DTMクラブ第8回放送をご覧いただきありがとうございました、カンダです。
今回は放送でスルーした部分、15分番組の中ではまるで入り切らなかった 短3度転調で何が起こるの???という部分をざっくり解説します。
放送でも説明をした通り、知っておくべきワードとして 「メジャー」 と 「マイナー」 があります。本当に感覚的ですが、メジャースケールだと明るく聴こえて、マイナースケールだと暗く聴こえるのです。この 「明るさ」 と 「暗さ」 を±3の転調=短3度転調で実現しよう!というお話です。
※ ざっくりです、本当に勉強したい方はちゃんとした「音楽理論」が勉強できる参考書や、大学などへの進学をおすすめします。なんとなくその入り口だけご紹介します。
放送にて、メジャースケールには12種類あります、と提示しました。
※異名同調を含めていません
それらは<中心となる音=主音が違う>けど、<音の並び方が同じ>なので同じ印象の響きを持っています。
このメジャースケールとは 違う並び方 を持っているのが マイナースケール です。ですので、主音が同じメジャースケールとマイナースケールを見比べると、音の並び・使っている音のセットが違うことがわかります。
ちなみにマイナースケールとは正しくは3種類あるのですが
図で見てもメジャーとマイナーで音の並び方が違うので、同じ主音の「C」でも<使っている音>が全然違いますね。でも中心となる音が同じなので、同じ主音のマイナーキーからメジャーキーへと転調すると、土台は同じなのに世界が明るくなったかような印象を作り出せます(感覚の話です)
しかしこれがどうして 短3度転調 と結びついてくるのでしょうか?
これを理解するためにもう一つ必要な知識として 「平行調」 があります。
マイナースケールも、メジャースケールと同じように考えると、12の音を中心音とした 12種類のマイナースケールがあることは想像に難くないと思います。(こちらも異名同調を除きます)そしてその12種類は、使う音は違うけど並び方はマイナーで共通となります。
ここで、マイナースケールとメジャースケールで、同じ音のセットを使っているスケールがあります。
例として、E♭メジャースケールとCマイナースケールを比べてみましょう。
開始箇所が違っていますが、使っている音が同じな事がわかります。同じ音の組み合わせを使っているのに、主音が違うだけで明るくも暗くもなるというのはなんだか頭では理解しにくい気がしますが…全てのスケールにおいて、このように使っている音のセットが同じ対になるメジャースケールとマイナースケールがあります。
これを 「平行調」 と呼びます。
ここまで来れば 「同主調平行調転調」 が何か、なんとなくわかるのではないかと思います。要するに 「同主調の平行調に転調」 したいのです。
そのために 短3度転調 してみましょう。今回は+3上に音を上げます。
例えばですが、以下のような状態です。
Cメジャーキーから短3度上に転調すると、同主調(Cマイナー)の平行調であるE♭メジャーに転調しました。これが 同主調平行調への転調 です。
これは教則本などを読んでみてもめっちゃ難しい感じで、うまく説明できないのですが、ポップスの世界において、調号が同じ曲のメジャーとマイナーの切り分けは結構曖昧な感じがしています(個人の感想です)クラシックではもっと厳密な感じもするのですが;;
※ トニック・ドミナント・サブドミナントなどの役割が変わってくるのですが、DTMクラブでコードの話をした事がないので、現時点では説明できません。
なので、用いる「コード進行」によってメジャーにもマイナーにもなる印象があり、メジャーキー的に使うか、マイナーキー的に使うかは、コード進行次第=作曲者次第なのではないかなぁと思ったりします。
つまるところ、短3度転調をすると、元のメジャーキーから同主調の平行調であるメジャーキーに転調するのですが、これは元のメジャーキーから同じ中心音のマイナーキーに転調したことと調号的には同じ感じになって、明るい雰囲気から暗い展開に世界観を変化させられますよね、といったイメージでしょうか?(転調を逆の−3にすれば暗いところから明るくできますね)少なくとも短3度転調させてみると、曲中にその効果を感じる事ができると思います。
以上です、15分に入りきらなかったですが、入れたところでワケわからない感じになっていたような気がします。個人的には、ポップスには短3度転調している楽曲が沢山あって、その明るさをガラッと変えたインパクトのある展開と歌詞がリンクした素晴らしい楽曲が沢山あるよ、という事です。これがアニソンに多い印象もあり、インパクトもあるので個人的にはとても好きな転調だったりします。(作曲家の神前暁さんがよく使われるイメージです)
あくまで展開の作り方の一つであり、絶対に転調しないといけないなんてルールはありません。無理に転調して曲のバランスを崩したら意味がないですし、歌系楽曲でしたら歌詞とのリンクなどもあると思います。
同時に、聞き手におっと思わせる瞬間を作れる手法なので、物語性を転調にこめるのは作曲をしていて面白いなぁと思います。もし転調がピンときていない、作ってみたいけどよくわからないという方はまずは沢山の楽曲を聴いてみてください。
宣言通り、これは実施しようと思います。サンドウィッチ食べてる場合じゃないのです、短3度転調させます。近いうちに完成品をお聞かせできると思いますので楽しみにしていてください!
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