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いよいよ年末年始が近づいています。家族や親戚と囲む食卓を心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。なかでも、縁起物として魚の需要が高まりますが、大幅に値上がりしているものもあります。
末川徹記者
「午前4時です。いろいろな魚が集まっています。高級魚として知られるアコウやフグ・ヒラメなど新鮮で生き生きしています」

広島市の中央卸売市場では18日、競り人のかけ声を合図に、次々と魚が競り落とされました。
広島魚市場 住田幸司さん
「年末は、タイ・タコなど刺身商材になるもの。ヒラメとか。需要が高まる。ブリなど」
ブリは、鹿児島県産の養殖物が中心ですが、卸値は去年の同時期と比べ、1.7倍~1.8倍に値上がりしています。背景には、エサ代や人件費の高騰などが影響しているそうです。

タイは、養殖・天然ともに平年並みで推移しています。一方、市場全体で見ると、鮮魚などの流通は、右肩下がりの状況が続いています。
広島魚市場 住田幸司さん
「年々(漁獲量が)減っている。まちの魚店もなくなっていて、影響はあるのではないか」
86歳になった現在も、魚店の看板娘です。半世紀以上に渡り地元の食卓を支えてきた女性が、いま直面している変化。加えて、大量死に揺れるカキの現状について、切実な声を聞きました。
「しまや水産」の島本キシノさん(86)は、この道60年以上の大ベテラン。注文を受けた魚を手際よく捌きます。常連客との気さくなやり取りは店の活気となっています。

島本さんは自ら市場に足を運び、仲卸業者から魚を仕入れています。長年通い続けたなか、想像できなかった変化が起きていると話します。
しまや水産 島本キシノさん
「(魚が)少ない。近海物がない。2~3年くらいは良い魚がない。魚店や飲食店も困っている」
しまや水産はかつて、広島市の台所として栄えたJR広島駅南口の愛友市場にありました。年の瀬には、旬の魚介類がところせましと並び、大勢の人でにぎわっていました。

その後、駅の再開発に伴い、12年前に現在の場所に移転。週2日ほどのペースで営業を続ける一方、市民の魚離れを肌で感じています。
しまや水産 島本キシノさん
「私の代で魚店もいなくなっている。魚が揃わない。1匹メバルが1000円。5人家族で5000円では食べられない。(客は)値段を聞き手を引く」
島本さんは、別の悩みもあります。手にしていたのは東京・埼玉などと書かれた県外への送り状。年末に配送するはずだったカキの注文です。
広島が日本一の生産量を誇る冬の味覚、カキ。夏の高水温か、塩分濃度の高さが影響したのか。原因は判明していませんが、一部の海域では9割が、へい死するなど、深刻な事態です。

店でも殻付きのカキが確保できず、25日以降の注文について、キャンセルの連絡を進めています。
しまや水産 島本キシノさん
「カキ業者は大変。荒海のなか、一年中頑張ってとれなかった。私たちは売る立ち場。(ものが)ないのは我慢してもらえる。作ったものが死んだらかわいそう」
年末の食卓に欠かせないのは、魚だけではありません。
広島市安佐南区の和菓子店「河岡食品」です。県産のもち米を使った商品などが並びますが、仕入れ値が、おととしに比べ3倍に。もちの販売価格は光熱費・人件費の高騰も重なり、最大1.6倍ほどに値上がりしています。

河岡食品 本谷哲章 社長
「(もち米を)作れる人も減っていて、断られるなど生産者も困っている。2年立て続けに大幅に上がることはなかった。後手後手で大変」
そのうえで「価格は上がっているが、安易に安い材料に切り替えるのはグッと耐えて、品質は落とさない。楽しみにしている人の期待を裏切らないよう作りたい」と意気込みました。

































































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