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「このホールで、しっかり噛みしめて演じたい」子どものころ憧れた舞台に上がり 劇団四季「キャッツ」底抜けに明るい鉄道猫を演じる俳優の思い

劇団四季のミュージカル「キャッツ」の3回目となる広島でのロングラン公演が、12年ぶりに開催されています。学生時代、広島公演を見て劇団に憧れた俳優が同じ広島の舞台に初めて立ちました。

「寝台列車を取り仕切るのはこの僕なのさ~♪」

寝台列車に乗り込み乗客のため懸命に働く気のいい鉄道猫、スキンブルシャンクス。演じるのは、広島での出演が初めてとなる田邊祐真さん(28)です。

田邊さんは、広島公演に特別な思いがありました。

田邊祐真さん
「懐かしい、周りの景色や川を思い出してきた」

島根県松江市の出身。これまで2回あった「キャッツ」の広島公演を1回目は小学校1年生のとき、2回目は高校1年生のときに家族で見に来たそうです。

田邊祐真さん
「人間の体で猫の動きを表現するは、一種人間離れしてることをやらなきゃいけないのが、やっぱりすごいなって思って見ていた。明確に憧れになった」

オーディションを経て劇団四季に入団

田邊祐真さん

高校卒業後、オーディションを経て2015年に劇団四季に入団、今回ようやく思い出の会場での出演が決まりました。

田邊祐真さん
「嬉しかったですね。頼む、呼んでくれって思って、ずっと思ってました。広島公演が決まった時から」

演じるのは底抜けに明るい鉄道猫「スキンブルシャンクス」。自分のキャラとのギャップも感じるそうです。

田邊祐真さん
「僕じゃなくてスキンブルシャンクスとして舞台上では生きないといけないので、1つギアを上げて、彼に近づくように毎回やっています」

本番前の稽古。田邊さんが意識をしていたのは、ネコの柔軟性です。

田邊祐真さん
「(ネコの動きは)後ろ足が出たら、それに押されて前足で、肩から動かすイメージ。最初は大変だった、手首は腱鞘炎みたいになった」

そして、迎えた広島公演。開演が1時間半前に迫りました。

田邊祐真さん
「この上野学園ホールでやれるというのは感慨深いことなので、しっかり噛みしめてやっていこうかなと思います」

田邊さん「キャッツは戻っくる場所」

この会場で初めてキャッツを見てから21年、いよいよ舞台に上がります。

「キャッツ」は都会のゴミ捨て場で24匹の猫たちの生き様を描いたミュージカル。これまでの入場者は全国で1100万人を超える劇団四季のヒット作品です。

スキンブルシャンクスの見せ場はミュージカル後半です。

スキンブルシャンクスの唄
「思い出を道連れにしてゴトゴト揺られて」

そして、カーテンコール、この日も1400人の満員の観客から拍手が鳴りやみませんでした。

観客
「今日初めて見たんですけど、歌も踊りも凄くて人間なのにほんとに猫みたい」
「黄色い猫がめちゃくちゃ甘えていたり歌が上手だったです」
「(好きな猫は?)スキンブルシャンクスです。小さいころスキンブルシャンクスの唄をやって、きょう初めて見て好きだと思った」

田邊祐真さん(広島初演を終えて)
「みんな笑顔で楽しんでくださってるのが伝わって励みになるなって思いました。当時の僕みたいな子がね、出てくるかもしれないので、それも楽しみにがんばっていきます」

田邊さんにとってキャッツとはどんな存在なのでしょうか?

田邊祐真さん
「戻ってくる場所ですね。色んなところに他の作品に行っても戻ってこられる素敵な作品。日々進化して、自分も進化して残していけたらいいなと思います」

劇団四季「キャッツ」のロングラン公演は、来年2月23日まで上野学園ホールで開かれます。

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