土石流からマチを守る中国地方整備局の司令塔が生まれ変わりました。西日本豪雨の被災地では、約30基の砂防ダムを整備する大規模な事業に乗り出します。

これまで広島市や廿日市市などの土石流対策を行ってきた広島西部山系砂防事務所。今年度から名称が「広島西部砂防事務所」に変更され、広島市近郊の新たなエリアを重点的にカバーします。

中国地方整備局 杉中洋一局長
「瀬野川流域の土砂・洪水氾濫への事前防災対策として瀬野川水系直轄砂防事業に新規着手する」

西日本豪雨で計101カ所の土石流 道路や線路も

末川徹気象予報士
「JR瀬野駅の近くです。交通量が多い場所です。近くを流れる川。雨の影響で多少濁っていますが2018年は、様子がさらに一変しました」

2018年7月の西日本豪雨では、広島県で150人以上が亡くなりました。広島市安芸区・東広島市・海田町・熊野町にまたがる瀬野川流域では、あわせて101カ所で土石流が発生しました。

広島の大動脈とも言われる国道2号や山陽線もストップし、大きな混乱を招きました。

広島市安芸区で被災した住民
「(どのくらい浸水?)畳のあたり。2号線がつかった。押し寄せてきた」

あれから8年がたち、復旧も進みました。住民は「川の向こう側の人は、もっと大変だった。(復旧が進み)いまは安心では」と話していました。

砂防ダム約30基の完成で被害人口が半分ほどに

ただ、国は、さらなる対策が必要だとして、瀬野川流域で砂防ダムを整備します。約20年かけて、30基ほどを作る計画です。

国の試算では、砂防ダムが完成すれば土砂や洪水で被害を受ける人口が、約7600人から約3900人まで減らせるとしています。

広島西部砂防事務所 佐々木美紀事務所長
「近年、集中豪雨が全国各地で発生している。広島で大雨が降ったときに、土砂災害が発生する危険性もある。しっかり事前に対策したい」

約300億円を投じる一大プロジェクト。今年度は調査・設計にとりかかる予定です。