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【RCC東京通信】“もうひとつの府中市”を熱烈アピール!70年の時を経て交流活発化なるか 備後府中と武蔵府中

RCC東京支社報道制作部長が東京での取材メモを配信します。
広島の記者が東京で感じたコト。また東京から見た広島とは。

広島県府中市が新年早々、東京都府中市で物産展を開催した。

自慢の食べ物や工芸品をそろえて、“もうひとつの府中市”をアピールした。

京王線府中駅前にはラグビーボールのモニュメントが。東京都府中市には2つのトップチームが本拠を置く

府中市のように名称が同じ市は日本全国に2例しかない。

もうひとつは北海道と福島県にある「伊達(だて)市」だ。

2006年に福島県で5つの町が合併して誕生した市に「伊達市」と名付けたことで同一表記の市が新たにできた。

一方、「府中市」はともに1954年(昭和29年)に市制が施行。

広島の府中市が3月31日、東京の府中市が4月1日とほぼ同時の誕生だ。

ちなみに市町村の名称は条例で定めることができる。

「同じ名前になると混乱が生じる恐れがあるので十分配慮してほしい」

と、総務省からのアドバイスはあるが、法律で禁じられているわけではない。

ただし都道府県の名称変更は法律で定めることが規定されていて国会での議決が必要となる。

これまで交流は特になかった…

話はそれたが、2つの府中市。

その名称は、奈良、平安時代に中央政府の出先機関・国府が置かれたことに由来する。

備後国府(広島)と武蔵国府(東京)だ。

そんな共通点がありながらも、これまで特に交流はなかったという。

はずみとなったのが去年8月に東京府中市のまつりで広島府中市特産のアスパラガスとコメを使ったどんぶり料理を販売したことだった。
これが好評で今回の物産展につながったという。

京王線府中駅前の商業施設に設けられた売り場では多くの「東京府中市民」が足を止めていた。

広島の府中市の存在を知っているか尋ねてみると意外なほど知っているなと感じた。

インターネットで調べものをすると広島の府中市の表示が出てきて、それで知ったという話も数人から聞いた。

「親近感が湧くのでついつい買っちゃいました、もみじ饅頭!」

もみじ饅頭は府中の名物ではないのですが…とつっこみたい気持ちは生じたものの悪い気はしない。

もっと浸透すれば府中産品を購入してもらえるようになるだろう。

跳び箱をモチーフにした小物入れを興味深そうに触る人も年齢や性別問わず目立った。

ミンチ肉が入ったお好み焼き「府中焼き」を見つけて、「以前、食べたことがある」と喜んで購入する人もいた。

「姉妹都市になってもいいのでは」と話す人も。やはり名前が一緒というのは親しみを感じてもらえるものらしい。

ことし市制70周年の府中市

古代、政治経済の中心地だった「備後府中」と「武蔵府中」。

3月と4月にはともに市制70周年を迎える。

今回の物産展を担当した府中市経済観光部・宮本典明部長は「70周年を契機に交流を発展させたい」と意気込む。

せっかくの縁。今後の展開に期待したい。

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※人口は 広島県府中市:約3万5000人  東京都府中市:約26万人

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