7月から、新乗車券システム・モビリーデイズの読み取り機が、ICOCAなどの交通系ICカードと、電子マネーWAONに対応するようになります。

モビリーデイズをメインで導入している広島電鉄の路面電車やバス。これまでICOCAなどの交通系ICカードを利用する場合、整理券を取って乗車し、降りるときは整理券をもとに運転手が金額を手入力してからタッチする仕組みで、精算に時間がかかっていました。

広島電鉄の電車・バス 7月からの交通系ICカードでの乗り方は?

そこで広島電鉄は7月から、ICOCAをはじめとする交通系ICカードを、モビリーデイズの読み取り機でも利用できるように変更します。整理券は不要で、乗るときと降りるとき、1回ずつタッチして利用します。また、大手スーパーのイオンが発行する電子マネーWAONでも同様のかたちで運賃の支払いができるようになります。

モビリーデイズの運用開始から1年半以上。このタイミングでのサービス開始となったのはなぜなのでしょうか。

広島電鉄 交通DX推進部 古本靖幸部長
「もっと早い時期からやりたかった事実はあります。急いだ結果、このタイミングになりました。自動販売機やコンビニなど、物販の仕組みを用いることができたものの、その調整までに時間を要しました」

なぜ物販の仕組みを導入?

広島電鉄は交通系ICカードやWAONの導入に、交通事業者向けのシステムではなく、コンビニなどと同様の決済システムを用いました。

そもそも、モビリーデイズの読み取り機に交通事業者向けのシステムを導入するのが技術上難しかったほか、導入・維持費が安価なことなどが理由だということです。このため利用明細には「物販」と記載されるほか、処理速度に多少、時間がかかります。

他のバス事業者が導入している、交通系ICカードに特化した読み取り機と比較したところ、降車時の精算には2秒程度の差がありました。

バス会社によってはタッチする読み取り機が違う場合も

広島バスや広島交通など、モビリーデイズの読み取り機と、交通系ICカードの読み取り機が両方あるバスは、ICOCAなどを利用する際、これまで通り“IC”と書かれた読み取り機を利用します。

広島バス 運輸部 平岡祐介次長
「広島バスでは特に今まで通り変わらず、モビリーデイズの読み取り機にICOCAのカード等をタッチいただいても反応はしません。利用者の方にはご注意いただければと思っております」

7月以降の広島県内の電車・バス 各社の対応を整理

広島県内の公共交通機関は、7月からは、大きく以下の3つに分類されます。
▼「モビリーデイズの読み取り機しかない」パターン
▼「モビリーデイズとICOCAの読み取り機が両方ある」パターン
▼「ICOCAの読み取り機しかない」パターン

「モビリーデイズの読み取り機しかない」事業者は?

「モビリーデイズの読み取り機しかない」のは、広島電鉄の路面電車やバス、芸陽バス、ボンバス、備北交通などです。

これらの事業者では7月以降、モビリーデイズとICOCAのいずれを使う場合でも、モビリーデイズの端末にタッチして利用します。ただし、モビリーデイズを使った場合に適用される10%割引は、ICOCAを使った場合はありません。

「モビリーデイズとICOCA、両方の読み取り機がある」事業者は?

一方で、「モビリーデイズとICOCA、両方の読み取り機がある」のは、広島バス、広島交通と、広島市内を走るJRバス中国です。

これらの事業者では7月以降も、モビリーデイズの場合には、モビリーデイズの読み取り機を使用。ICOCAを利用する場合には、“IC”と書かれた読み取り機を使用します。どちらの場合でも10%の割引が適用され、これまでと変わりません。

「ICOCAの読み取り機しかない」事業者は?

また、「ICOCAの読み取り機しかない」のは、アストラムラインや備後エリア(中国バス・鞆鉄道・おのみちバスなど)、江田島バスなどです。

これらの事業者では、ICOCAの読み取り機だけ設置されています。モビリーデイズは使えず、10%割引はありません。

WAONが使えるのは一部だけ? 各社で対応に差

WAONは、「モビリーデイズの読み取り機しかない」広島電鉄などでは利用できますが、「モビリーデイズとICOCA、両方の読み取り機がある」広島バス・広島交通などの車両に付いているモビリーデイズの読み取り機は、WAONに対応していません。

モビリーデイズのステッカーが付いているバスでも、WAONは利用できない場合があるので、対応している事業者を確認する必要があります。