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【衆院選】広島4区 与野党一騎打ちの公算高まる 区割り変更の影響で新たな大票田に熱視線 前職2人が攻防へ

衆議院の解散を受け、広島県内もいよいよ本格的に選挙モードに入ります。全国各地で「10増10減」の区割り変更が行われましたが、広島も7つあった選挙区が6つに減っています。その影響で大幅な選挙区の見直しがなされたのが新4区です。

新4区は、旧4区と旧5区が統合される形で区割りが行われました。呉市、東広島市、竹原市、江田島市、熊野町、大崎上島町が選挙区になりました。新たな票田をめぐって与野党がすでに火花を散らしています。

4区選挙区内の有権者からは「区割り変更を知らない」という声が多く聞かれました。選挙を間近に控えたこの時期でも、新しい区割りはまだ広く認知されているとは言いがたいようです。

自民党から立候補する予定なのは、呉市を中心とする旧5区で議席を獲得していた寺田稔氏です。旧4区の議席を獲得していたのは、同じ自民党の新谷正義氏でした。

いずれも新しい選挙区に立候補の意欲を示したことで、どちらが出馬するのか、党内で調整が行われました。

2023年3月、党本部が自民党広島県連の要望を受ける形で擁立を決めたのは、旧5区選出の寺田氏でした。旧4区の新谷氏は比例中国ブロックに回ることになりました。

東広島市西条町―。約500メートルの間に寺田氏と新谷氏の事務所が並びます。東広島市は新しい選挙区で3割以上の有権者を占める大票田です。

東広島市はもともと新谷氏の地盤ですが、小選挙区での立候補が決まり寺田氏が新たに事務所を構えました。

新谷正義氏(5日取材)
「非常に切ないところはあるんですけども、たすきが今回『自民党』になって…自分の名前のたすきはつけないということになりますね」

党の方針に従い、今回は小選挙区を譲った新谷氏。寺田氏との連携については…

新谷正義氏(同)
「話し合いはしていて、これからというところではあるが、私のほうから決めるということには…何ができるか含めて、あくまで小選挙区新4区は寺田さん」

その寺田氏は今月、地元・呉市の神社で祭りに参加していました。

寺田氏は旧大蔵、財務官僚を経て、2004年の衆議院補欠選挙で広島5区から初当選。当選6回を数え、旧岸田派として2022年、第二次岸田改造内閣で総務大臣として初入閣しました。今回の衆議院で定数を10増10減する改正公選法の成立にも力を注ぎました。一方で、関係政治団体の政治資金の処理をめぐる問題などが相次いで発覚し大臣を辞任。自民党広島県連の会長も辞任しました。

寺田稔氏(5日取材)
「自民党としていわゆる政治資金・パーティ収入の不記載問題を深い反省のもとに政治改革を進めていく。また、とりわけ呉について言えば日鉄の撤退など大きな事業所が無くなってきている、人口も減ってくるというので、地域にとってプラスになるような政策を訴えていきたい」

呉市を中心とした旧5区に地盤を持つ寺田氏にとって、旧4区に強い新谷氏との連携は欠かせません。

寺田稔氏(同)
「協力関係を築くことは(新谷氏との)合意事項。両者が勝つことができるよう私もしっかりと頑張っていきたい」

旧5区の票を固めつつ、新谷氏の地盤でどれだけの支持を集めることができるのかが鍵になりそうです。

同じく新4区に立候補を予定しているのが、日本維新の会・空本誠喜氏です。

元東芝の社員だった空本氏は2009年、当時の民主党候補として“政権交代の風”に乗って初当選。しかし、自民党が政権を奪還した12年の選挙で落選。その後、旧民主党を離れ17年の衆院選に日本維新の会から出馬も落選していました。そして前回の衆院選。小選挙区では、新谷氏に敗れ得票数も3位でしたが、日本維新の会の躍進もあり、比例で復活当選。9年ぶりに国政に返り咲きました。前職として初めて寺田氏と相対します。

空本誠喜氏(5日取材)
「相手候補が(寺田氏か新谷氏の)どちらになるかについては、あまり気にはしてなかったですね。石破政権の抱える問題とか課題とかそういった問題についてはしっかり追及していきたいと思います」

新たに選挙区に加わった呉市は出身地であり、高校生まで過ごした地域。空本陣営は区割り変更を前向きにとらえ、呉や竹原、島嶼部に後援会を設けて支援を呼びかけいます。

空本誠喜氏(同)
「島嶼部であろうと中山間地域でも課題は同じ。なにかというと過疎化の問題。みなさんと一緒で膝詰めで議論しながら地域の活性化はどうあるべきか国会でしっかり訴えていきたいと思います」

新4区は野党第一党の立憲民主党が候補者擁立を見送っていて、寺田氏と空本氏の一騎打ちになる公算です。

空本氏は、野党の票をどれだけまとめられるか、前職議員としての実績を有権者がどう評価するかがポイントになりそうです。

新4区は呉市と東広島市2つの市が有権者の8割を占めます。この地域で与野党の出馬予定者がどれだけ支持を広げることができるか―。

また、中山間地域と沿岸地域では文化や産業が異なる点も多く、課題も多岐に渡ります。地域の特性を理解し、活発な政策論議が行われることが期待されます。

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