政府によるガソリン補助金の支給が始まり、店頭価格の抑制に期待がかかっていますが、私たちの暮らしを支える物流の現場では、値下げどころか「燃料の確保」そのものが危ぶまれる異例の事態に陥っています。
広島県廿日市市では、19日、政府の補助金支給スタートを受け、値下げに踏み切る店舗も出てきました。
末川徹記者
「廿日市市のガソリンスタンドでは、先週と比べ20円下がっています」

給油した人
「(これ以上)下がらないと思うが、200円台にさえいかなければいい」
家計への負担を和らげる兆しが見え始めた一方で、物流の最前線では悲鳴が上がっていました。
給油所「インタンク」に燃料が届かぬ異常事態
東広島市の運送会社に勤める「せとうち物流事業協同組合」の梶さおりさんは、かつてない危機感を募らせています。
トラックの燃料となる軽油価格が30円近く跳ね上がり、1リットル178円台に達したためです。
この施設では、元売り会社から直接燃料を仕入れる自前の給油所「インタンク」を備えています。市場より安く抑えられるのが利点ですが、40キロリットル入るタンクの在庫は一時、5キロリットルまで減少しました。

せとうち物流事業協同組合 梶さおりさん
「次のローリー車を頼んで、あす午前中に来るのが通常だが、いまは来てもらえない」
イラン情勢の悪化により元売り側も在庫確保が難しく、配送が追いついていないといいます。加盟する25の運送会社には「タンクが空になる可能性がある」と異例の通達が出されました。
燃料の食いが現場に影響も…
せとうち物流事業協同組合 梶さおりさん
「中古で古い年式の車両を使う会社もある。燃費が悪い。小さい会社ほどキツい状況」

物流の根幹を支える大型車両。その知られざる燃費の現実を、広島県トラック協会の幹部が明かしました。
広島県トラック協会 呉支部 元吉茂事務長
「1リットル1キロしか走らない。400リットル入っても、400キロしか走れない。東京までの800キロは、途中で(給油を)つながないといけない」
「運賃改定」すら決められず 先行きへの不安
コストが確定しない不安も追い打ちをかけます。通常は週単位で提示される燃料価格が、イラン情勢悪化で元売り会社から伝えられていません。
基準となる燃料代が分からないため、荷主に求める「運賃改定」の幅すら決められない事態に陥っています。
広島県トラック協会 呉支部 元吉茂事務長
「春休みに入ると引っ越しシーズン。輸送コストがかさみ、市民に大きな影響が出る。値上げの幅が大きい。運送業界だけで(運賃)転嫁ができずお客さまに理解を求めないといけなくなる」

せとうち物流事業協同組合 梶さおりさん
「私たちも使命を持って(運んでいる)。医療物資だと届かなくなることもある。止めてはいけない気持ちがあるが(赤字で)商売できないとなると影響が出る」
暮らしの根幹である物流をどう守るのか。現場の使命感だけでは、すでに限界が迫っています。













































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