流域面積が大きく、氾濫した場合に重大な被害になる一級河川などの「大きな川」には、「河川氾濫」の情報が適用されます。

【氾濫のメカニズムは?】
大雨によって水かさが増して、堤防を越える。もしくは、堤防が決壊して川の水が溢れ出します。

大河川の場合は、広範囲・長時間大雨が続くと、ジワジワと水位が上がってきます。

”大河川”の氾濫は、「河川氾濫」の情報で発表されます。

【広島県で「河川氾濫」の情報が発表される川】(洪水予報河川)
◆江の川(上流)/神野瀬川/西城川/馬洗川
◆太田川/根谷川/三篠川
◆小瀬川
◆黒瀬川
◆沼田川
◆芦田川/高屋川
※「河川ごと」に発表

広島県で「河川氾濫」の情報が発表されるのは、「江の川」や「太田川」など、県内を代表する大きな川です。自分が住んでいる場所の近くに、これらの大河川がないか改めて確認が必要です。

流域面積が大きく、水量も多いこれらの川が氾濫すると、甚大な被害が出ることになります。

「西日本豪雨」を上回る記録的な雨量となった、2021年8月の大雨では、「江の川」が氾濫するなど、広島で大河川の氾濫はくり返し起きています。

大河川には「上流」から、水位観測所が複数設置されています。「上流」の現在の水位データなどをもとに、「下流」の今後の水位を予測します。

流域面積が大きく距離も長い分、「大河川」は中小河川に比べて、水位の変化が緩やかなのがポイントです。

「上流側」で降った雨によって、「下流側」の水位が上昇するまでにタイムラグがあります。仮に雨が弱まった後でも、「下流側」の水位が上がるおそれがあります。

川には決して近づかないでください。

防災気象情報「大雨」とは?

【中小河川の氾濫は「大雨」の情報】
同じ氾濫でも、”中小河川”の場合は「大雨」の情報として、市町ごとに発表されます。

同じ川でも「大河川」と「中小河川」で、情報が2つに分かれることになります。

【”中小河川”は局所的・短時間の大雨で急激に水位上昇】
中小河川は局所的・短時間の大雨で急激に増水します。

これは神戸市を流れる、都賀川の写真です。雨が強まり始めて、わずか「18分」で、橋のすぐ下まで水位が上昇しています。この日、川遊びをしていた小学生などが流され、5人が亡くなっています。

これは同じ都賀川で、別の日の写真です。今度は「2分」で水位が上昇し、流れも激しくなっています。

「中小河川」は流域面積が小さく、距離も短いため、水が集まりやすく、急激に水位が上昇するのが大きな特徴です。「水位が上がってきてから避難しよう」では間に合いません。

大雨時にキキクルで「紫色」になっている場合は、現在の水位が高くなくても、”数十分~数時間後”に急激に増水・氾濫するおそれがあります。川の近くには絶対に近づかないようにしてください。

中小河川の水位が上がる要因となる雨が、いつ・どこで・どれくらい降るのか。降った雨が川にどれほど流れ込むのかなど、「雨の情報」がより重要になってきます。

【「大雨」の情報には”低地の浸水”も含まれる】
”中小河川”が氾濫するような大雨の場合、「低い土地の浸水」も起きているのがほとんどです。

「都市部」側で排水が間に合わないほどの大雨が降り、冠水するケースもあります。「内水氾濫」と呼ばれる浸水害です。

一般的に「1時間50ミリ」の雨量で、排水機能が追いつかず、低地の浸水リスクが高まるといわれています。(※下水道が老朽化/ゴミが詰まっている場合などは50ミリ未満でも危険度高まる)

ニュースなどで「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」という表現が使われている場合は、特に気をつけてください。「線状降水帯」や「記録的短時間大雨」などが絡むと、リスクは格段に高まります。

同じ川といっても、大河川・中小河川で災害リスクが異なります。防災気象情報を受け取るときの大前提として、知っておく必要があります。

「防災気象情報」 レベルごとに持つ意味は?

【レベル5相当情報】(レベル5氾濫特別警報・レベル5大雨特別警報など)
自治体が「緊急安全確保」発令の目安にする情報で、すでに災害が発生しているか、災害の発生が押し迫っている状況です。命の危険が迫っています。

すでに安全に避難することが、難しい状況になっているおそれがあります。今から自治体が定めた避難場所など、離れたところへ移動することは、かえって危険な場合があります。

河川氾濫や浸水の危険度の高まりは、気象庁HPの「キキクル」で確認できます。”黒色”で示されている場所が、「レベル5相当」の危険を表しています。

地下や建物1階部分など、低いところにある空間は水が流れ込む恐れがあるため、大変危険です。周囲の状況を確認した上で、ただちに命を守るための、最善の行動をとってください。

【レベル4相当情報】(レベル4氾濫危険警報・レベル4大雨危険警報など)
自治体が「避難指示」発令の目安にする情報です。災害に厳重な警戒が必要です。

「レベル4」は”危険な場所”からの避難が必要な状況です。いま自分のいる場所が、浸水想定区域などの災害リスクがある場所かどうかを確認し、状況に応じて身を守る行動を心がけてください。

河川氾濫や浸水の危険度の高まりは、気象庁HPの「キキクル」で確認できます。”紫色”で示されている場所が、「レベル4相当」の危険を表しています。

川や周囲より低い場所には決して近づかず、自治体からの避難情報を確認してください。

【レベル3相当情報】(レベル3氾濫警報・レベル3大雨警報など)
自治体が「高齢者等避難」発令の目安にする情報です。災害に警戒してください。

自治体から「高齢者等避難」が発令された場合は、高齢者や小さな子ども、障害のある方や、その支援者など、避難に時間がかかる人は”危険な場所”から避難してください。

河川氾濫や浸水の危険度の高まりは、気象庁HPの「キキクル」で確認できます。”赤色”で示されている場所が、「レベル3相当」の危険を表しています。

自治体からの避難情報を確認してください。

【平時にハザードマップでリスク把握を】
大雨による災害に備えてハザードマップなどで、自分が暮らす地域の災害リスクを確認するようにしてください。

その上で、雨が強まってきた際に、防災気象情報が発表されたら、その情報を正しく受け取り、自分や家族の命を守る避難行動に役立ててください。