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今月、一人のアメリカ人が広島にやってきました。ジェフリー・ジョーンズさん(37)。ニュージャージー州に住む、3児の父親です。ジェフさんが追い続けるのは、マツダのスポーツカー「RX-7」。この車にまつわるドキュメンタリーを作るため、撮影を続けています。ジェフさんを突き動かすものは何なのか。広島での取材に密着しました。
ジェフさんが訪れたのは、歴代の車などが展示されている「マツダミュージアム」です。一緒にいるのはカメラマンの矢口翔大さん。ジェフさんの通訳も務めています。ジェフさんが来日するのは、今回が三度目。来日の度に、広島を訪れてきました。
ジェフリー・ジョーンズさん
「世界中のどこにいても、RX-7を見る度に幸せな気持ちになるんだ。自分のRX-7を運転したときの、素晴らしい思い出があるから」

しかし絶望のなか、ふと脳裏に浮かんだのが、憧れの車「RX-7」。ジェフさんは、試乗すらせずRX-7を購入したのだといいます。
「車を受け取ったのは、真夜中に近かった。ドライバーによって運ばれてきたからね。一時間くらい、ただ周りを運転したんだ。妻は『早く帰ってきて』って言ったけど、運転を止められなかった。とても、美しい経験だった」

ジェフさんの心に響いた、RX-7の、ターボチャージャーの音や匂い。一緒に走るうちに、ジェフさんは「もっとこの車のことを知りたい」と思うようになります。
その中で知った、マツダが掲げるとある“フレーズ”が、ジェフさんを動かしたのです。
「最初は、なんてかっこいい車なんだ!という気持ちだけでした。でもRX-7のことを学ぶうちに、この車を設計し開発した人々、そして彼らが働いていた広島の持つ『決して諦めない(NEVER GIVE UP)』精神を知ったんです。この“決して諦めない”というフレーズは私に響きました。なぜなら、ほとんど諦めかけていたからです。私は思いました。私が勇気をもらったように、私も他の人たちに勇気を届けたいと」

ジェフさんたちが作っているのは、ドキュメンタリー「The Dream Engine(ザ・ドリームエンジン)」です。逆境を乗り越え、世界で初めてロータリーエンジンの量産に成功したマツダの「決して諦めない(NEVER GIVE UP)」精神を軸に、前を向いて生きるためのメッセージを探ります。
ジェフさんは4年前から、自らマツダ関係者にコンタクトを取り、取材を続けてきました。取材を受けてきた人たちは、ジェフさんから、ただならぬ熱意を感じたといいます。
元マツダ 鈴木文三さん
「付き合えば付き合うほどナイスガイで、彼自身が燃えているものがありますからね」
元マツダ 貴島孝雄さん
「計画、予算、スポンサーもいない。子どもみたいなイメージだったんですよ。でもね,子どもだけれど純粋で、なんかやりそうだって感じがします」

この日、ジェフさんはいつにも増して緊張している様子でした。ジェフさんの想いを知ったマツダの毛籠社長が、インタビューに応えてくれることになったのです。
ジェフリー・ジョーンズさん
「興奮しています。緊張もしてます。時間が多少和らげてくれますが……やっぱり緊張します」
毛籠社長は、マツダの北米事業を統括するアメリカ法人の社長や、RX-7の最終世代のマーケティング主査も勤めた経験があります。RX-7のファンであり、アメリカ人でもあるジェフさんには、聞いてみたいことがたくさんありました。
そしていよいよ、そのときが訪れました。

マツダ 毛籠勝弘社長
「やあ、ジェフ。会えてうれしいです。広島へようこそ」
ジェフリー・ジョーンズさん
「こちらこそ、お会いできて光栄です」
毛籠勝弘社長
「あなたのことを、YouTubeで見ましたよ」
ジェフリー・ジョーンズさん
「わあ、ありがとうございます!」
握手を交わすジェフさんと毛籠社長。この日のために、長い時間をかけて準備してきた質問を、ジェフさんは投げかけていきます。

ジェフリー・ジョーンズさん
「あなたがドライブを楽しまれていることはもちろん知っていますが、個人的にお気に入りの車はありますか?」
毛籠勝弘社長
「今のところ、ミアータ(ロードスター)の運転を楽しんでいます。でも私のお気に入りはFD(RX-7)です。なぜなら私にとって、特に最終バージョンは、赤ちゃんのような存在だからです」
ジェフさんは、興奮気味に質問を続けます。
ジェフリー・ジョーンズさん
「マツダはロータリーエンジンのスポーツカーを出す予定はありますか?」
毛籠勝弘社長
「それは私の大きな夢です。その夢に到達するために、エンジニアが準備を整える必要があります。私は彼らを後押しし、彼らが『準備できた』といったら、私たちに何ができるか、みてみましょう」

限られた時間の中で、毛籠社長は、ジェフさんにメッセージを伝えます。
毛籠勝弘社長
「物事は変わり続けます。それはあなたの人生でも、私の人生でも同じで、困難なとき、よいとき、悪いときがあります。私にとって常に重要なことは、大きな夢を諦めないことです。今はビジネスをより強固にする必要があります。乗り越えるには少し大変な時期ですが、私たちは必ず乗り越えますよ」

マツダへの取材を終えたジェフさん。矢口さんとともに、広島の街を見渡せる展望台に上り、この旅を振り返ります。ジェフさんは、伝えたいことは何なのかを改めて確かめることができたと、話します。
ジェフリー・ジョーンズさん
「毛籠社長は若いときに、キャリアに失敗したときの話をしてくれました。彼のような地位の人が、自分の期待に応えられなかった時期について率直に話してくれたのは、素晴らしいことでした」
「私は多くの人に伝えたいことがある。失敗は起こります。悲しいことも起こります。でも決して諦めず、前進を続けるということです」


























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