広島県安芸高田市で親しまれていた「辛いうどん」が、週末になると行列ができる人気です。「知る人ぞ知る」メニューが、突如ブレイク…。いったい何があったのでしょうか?

今月初め、広島市中心部で開かれたイベント…。ひときわ目を引く看板のブースが出店しています。安芸高田市の名物「夜叉うどん」。赤い出汁と豚肉…、色鮮やかな青ネギがたっぷりと乗っています。

来場者「(今食べてるのは?)夜叉うどん。(ご存じだった?)知ってます」「初めてですけど、おいしかった」「辛いですけど、うどんで辛いのはなかったので、おいしく。スープまで全部飲んでしまいました。ビールにも合いますし」

「夜叉」とは、神楽の演目に登場する鬼のことです。そんな鬼をイメージした「辛さ」が特徴の夜叉うどんが、ブレイクしているのです。

夜叉うどん発祥の地が、安芸高田市にある神楽門前湯治村です。神楽の定期公演や温泉が楽しめる施設。夜叉うどんは村内にある飲食店で、1998年のオープン当初から提供されています。地元の人や神楽ファンに愛される看板メニューでした。

神楽門前湯治村 江種恭匡部長「知る人ぞ知るという印象が強くて、ここで神楽公演をする人=神楽団にごひいきいただいて、地元の方に愛されるグルメであったかなと」

ブレイクのきっかけは、SNSだといいます。真っ赤な出汁と地元の青ネギのコントラストに「映え」の要素もあるのか、来店した人たちの投稿が拡散していきます。

江種恭匡部長「一気に知る人ぞ知るというところから、広島市内、県内の人たちに認知度が高まっていったという印象があります」

夜叉うどんの勢いは止まりません。

広島の食の魅力を発信するキャンペーン「おいしいけぇひろしま」。地元出身のアーティスト吉川晃司さんと奥田民生さんが応援団長に就任して、去年6月から県内の「知る人ぞ知る」グルメをPRしています。

吉川さんと奥田さんが、広島弁で地元の食を語る映像は、「消費者が選んだ広告コンクール」で表彰されるなど、知る人ぞ知る広島の味を、全国にPRしました。

表彰式「グランプリは夜叉うどん、江種恭匡さんです」

そのキャンペーンの一貫として、去年実施された県民投票による「推し食グランプリ」。夜叉うどんは、グランプリに選出されたのです。

神楽門前湯治村 江種恭匡部長「ここは神楽のイメージが強かったところが、グルメでもお越しいただくきっかけになった方が増えて、1.5倍から2倍ですかね」

グランプリ獲得の効果もあって、週末になると神楽門前湯治村では「夜叉うどん」の店に行列が…。

来店客「夜叉うどん食べにきました。自分は1、2回来たことがあって、ちょっとクセになるんで、辛さが」

夜叉うどんは、発祥の地=神楽門前湯治村を含めて、安芸高田市にある7つの店で提供されています。「鬼より辛い」刺激を求めて、多くの人が安芸高田市を訪れてほしい…。ブレイクをきっかけに、地元の期待も高まっています。

神楽門前湯治村 江種恭匡部長「効果はバツグンです。びっくりしました。ここまでお客様にお越しいただけると正直思っていなかったので。どんどん普及したいと思ってますし、安芸高田市のみなさんが自信をもって『ソウルフード』といえるような環境を、作らないといけないと思っています」