好天に恵まれた週末、広島県南部の尾道市では早くも田植えが行われました。温暖化を逆手にとって1回の田植えで2回、収穫が出来る再生二期作です。

順調に行けば、8月の盆前に1回目の新米の収穫となります。さて、価格はどうなるのでしょうか?

11日、尾道市北部にある御調町今津野地区です。

今津野東 森泰宏 代表
「やっときょうから田植えということで、『これから頑張るぞ!』という気持ちですね」

農業法人「今津野東」はこの日が田植えのスタート。スタッフ総出で、あきたこまちの苗を植えて行きます。従来、ゴールデンウィークの頃から始めていた田植えの時期を前倒しするわけは、1回の田植えで2回収穫する「再生二期作」のためです。

8月に1回目を収穫。長めに残した切り株に肥料を与えて、再びイネを育てて、10月に2回目を収穫します。温暖化を逆手にとった新しい農法で、この法人でも去年から取り組んでいます。魅力は、収量のアップと1回目の収穫時期です。

森泰宏 代表
「8月の上旬には、もう店頭に並ぶことができるので、かなり値段的にも有利に働きます。まあ、競争相手がいないというところもありますので、そこを狙っていきます」

しかし、収穫までの道のりは簡単ではないようです。

森泰宏 代表
「去年もずっとそうだったんですが、あの、猛暑で、かなりイネも弱ってしまう」

去年は、猛暑で田んぼの水が風呂の湯のように熱くなったそうです。川の水をかけ流しましたが、雨不足で水量が減り、危機的な状況だったそうです。

二つ目は原油価格の高騰です。田植え機を動かす軽油も田んぼにまく化学肥料もその影響を受けますが、森代表自身、どの程度の影響なのか分からないそうです。

三つ目は米価。去年の高止まりの反動で、業界では、かなりの下落も予想されています。

森泰宏 代表
「我々の買う資材とかは、全部値上がりしているので、そん中で、コメの値下がりっていうのは、非常に危機感があります。税込みで(5キロ)3600円ぐらいのところ、以上のところは値がついてもらわないと、どうしても利益が出せないという状況になりますので」

この再生二期作あきたこまち。まずは、どんな収穫の「夏」を迎えるのか?取れた新米は、地元の道の駅や最寄りのスーパーで販売される予定です。

ことし秋の新米価格についてですが、需給動向で考えると、現時点で売れ行きが悪く、コメ余りになっているため、かなり下がるのではないか?とみられています。ポイントになる価格が「5キロ税抜き3千円」。「3千円を割らないと売れない」という見方と、「3千円を割ると農家がやっていけない」という見方があります。

もう一つ、国が「食料システム法」という新しい法律を作って推奨しているのが生産・流通のコストを踏まえた価格の決め方です。そのモデルとなるコメのコスト指標が先日、発表されましたが、その金額は「5キロ税込み2816円」です。

仮に生産・流通の各段階で2割程度の利益をとると、店頭価格は「5キロ税込み3500円程度」となります。これには原油価格高騰の影響は含まれていないので、さらに上がるとみられます。

需給動向だけで決まるのか?ある程度、利益確保に配慮した価格になるのか?今のところ、はっきりしていません。