去年4月、広島・府中町で男性(当時52)が殺害され、10代の男女3人が逮捕された事件。3人のうち主犯格とされ、強盗殺人の罪に問われる広島・府中町の少年(17)の裁判員裁判で16日、第2回公判が広島地裁で開かれ、被告人質問などが行われました。
起訴状によりますと、少年は男(19)と共謀し、男性から金品を脅し取ろうと考え、去年4月12日の夜に府中町の水分峡森林公園に誘い出し、男性の頭などを木の棒で殴って殺害。その後、現金8万1000円が入った財布を奪ったとされています。
初公判で少年は「殺意の部分だけは違います」と起訴内容を一部否認していました。
注目の被告人質問 少年は何を語る?

16日に開かれた第2回公判。午前は、逮捕された3人のうちの1人で、強盗致死の罪で3日に懲役18年の実刑判決を受けた広島・海田町の男(19=14日付で控訴=)が検察側の証人として出廷し、男が男性のリュックサックを探る間に、少年が男性の頭を木の棒で強く2~3回連続で殴ったことなどを証言しました。
そして休憩を挟み、午後からは少年の被告人質問が行われ、計画段階から犯行に至るまでの流れについて、約3時間にわたって質問に答えました。
「少年の殺意の有無」が争点となっている今回の裁判。弁護側は「あくまで脅して金を取る計画だった」「木の棒で叩くくらいなら重傷にならないと思った」と主張します。
援助交際相手を「しばきたい」犯行を企て...

弁護側の被告人質問によると、事件の3週間ほど前、少年は交際相手である愛媛・松山市の女(19=恐喝の非行事実で少年院送致=)の援助交際を知って立腹。援助交際相手を「しばきたい」として犯行を計画しました。
女から援助交際相手全員に「広島に来て」とメッセージを送らせ、反応があったのは2人。直近での来広が可能であったことなどから、被害者の男性にターゲットを定めたということです。
身長159cmほどでケンカが弱かった少年は、力の強い先輩3人など計5人に協力を依頼し、そのうちの一部と事件現場周辺の防犯カメラを探したり、凶器となった木の棒が置かれている場所を確認したりするなど、下見を行っていたといいます。
しかし事件当日、少年が協力を依頼した人物のドタキャンが相次ぎ、集合場所にやってきたのは男だけだったということです。
パニック状態で記憶が...

また、少年や男が暴行を加えていたとき、男性が「助けて」「警察呼んで」などと叫んだことで、少年は「パニック状態に陥った」といいます。
少年は「そこからの記憶があまりない」としつつも、
▽男に「殴れ」と言われて殴った
▽うずくまる男性に対し、木の棒を振り下ろした
▽強さは覚えていない
▽必死なので特定の部位を狙った訳ではない
▽回数は2回。叩いた感触が印象的で覚えている
などと話しました。
一方で、男の証言や少年の供述調書とは食い違う点も目立ちました。
少年の発言に矛盾 検察側が指摘

男は証人尋問で、少年が木の棒で殴る直前「なんとかせいや」と発言したと証言していました。
検察側は、少年の「『殴れ』と言われて殴った」という発言と、男の証言との違いを注目。少年の「殴る前後はパニックで記憶が無い」という発言との矛盾も指摘しました。
少年は「殴った感触だけでなく、『殴れ』という言葉に過剰に反応したことも印象に残っている」と答えました。
また、少年は検察からの取り調べ段階で「頭しか殴るところが無かったので、頭をめがけて殴った」と供述していた点も指摘。「必死なので特定の部位を狙った訳ではない」という発言との違いについて質問しました。
これに対して少年は、
▽1年間よく考えて思い出した
▽取り調べの時は記憶が混同していた
▽検察官から誘導される様に推測したものを供述した記憶がある
などと話しました。
裁判は22日に観察側の論告・求刑、弁護側の最終弁論が行われ結審し、29日に判決が言い渡されます。


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