核兵器禁止条約の発効から22日で5年。しかし世界の核兵器を巡る情勢はむしろ悪化しています。2月8日は衆議院選挙の投開票が行われます。高市政権に対して被爆地・ヒロシマはどのような審判を下すのでしょうか。

広島県被団協 理事長 箕牧智之さん(83)
「被爆者は核兵器禁止条約を国の内外に訴え続けてきました」

日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める被爆者たちー。平和団体のメンバーも加わり、観光客らに署名を呼びかけました。

核兵器の開発・製造・使用などを違法とする「核兵器禁止条約」。2017年に採択され、5年前のきょう発効しました。現在、世界の半数にあたる99の国と地域が署名・批准していますが、アメリカの「核の傘」に頼る日本は一貫して条約と距離を置き、締約国会議のオブザーバー参加も見送っています。

広島県被団協 理事 田中聡司さん(81)
「どうか皆さんの一声一声を大きくして、なんとしても政府を動かすことにしましょう」

県被団協・理事の田中聡司さんは、日本政府が条約に加わるよう働きかけを強めていこうと訴えました。

1歳のときに入市被爆した田中さん。これまで6つのガンで入退院を繰り返し、いまも通院を続けています。

田中聡司さん(81)
「被爆国、平和国家を掲げる日本政府は、あろうことかこの条約にそっぽを向いてる。国民の大きな声にして政府を動かす」

日本被団協がノーベル平和賞を受賞してからは、田中さん自ら核保有国に出向き、核兵器廃絶を訴える活動を続けています。去年はフランスやアメリカを訪れました。しかしそこでも日本政府の態度が問われるといいます。

田中聡司さん(81)
「まず自分たちの国が条約に入ってないんだから。だから非常に恥ずかしい思いをしてるんですよ。去年ぐらいから批判されるようになったの。『あなたの国どうして入ってないの?』と」

高市総理就任後には、核兵器廃絶に逆行する出来事も続きました。

高市総理が「非核三原則」の見直しを検討していると報じられたのです。去年12月には総理官邸の幹部が「日本は核保有すべきだ」と語り、被爆地に大きな衝撃を与えました。

高市総理(1月19日 衆院解散を正式表明)
「自らの国を自らの手で守る。現実的で強靱な安全保障政策へと踏み出して参ります」

元中国新聞の記者だった田中さん。今回の選挙の結果次第で、日本の安全保障政策が大きく変わってしまうと危機感を感じています。

田中聡司さん
「つくづく恐ろしく思っているのはね、とにかく『私の政策を支持してもらうために力を与えてください解散』みたいな感じでしょう。国民の多くは、私たちも全く防衛力が必要ないとは思っていない。しかしそれを強化するばっかりで一方で核に対する政策、平和政策というのが一向に見えないじゃないですか」

街の人たちは、核政策にどのような思いを持っているのでしょうか。

◇三重から
「広島の資料館に行かせてもらって。やはり核は持つべきだって容易に言えなくなると思う」
◇三重から
「高市早苗総理大臣の考えも完全な反対とも言えないし、国を守っていくには、必要なことはあるのかなと、少しは思ったりもします」
◇広島市内
「子供がいるので、やっぱり子供の未来を守ってもらえるような政策を気にしていますね。もちろん戦争のない未来が一番いいですし」
◇広島市内
「(Q核兵器の問題 優先順位は?)
 まだまだ低い。まずは生活が一番。税金、物価高をなんとかして」
◇東京から
「核政策はどうしても優先順位は低い。保育・子育て関係が高い」
◇神奈川から
「この世界から戦争を起こしてはいけない。日本から手本を示してもらいたい」

高市総理(1月19日 衆院解散を正式表明)
「外交・安全保障政策も極めて重要です。決して右傾化などではなく、普通の国になるだけだと私は考えています」

広島県被団協 理事 田中聡司さん(81)
「平和主義・非核主義を掲げた日本の根幹が揺らいでいる。打開する道は核兵器禁止条約」

安全保障政策など日本の方向性を決める節目ともいえる今回の総選挙。田中さんは引き続き日本政府に「核廃絶の願い」を訴えていくつもりです。

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(スタジオ)
争点として、消費税の話が全面に出されている印象ですが、核兵器などの安全保障政策の問題は、国民の命に直結する、国の根幹に関わる大きな問題です。候補者にはぜひこの点もしっかり発信してほしいですね。