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屋内の熱中症が増加「頭が痛くなったら危険」救急医療の最前線に密着 対処法は「体をとにかく『冷やす』」

2024年の夏は、特に暑いと感じる人も多いと思います。熱中症の患者が例年と比べ増加しています。人命救助の最前線で戦う現場を取材しました。

広島市消防局 通信指令室
「(着信音)はい。119番です。火事ですか? 救急ですか?」

今月、広島市消防局の通信指令室では、次々と着信音が鳴り響いていました。

通報者
「息が苦しい。手がしびれる」

通報者
「女性が前から歩いて来ていて、急に目の前で倒れた」

では、熱中症の疑いで搬送されるケースはどれくらい発生しているのでしょうか。

広島市消防局 大手救急隊 吉川洋 隊長
「8月5日時点で(消防局管内で)511人が熱中症で搬送されている。去年の同時期と比較して3割増加している。2024年は約63%が屋内で発生している。住居の割合が最も多く、208名が搬送されている」

この日も、住居から「高齢女性が熱中症疑い」と119番通報が入電。救急搬送に密着しました。出動指令からわずか90秒、現場に向けて走り出します。

結局、女性は、搬送先の病院で「熱中症」と診断されました。夏でも、熱中症の疑い以外で救急搬送の要請が減るわけではないので、どうしても体制がひっ迫する傾向にあるということです。

広島市安佐南区の広島ハートセンターです。心臓疾患が専門ですが、熱中症の救急患者の対応でも大忙しです。

午後2時半、40代半ばの男性が運ばれてきました。男性は、炎天下のなか、朝から水道メーターの検針をしていたところ、足の力が抜け、歩けなくなりました。その後、呼吸が苦しくなり、けいれんが始まったといいます。

意識ははっきりしているものの、エコーをあてると…

広島ハートセンター 木村祐之 院長
「下大静脈がペチャンコで水分がほぼない。冷やした点滴ある?」

男性は、取材に対し、「尋常でない汗の量が出続けていた。ただ、途中から水を飲もうとすると、体が受け付けなくなった」と話していました。

屋内で熱中症になったケースも少なくありません。

70代女性は、前日に自宅で意識がもうろうとし、熱中症と診断されました。翌朝になっても熱が38℃台と下がりませんでした。ふだんから窓を開けたり扇風機を回したりしていますが、エアコンは夜の就寝をはじめつけない時間もあるといいます。

70代女性の親族
「電気代が(月)1万円を超えるとちょっと…。少しでも安くするため、時間帯を決めてクーラーをつけるが、涼しくなるまではつけた方がいい」

では、もし熱中症になったらどうすればいいのでしょうか。

広島ハートセンター 木村祐之 院長
「熱をどんどん下げる。方法は冷却しかない。頭に冷たい血がいくように、首やわきのまわりの熱を出す。頭が痛くなったら危険。意識がもうろうとすると、意識障害になる。その手前で防ぐのであれば、水を飲んで、汗を出すなどで体温を下げる」

熱中症は、治療の必要性に応じて、3段階に分類されます。頭がガンガンすると危険で、体に熱がこもっているサインです。さらに症状が進むと、▽意識がなくなる、▽全身のけいれん、▽呼びかけに対して返事がおかしいなど、入院するケースもあります。

もし熱中症になったら、▽日陰や涼しい場所に移動して服を脱がす、▽水分・塩分は状況に応じて補給する。意識がもうろうとしている場合、無理には飲ませない。とにかく、「熱を出す」ことが大切です。

また、救急車の利用の判断を迷った場合、看護師などが応じる電話相談窓口、「#7119」も普及しているので活用してください。

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