんでもらえれば」

これまでに登録された日本の無形文化遺産は、「歌舞伎」や「和食」など22件です。

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