広島が誇る世界最大級の製鉄所への潜入取材です。鉄道ファンの方でもこの列車は見たことがないのではないでしょうか。溶けた高温の鉄などを運ぶ「構内鉄道」です。

広島県福山市にある、JFEスチール西日本製鉄所福山地区。面積は1420万㎡。マツダスタジアム約620個分に当たり、世界最大級です。今回、特別な許可を得て、その敷地内で取材しました。

「構内鉄道」が牽引する巨大な鍋

こちらがきょうの主役、「構内鉄道」です。機関車が牽引しているこちらの巨大な鍋。鉄鉱石を溶かした約1500度の「溶銑」が入っています。重さは220㌧。鍋自体の重さも合わせると1つ300㌧にもなります。

運転台にカメラを取り付けて、運転士や列車の目線でも撮影しました。

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製鉄所に張り巡らされたレールの総延長は50km。その上を24時間365日、常に列車が運行しています。そんな構内鉄道の意義について、運行を担う製鉄所のグループ会社、JFEウエストテクノロジーの責任者に聞きました。

JFEウエストテクノロジー福山事業所鉄道部 升田茂 統括マネージャー
「製鉄所の中で、鉄道部がなければ製鉄所は動かないと思っています。言わば、人間で言えば大動脈となる部署と思っています」

構内鉄道は「製鉄所の大動脈」

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「製鉄所の大動脈」という構内鉄道。その運転の仕方は一般的な電車などとは大きく異なります。

運転士が公衆電話ボックスのような小部屋に入りました。肩から掛けているのは「送信機」。そのダイヤルを回して列車を動かします。

運転士 前田拓馬さん
「大きい機関車と、大きい鍋、そういったものを普段運転することがないので、いかに安全に、決められたところに迅速に運ぶというのが、そういったことを達成した時に自分の中でやりがいを感じます」

構内鉄道の「心臓部」とは

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構内鉄道の「心臓部」に当たるのがこちらの「指令室」です。全部で18本ある列車がどこを走っているかが一目で分かります。安全かつスムーズに運行できるように、信号機の切り替えや、ルートの指示をしています。

JFEスチール西日本製鉄所福山地区では、毎年イベントを開いたり、団体の見学を受け付けたりして、熱延工場の内部などを公開しています。

しかし構内鉄道に乗ることができるのは運行会社の社員だけ。社内には、この列車に憧れたことも入社の動機の1つだった鉄道好きもいるといいます

JFEウエストテクノロジー福山事業所鉄道部 升田茂 統括マネージャー
「JRに乗るのは大好きで、普段いつも乗るんですが、やはり構内の鉄道というのは、この会社に入らないと、運転することも乗ることもできない。憧れの的だったと聞いています」
「わが社の新入社員の最初の希望というのは、鉄道が一番多いです」

「製鉄所がある限り鉄道業務は切っても切れない」

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鉄道のレールを出荷するために、製鉄所から東福山駅まで全長3・6kmの専用鉄道も備えています。この日も、レールが列車に乗せられ、運ばれていきました。

JFEウエストテクノロジー福山事業所鉄道部 升田茂 統括マネージャー
「製鉄所がある限り、鉄道業務というのは切っても切れない業務だと思っています」

鉄づくりを陰で支える構内鉄道。きょうも製鉄所の中を駆け巡ります。