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広島市など都市部の近郊でも目撃されているクマ。クマと人はなぜ近づいてしまったのでしょうか?専門家の調査に同行しました。
広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「昼ですね(クマは)人間の生活圏近くだともう深夜帯しか出てこなくて、山の中だとこの時間でも普通に動いている」
広島修道大学の奥田圭教授です。廿日市市・広島市など、県内150か所にカメラを設置して、生活圏に近い山林の野生動物の生態について調査しています。
10年前に調査を始めた当初はクマは映っていなかったそうです。しかし、2021年あたりからカメラが姿をとらえるようになってきたそうです。
広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「クマ鈴はつけていくというのは徹底しています。クマがいるかもしれないという心構えでいることが重要」
この日は、佐伯区で設置したセンサーカメラのSDカード回収と交換です。
広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「(ここでクマの撮影は?)ここは無し。ここに来たらちょっとまずいかなと」
今の時期、クマは、冬眠前の準備に栄養を蓄えるため、餌を探して行動圏域を広げます。

広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「今年、中国山地のドングリは凶作ではないので、森の資源量は豊富にある。住宅近くにクマがおりてきたとしても定着する要因がない.。(柿の味を知り)住宅地周辺の森に居ついてしまっているような個体がいると、柿がなる時期に人間との遭遇確率が増えてしまう」
奥田教授は、この問題の根本にはライフスタイルの変化があると指摘します。薪や炭を使っていた昔の人たちにとって、動物の管理は生活を左右する大切な問題でした。
広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「動物が入ってきて農作物被害を受けてしまうと死活問題なので、農地を守るために動物の管理をしっかりする。または防除をしっかりしてきたと思います」
しかし、石油の普及で管理されなくなった里山が一気に広がりました。こうした里山の放棄や山に近い農地の減少が進み、野生動物の管理が行き届かなくなり、人とクマの生息域が近づいてしまったと指摘しています。

広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「野生動物の問題も含めて、総合的に見ていってまちづくり、都市計画っていうものを作っていかないと、この野生動物の脅威っていうものから解放されるっていうことは難しいんじゃないかなと」
奥田教授は、クマの生息場所が私たちの生活圏のすぐ手前まで来ている現実を把握することが、被害を防ぐ上で重要だと強調しました。
奥田教授によりますと、クマが、すぐ近くの森にいるかもしれないという認識を持つことや、山や森に行くときには、クマ対策グッズの携行や単独行動を行わないなどが大切だと言うことです。




























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