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[吉田幸noみみコミ(RCCラジオ)
内容:『生誕150周年 アルベール・マルケ展』について
出演:ひろしま美術館 学芸員 水木祥子さん

来月から、ひろしま美術館で始まる「アルベール・マルケ展について、
ひろしま美術館の学芸員、水木祥子さんにお話を伺います。
まずはやはり、画家の主人公アルベール・マルケについて教えてください。
はい。アルベール・マルケは、20世紀初頭のフランスで活躍した画家で、
昨年、生誕150年を迎えています。
近年フランス本国では、マルケの大規模な個展がいくつか開催され、再評価されてきています。日本では、しばらく展覧会が開催されておらず、35年ぶりとなる展覧会になります。
《ポン=ヌフとサマリテーヌ》1940年 油彩/カンヴァス
ひろしま美術館
ひろしま美術館に《ポン=ヌフとサマリテーヌ》という作品がありまして、
それで親しんでくださっている方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、
水辺の情景をたくさん描いている画家として知られています。
今回は、そういった作品を含めまして、マルケの故郷のフランスのボルドー美術館や、ル・アーヴルのアンドレ・マルロー近代美術館とか、フランスのいくつかの美術館からと、国内の主要な美術館から作品をお借りして、約90点の作品をご覧いただける展覧会となっております。
アルベール・マルケとは、どんな画家でした?
パリで暮らしていたんですけれども、その自宅から見えるセーヌ河の情景や、また、ヨーロッパ各地や、北アフリカなども旅していまして、港や浜辺とか、そういった水辺の情景をたくさん描いた画家として知られています。
チラシがあるんですが、水の色や海の色がそれぞれ違う!グラデーションがすごい綺麗なんですよね。
はい。濃淡の付け方、明暗差で描くのがすごく天才的にうまかった人でもあります。
空気感というか、陸に近い方は波が大きいといいますか、その向こうはきっと澄んだ空気なんだろうなみたいな、そんなふうな印象を受けるといいますか。
澄んだ空気というか、光の描き方も特徴だと思っていて…
「光」というと、印象派の画家も有名ですけど、それとはまた違って、画面全体に満ち渡る、穏やかな光っていうのが、マルケの特徴の一つかなと思います。
凪いでいるわけではなくて、空気がきっと、風があって、波もある、というところ。こういったところもマルケの魅力かと思います。
他にはどんな魅力があるって感じでしょう。
決して大自然を描いたわけではなくて、身近な水辺の情景としての、風景を描いてるんですけど、その中に、人々とかも出てくる。そういう動きを感じられたりするようなところも魅力だと思います。
描かれている人物が、上から俯瞰した視点で描いてるので、ちょっとした点みたいな感じで描かれてたりするんですよね。
《冬、ルーヴル河岸》1906年 油彩/カンヴァス パリ、個人蔵
(協力:パリ、ギャルリー・ド・ラ・プレジダンス)
本当にちょっとした線で、ちょんちょんって描いているんですけど、ちゃんと歩いてるように見えます。
ちゃんと向きが感じられるというか、向こうに向かって、この人は歩いてるんだろうなとか。ちゃんと遠近がありつつ、例えば、この雪景色、肩を縮こませながら歩いてる感じが、その本当にちょっとした、点のような線なんですけど、にも関わらず、その人の動きが感じられる、というのがすごいなと思っていて…
動きがありますね
そうなんですよ。
不思議
そう。不思議。不思議なんです。
《ル・アーヴルの縁日》 1906年、油彩/カンヴァス、ボルドー美術館
© Mairie de Bordeaux, musée des Beaux-Arts, photo, F.Deval.
黒いコートを羽織って、あと、きっと、あの大人だけではなくて、子供さんもいらっしゃるんだろうなっていうような、その大きさの違いで見せてくれるというか。
このちょっとしたタッチで動きとか仕草とか、体型、何となくわかりますし…
ちょっとしたタッチで、そうしたことまで表せるってすごいと思う。
マティスが『(葛飾)北斎のようだ』と彼を称して言ったんですけど、まさに、デッサンの巧みさだったり、そうところをそう称していますね。
マティスと本当に仲が良かったというふうにおっしゃいましたけども、対照的な画風というか、作風というか…
マティスは2次元で表していて、装飾的な、いろんな原色を使いながら、色面で表していた人なんですけど、アルベール・マルケも色面で表していて、いろいろ省略して描いているところはマティスの影響もあるんですけど、灰色や青緑とか、原色ではなく、落ち着いた色調を使いながら、奥行きのある画面、その場にいるような感じにさせる画面を作り出している、割と対照的な作風の2人だなと思います。
《マルセイユの馬》 1916年、油彩/カンヴァス、ボルドー美術館
© Mairie de Bordeaux, musée des Beaux-Arts, photo, F.Deval.
季節を変えて、同じ場面を描いていたりするんですけど、時間帯によって、あまり車が走っていなかったりとか、人もまばらだったりとか。雪深いのか、雪がそんな積もっていないのか、また、街路樹なんでしょうけども、その葉が茂っているとか…
季節が違いますね?
そうなんですよ。その場の空気だったり、温度を色使いによって描き分けています。ベージュ色を使っていることによって、雪が溶けかかってる感じ、ちょっと温かみを感じさせたりとか、同じ道路の色なのに、日が差しているんだろうなっていうことも感じられますね。
《ルーアン、ボワエルデュー橋とパリ河岸、快晴》 1912年、
油彩/カンヴァス、 パリ、個人蔵
(協力:パリ、ギャルリー・ド・ラ・プレジダンス)
水面の色が、全部違うんですけど、その違う水面を光が差しているんだなっていうのも感じられます。
そうですよね。他の作品は、もうちょっと暗い感じの色調になっていたりとか、雲が重く垂れ込めているのかなっていう雰囲気が出てたりとか。色使いによって空気感、光の違いを描き出せた人でもあるんですね。
キャッチコピーに『窓を開けば そこは心地よい水辺』と書かれているんですけれども、マルケの背景、何かこのキャッチコピーに関係するんでしょうか?
そうですね、窓から見た光景をいつも描いていて、自宅の窓から、あるいは、旅先だったり、ホテルの窓から覗いた、俯瞰した構図で描いてるんですよね。
距離を取った風景を描いていて、また、その窓から、我々も眺めているような気分にさせてくれる、同じ景色を見ている、心地よい風景を見ている気分にさせてくれる
風景画家だと思います。皆さんもぜひ、その同じ風景を見ていただけたら。
《バルコニー、または縞模様の日よけ》1945年頃、 油彩/板、
パリ、プロシュ・コレクション
(協力:パリ、ギャルリー・ド・ラ・プレジダンス)
水木さんおすすめの作品は?
今回、『ポン=ヌフ』が複数枚並ぶので、その描き分け、夜景の情景までありますし、都市の情景なので。夜のちょっとドラマチックなきらめいてる光の情景とか、その違いも眺めて頂いたら面白いと思います。
今回ポスター、チラシで使っている《ル・ピラ》という作品も、本当に美しい水辺の海の情景です。海水浴している人たちがいるんですけど…
《ル・ピラ》 1935年、 油彩/カンヴァス、ボルドー美術館
© Mairie de Bordeaux, musée des Beaux-Arts, photo, F.Deval.
気持ち良い風景ですね。
はい。ありがとうございます。
今回、ひろしま美術館が企画元になって、全国を巡回するというふうに伺っていまして。なかなか、ないんじゃないだろうかと思っております。
はい。
いつ頃から準備された?
2018年から考えてはいたんですけど、コロナ禍も挟んだので、実際に準備に取りかかったのは、コロナの明けたころから。
学芸員の方の、知識とか企画力とか、あと作品を集める力であるとか、様々なことが合わさって、ようやく一つの企画展ができるんだろうなというのは想像ができるんですけども。
無事に、海外からも作品を招聘することができたので、嬉しく思ってます。
ラジオをお聞きの皆さんにメッセージをいただけたらと思います。
日本では、35年ぶりの展覧会になります。これだけマルケの作品をまとめて見る機会は、そうそうないと思いますので、ぜひ、ひろしま美術館まで足をお運びいただければと思います。
ありがとうございます。4月11日から、ひろしま美術館で始まる
「生誕150周年 アルベール・マルケ展」について、学芸員の水木祥子さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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