広島市内中心部で、ホテル建設ラッシュが続いています。さらに、世界中の人たちを魅了している宮島の周辺でも、新たなホテルの開業や計画が相次いでいるんです。なぜなんでしょうか?

小林康秀キャスター
「今年は、厳島神社の世界遺産登録から30年となり、押し寄せるインバウンド客などに対応した、ホテル建設が相次いでいます」

日本三景宮島。去年は過去最高の496万人が訪れました。そのうち、外国人観光客は75万人だということです。秋の観光シーズンを前にますます多くの観光客が見込まれている中、ことしオープンしたホテルを訪れました。

小林康秀キャスター
「HOTELFORK&KNIFE Miyajimaにやってきました。宮島口の駅から歩いてほど近くにあるんですが、中に入ると、モーターボートが展示してあって『和の空間』が広がっています」

180㎡のスウィートルームに潜入 非日常の上質な空間とは…

3月にオープンした『HOTEL FORK&KNIFE』です。館内には随所に若手芸術家のアート作品が展示され、非日常の、上質な空間が広がっています。34部屋の客室のうち、スイートルームに入れていただきました。

小林康秀キャスター
「こちらPREMIUM SUITE 翠、この建物で一番広いお部屋ですが、長い廊下があって、すでにこちらに二部屋寝室あります。中に進んでいくと、ガラス張りになっていて、ここがお風呂になっているというということです。そしてこちら食卓があって、カウンターキッチンもあると、そしてさらに奥に畳やソファがあって大変ゆったりできるこのような広い空間になっています」

およそ180平米の広さ、そしてこだわりのサウナもあって、外では宮浜温泉の湯で露天風呂を楽しめるようになっています。

最上階に設置されたスパからは遠く宮島も見渡せ、落ち着いた時間を過ごせます。インバウンドを意識し、ターゲットは「体験価値に重きを置く客層」

西康則 HOTELFORK&KNIFE Miyajima総支配人
「私どもは食を起点として、その土地の文化ですとか、体験を提供することを目指しております」

こだわりのディナー 11品のコース料理

ホテルが特に力を入れているのが、宿泊客が体験する薪の火で調理するディナー。日本のそして広島の食文化を全11品のコース料理で体験してもらう趣向です。この日は東広島のこい地鶏のもも肉を薪火焼を黄身醤油でいただきました。

小林康秀キャスター
「旨味が、噛んだ瞬間にじゅわっと広がるというか、かなり旨味が閉じ込められた状態になってたんだなというのが伺えます」

石浜綾シェフ
「非常に薪火とは相性がいいのかなと思ってて、脂が落ちてスモークが、煙が上がって香ばしい」

こちらは真牡蛎を発酵レモンとヨーグルトで味わいます。

石浜綾シェフ
「僕がずっとフランス料理をやっていたので、貝とヨーグルト、乳製品の相性が良いのはわかってたので。僕の思いが強い一品です」
小林康秀キャスター
「牡蠣とヨーグルトでこんなに合うんですね。この塩味がまた効いていて。美味しいですね」
石浜綾シェフ
「チチヤスさんのヨーグルトを使わせてもらってて。ちょっと文化を背負うというか、歴史を背負うというか、そこへの思いで僕も一緒に走らせてもらうかなと」

平和を学べるスペースなども設けていて、こちらのホテルでは欧米を中心に複数泊する客が多いということです。

星野リゾートが初めて広島に 宮島対岸の施設とは

宮島の対岸、宮島口周辺では、7月に広島初進出の星野リゾートが温泉旅館「界宮島」を開業。エントランスからも厳島神社の大鳥居をのぞむことができるほか、54の客室すべてが海向き。最上階には瀬戸内を見渡す露天風呂、海沿いの別館には、瀬戸内海に伝わる「石風呂」を再現。

ホテルスタッフ
「これより時計の針を850年ほど巻き戻し、平安時代へ皆様をお連れします」

こちらも館内での「体験」を打ち出します。伝統文化を体験する「ご当地楽」として「白拍子の舞『厳島物語』」が披露されました。

岡本昌裕 界 宮島総支配人
「一度来て頂いた方がもう一度来たくなるというのはどれだけ宿の中で体験ができるか。もう一回行ってみたくなるような魅力を伝え続けることができるかところにかかっている」

ヒルトンの上級ブランドも…100㎡超のヴィラも

さらに2028年、開業を予定するのは「ヒルトン」の上級ブランドホテル「Umiuta Hiroshima,LXR Hotels & Resorts」国内外の富裕層をターゲットとし、100平米を超えるヴィラ型の部屋もあり、スパやプールといったアクティビティ施設も備えられるということです。

「開業ラッシュ」の状況ですが、それぞれのホテルの反応は好意的です。

西康則 HOTELFORK&KNIFE Miyajima総支配人
「競合他社が増えることというのは、宮島地区自体にこう注目が集まることなので、とてもポジティブな状況だと捉えております」

廿日市市長の期待感とは…

廿日市市の松本市長はホテルでの滞在型観光が増えることで、観光産業の規模をさらに成長できると期待感を示しました。

松本太郎廿日市市市長
「やはり観光地でありながらその観光消費額が少ないというのが、廿日市市ならびに宮島の課題の1つでもありました。今まで廿日市に来なかった客層が、これから廿日市を訪れてくれるんじゃないかなという風に思っていまして、廿日市の観光都市としてのブランド力は間違いなく上がってくるだろうと期待しています」

こういった動きはどこまで続くのでしょうか?

広島経済大学細井謙一教授
「滞在型という形が増えてくればですね、あの経済の活性化ということへ繋がっていくと思いますし、基本的には良いことだと思います。滞在型のニーズに対応するホテルですね、これはまだまだ少ないんじゃないかと思いますので、まだまだ増えていくんじゃないかという風に思います」

なぜホテルが足りないのか、去年1年間の国内全体の訪日観光客数は4268万人ですが、観光庁は2030年に6000万人を目標に掲げていて、5年で1700万人の増。元々宿泊施設が少ないと言われていた広島。目標通りに進めば宮島にもさらなる需要がありそうです。一方で、細井教授は、需要が増える分、施設整備以外で例えばゴミや渋滞など観光公害的のようなことが起こらないよう、エリアマネジメントをしていかないといけないと話していました。いずれにせよ、まだまだこういったホテル開発は続くだろうということです。