radiko:(再)田口麻衣noみみコミ | RCCラジオ | 2024/09/15/日 23:30-23:45
内容:日本画の巨匠作品が集結!「日本画の名作展」その魅力について
出演者:「ひろしま美術館」学芸員 森静花さん
ひろしま美術館で開催中の「日本画の名作展~大観と春草から杉山寧を中心に」について「ひろしま美術館」の学芸員 森 静花さんに伺いました。
横山大観、菱田春草など日本画の巨匠の作品が一堂に会しているということですが、どんな展覧会なのか簡単に教えてください。
「日本画」というジャンルが確立したのは、実は、明治以降のことです。文明開化と共に、明治以降、西洋画の技法流入をきっかけに、これまでの伝統的な絵画を見直しながら、新しい表現を試行錯誤して生み出されていったのが「日本画」です。
この展覧会では、岡山県井原市に本社を置くシーピー化成株式会社の所蔵する作品を81点紹介しています。日本画草創期の動向を紹介するとともに、「日本画」というジャンルの伝統と革新の軌跡を紐解きます。
例えば、どんな作品がありますか?
横山大観といえば日本画の巨匠で富士山の絵が思い浮かびますが、今回の展覧会にも5点の富士山の作品が出品されています。大観は約2000もの富士山の絵を描いていますが、これらは実は晩年の作品です。大観は初期には趣の異なる風景画や、日本らしい情緒に溢れた作品なども描いており、今回の展示ではそうした初期の作品も展示しています。大観と同じく東京美術学校で学んだ菱田春草は、36歳の若さで亡くなっているので、作品数もそう多くはありませんが、今回は20点もの作品が展示されている貴重な機会です。晩年に目を病んだ春草は、外出が難しかったため、自宅周辺に集まる小鳥などをよく描きました。本展にも様々な鳥が描かれた作品がありますが、どれも細かく描き込まれています。大観と春草の違いを楽しんでみて下さい。
もう少し時代が新しい方の展示もありましたね。
昭和を代表する、主に戦後に活躍した杉山寧の作品は、17点展示されています。大観の時代より絵の具の品質などが向上したことで、杉山寧の時代には、色彩が鮮やかに、油絵に近い重厚感のある表現が可能になりました。その中でも杉山寧は、鳥や動物などの姿を独特の背景の中で際立たせるように描いています。
図録で見るのと、実際に実物を見るのとではまったく違いました!
ですよね!全体的にふんわりした雰囲気の中で、動物たちが浮き上がるような描き方、本物を前にしないと得られない感覚だと思います。
日本画を見るときのポイントなどはありますか?
日本画の大きな特徴のひとつが、「表装」です。洋画は「額」に入っていますが、日本画には主に額装、軸装、屏風装などがあり、とくに掛け軸の作品には色々なきらびやかな布が使われていて見ごたえがあります。絵に近いほど高価な布が使われていますが、今回の軸の作品には特に豪華な表装が多いので、その部分を見ていただくのも楽しいと思います。
そこは見ていなかったです!もう一回行って確かめなきゃ(笑)
森さんのお気に入りの作品、お勧め作品は?
先ほど表装の話をしましたが、美人画の名手と言われる伊東深水の「松蔭(しょういん)」という作品の表装が本当に豪華で美しいです。黄色い着物姿の女性が描かれているのですが、えんじ色の表装が彼女の美しさをさらに引き立てているように感じさせます。表装も合わせて美しい作品です。
喫茶のカフェ・ジャルダンで富士山をモチーフにした特別メニューも出てますね?
はい!めでたい富士山をあしらった「抹茶ラテ」(660円)や「赤富士ケーキ」と「青富士ケーキ」(各770円)などあります。
私は青い富士山のケーキをいただきました!さわやかな味わいで美味しかったです!
おいしいですよね。当館のカフェはアンデルセンが運営していますので、このケーキもアンデルセンのオリジナル、このために期間限定で作ってもらったケーキになります。
最後にメッセージをお願いします
どうしても保存の観点から会期を延ばすことができないのですが、個人のコレクションをご紹介しているので、次にいつ観ることができるかわからない、貴重な機会です。ぜひお越しいただければと思います。
ひろしま美術館
「日本画の名作展~大観と春草から杉山寧を中心に」
8月31日(土)~10月14日(月・祝) 会期中無休。
入場料:一般1500円、高大生1000円、小中生500円、未就学児無料。
チケット:ひろしま美術館、RCCオンラインチケット、楽天チケットなどで販売中。
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