中東情勢の長期化により、医療を支えるプラスチックや紙などの供給不安が全国に及んでいます。身近な調剤薬局の現場を取材しました。

広島市の薬局では、水剤の容器や軟膏つぼなどの納期に遅延が出ています。通常なら約1週間ほどで届きますが、最近は5週間かかるケースもあると話します。

これらの共通点は、プラスチックの原材料であるナフサ由来の医療用品です。

さらに、粉薬などを包装する「分包紙」にも影響が出ています。機械に種類や回数を設定すると自動的に小分けしてくれる、飲み間違いを防ぐためにも欠かせません。

見た目・容器変更しても「使命を全うしたい」

では、中東情勢の長期化で分包紙が不足したら、どう対応するのでしょうか。

そうごう薬局フジグラン広島店 中根潤 薬局長
「同じ効果を持つ薬はある。分包紙が必要ない代替品など、供給が滞っているわけではない。変更の可能性はある」

高市総理は先月30日のXで、ナフサ由来の化学製品の供給は「年を越えて継続」できる見込みだと投稿。当面の危機は、回避できる見通しです。

そうごう薬局フジグラン広島店 中根潤 薬局長
「容器や見た目・サイズの変更があっても、薬の効果や安全性には影響がないと強調したい。必ず患者に薬を届ける使命は、全うしたい」

医療用手袋の備蓄放出へ 一部で抱え込みも

厚生労働省によりますと、石油関連製品の供給不足について、メーカーや卸売業者、医療機関など全国で9045の事業者が相談を寄せています。

消毒液の容器や透析チューブなど、解決した医療用品もあるものの、供給に不安がある品目は74にのぼっています。

また、医療用手袋の需給をめぐっては、一部の医療機関で確保が難しくなっています。背景には、一部の機関が大量に発注するといった、在庫を抱え込もうとする動きがあったとされています。

国はこれを受けて、備蓄していた5000万枚の放出を決定しました。医療機関からの購入要請を18日から受け付けていて、5月下旬から順次、全国に配送される予定です。