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「戦争が止まらん」 ノーベル平和賞受賞から1年 日本被団協への期待とは裏腹に 広島の被爆者 箕牧智之さん 

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日本被団協がノーベル平和賞を受賞して12月10日で1年です。被爆者らは受賞後も“核のタブー”を伝え続けましたが、「核なき世界」への道筋はいまだ見通せないのが現状です。授賞式に出席した広島の被爆者で代表委員の箕牧智之さんを取材しました。

ノーベル平和賞を受賞した日本被団協は、被爆者の高齢化という課題に直面しています。代表委員の箕牧智之さん(83)は、持病の心不全で入退院を繰り返していて、10日は東京での役員会を欠席しました。

日本被団協 代表委員 箕牧智之さん(83)
「体力的にももたない。被爆者は皆、年を取った。あと10年したらほとんどいなくなる」

3歳のとき、原爆投下直後の広島市内に母親と入り被爆した箕牧さん。受賞後は、被爆証言の依頼が相次ぎ、外出許可を取って病院から駆けつけたこともあります。

海外でも核兵器廃絶を訴えました。

日本被団協 代表委員 箕牧智之さん(83)
「世界に通じるんじゃけぇね、被爆者言うたら名前がね。その期待とは裏腹に、世界の戦争が止まらん」

平和記念式典で挨拶する広島県 湯崎英彦知事(当時)
「国守りて山河なし。もし核による抑止が歴史が証明するようにいつか破られて核戦争になれば、人類も地球も再生不能な惨禍に見舞われます」

ノーベル平和賞を追い風に、世界に発信された被爆者の願い。しかし足元の日本で、高市総理が「非核三原則」を見直すかどうか明言を避けるなど、核を巡る情勢は1年前より厳しさを増しています。

原爆ドーム前の集会で訴える箕牧さん
「総理、あなたは80年前の出来事を分かっていらっしゃいますか?」

全国の被爆者の平均年齢は、86歳。広島県内でかつて73あった地域の被爆者団体は、半分以下の28に減っています。

日本被団協 代表委員 箕牧智之さん(83)
「ノーベル平和賞を日本被団協がもらった。少しは世界は変わるかと思った。変わりゃせん。トンネルの中からぱっと明るいところに出て、ノーベル賞もらったらまたすぐトンネルの中に入っていく、そんな感じよの」

◇ ◇ ◇

1年前、被爆者たちは「受賞はゴールではなく出発点」 だと話していました。これからも力をふり絞って「核兵器のない平和な世界」をめざして、訴え続ける決意をしています。次の世代に何ができるのか、1人1人が問われています。

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