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「おまえも共犯だ」中学生から6年間続いた外部コーチからの性被害…自分を「悪者」と思い込み 被害女性(20代)が語る“魂の殺人” スポーツ界に潜む“グルーミング”

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「性犯罪は魂の殺人だ」。11月上旬、20代の女性は震える声でそう語りました。部活の外部コーチから受けた被害は、中学生から大学進学後まで続きました。練習場や合宿で繰り返された暴力は女性の笑顔と未来を奪いました。一人の女性が「グルーミング」という手口で性被害を受け続けた実態を告発するため、記者会見を開きました。声を上げる勇気を持った理由とは。

「スポーツに命をかけて一生懸命頑張っている中で、気づいたら自分がグルーミングされていました」

「指導者が言うことは正しい」と信じて

記者会見に臨んだ女性は、自らの体験を語りました。女性は所属していた部活の外部コーチから、14歳ころから被害を受け始めました。そしてそれは、19歳まで約6年間にわたり続いていたといいます。

「指導者が言うことは正しいんだ、この人の言うことを聞いていれば、私はスポーツで強くなれるんだと思い込んでいました」

女性は当時、外部コーチからの行為に疑問を持つことはなかったと語ります。むしろ「指導者が言うことや私にすることは、私のためにやってくれている」と思っていたといいます。

「お前も共犯だ」と脅され続けた日々

女性はさらに外部コーチから「お前も俺も悪いんだ。お前も共犯だからこの関係がバレたら、お前ももうそのスポーツもやっていられないし、普通に生活できなくなるから絶対にこの関係をバレちゃいけない」と日常的に言われていたと明かしました。

「指導者の言うことが絶対だったので、この関係をバレたらいけないんだっていうのと、指導者が私も悪いって言うんだったら、私も悪いことをしているんだなっていう風に思っていました」

女性は「共犯」という意識を植え付けられ、自分も悪者だと思い込まされていました。そのため長い間、声を上げるという考え至ることができなかったと話します。

「あなたは悪くない」変えた友人の言葉

しかし時間が経つにつれ、「毎日辛いな」「私って幸せになっていいのかな」という気持ちを抱えるようになりました。

「何でも話せる友人に、なんとなく過去に指導者とこういうことがあったんだよねって言った時に、『あなたは悪くなくて、被害者なんだよ』と言われたことがすごく大きくて」

※画像はイメージ

この友人の言葉をきっかけに、自分は悪くないのではないかと考え始めたといいます。そこから被害の認識が生まれました。そして、今年に入ってからPTSDと診断され、働いていた会社を休職。治療を受けるようになりました。

刑事告訴から民事訴訟へ

女性は今年、外部コーチを児童福祉法違反の疑いで刑事告訴。さらに今回、1100万円の損害賠償を求めて民事訴訟も提起しました。

訴状によりますと外部コーチは、今年、児童福祉法違反の疑いで逮捕されましたが、その後精神状態などが理由で釈放。現在は任意で捜査が続けられています。

会見に同席した代理人弁護士は「グルーミングにより被害感が生まれない。そのため、被害が繰り返され長期になる。子供が継続的に性被害を受ける手口として、グルーミングは非常に悪影響を及ぼしている」と述べました。

弁護士によると、この外部コーチは、現在も同じ競技の指導者として活動しているということです。

「私のような思いをする人がいないように」

女性が今回、声を上げた理由については「同じようなことで今苦しんでいる方がいるかもしれない」という思いからでした。

「スポーツの世界は独特で、小さな集団の中にいるとすごく閉鎖的です。生徒からすると指導者は大人でもあるし絶対的な存在。でもその立場を利用して、私にしたようなことをする他の大人もいるかもしれない」
「今悩んでいたり、『これって普通の関係なのかな』と悩んでいる人がいらっしゃるのであれば、そこに『おかしいんだよ』ということが響けば嬉しい」

「自分自身はずっと汚い体だと思っていて、今もその気持ちは消えない」。女性は苦しさを語りつつも、「支配されたくない。自分の人生を歩みたい」と話します。

会見で「自分がされたこと、指導者がしてきたことをいろんな方に知ってもらいたい」と訴えた女性。最後に「最後まで戦い切りたい。これが私の大きなきっかけになれば」と、自身の体験を公にした思いを語りました。

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