値上がりする「ガソリン価格」についてお伝えします。レギュラーガソリンの価格は175円80銭(16日時点)。前週より10銭高く、6週連続の値上がりとなりました。2025年は、180円超えが当たり前の年となりそうです。
広島市西区にある国道2号沿いのガソリンスタンドです。17日時点のレギュラー価格は185円、ハイオク価格は196円です。
スタッフが直接給油を行うフルサービスのため、セルフ式より高い値段です。
平和サービスステーション 庚午橋SS 藪本健一 さん
「いくら高くても車は必要。ガソリン価格の値上げは仕方ない」
1998年、RCCは同じ場所のガソリンスタンドを取材していました。レギュラー価格はおよそ半分の98円です。1990年後半から各社が競うように店頭での価格表示を始めたそうです。山口方面に向かうと90円を下回る地域もありました。
あれから四半世紀が経過しました。資源エネルギー庁がまとめた価格の推移です。
レギュラーガソリンは本来、1リットルあたり200円を超えることも珍しくありません。政府は、2022年1月から石油の元売り会社に「補助金」を支給して、価格の高騰を抑えてきました。今後、補助金が段階的に縮小されることから、10円値上がりする見通しです。
60代
「高い。街の中心部で入れたら(値段に)ビックリする」
20代(空調設備業)
「週2~3日はガソリンを入れる。10円上がるのは大きい。私生活でも節約をしないといけない。電車や歩きで移動する」
50代
「あきらめというか、いろいろな価格が上昇している。平均の賃金を上げた方が、消費が促されるのでは」
広島市西区のガソリンスタンドでは2024年7月、レギュラー価格をいったん179円に引き下げましたが、今後の値上げは止むを得ないといいます。ハイオク価格は、200円を上回ることも考えられます。
平和サービスステーション 庚午橋SS 藪本健一 さん
「『リッター買い』が多い。満タンではなく、20~30リットル。年末はかき入れ時だが、年々減ってきている。値上げ分(客足が)さらに悪くなるのでは」
末川徹 記者
補助金なしのガソリン価格が、1リットルあたり190円の場合、これからどのように変化するか見ていきます。注目してほしいのは、168円から185円の間です。
差額の17円のうち「10.2円」は、これまで政府が補助金で賄っていました。▽19日以降は、補助金が3割減り「5.1円」、▽2025年1月16日以降は、185円以下の補助金がなくなるため「10.2円」が販売価格にそのまま上乗せされます。
青山高治 キャスター
補助金を2段階に分けて引き下げる。185円を超えた分については、政府が引き続き、補助してくれる仕組みですね。
末川徹 記者
ガソリン価格にはさまざまな税金がかかっています。いま、政府で協議されているのは、上乗せ分の25.1円= 「暫定税率」 についてです。1974年、道路を整備するために「暫定的」に導入されたのが始まりです。2009年には一般財源化され、道路以外にも税金が使われるようになりました。
こうした中、ガソリン価格が3か月連続で160円を上回ると、上乗せ分の25.1円を免除できる 「トリガー条項」 が2010年に設けられました。しかし翌年、東日本大震災が発生しました。復興財源を確保するため、凍結されました。つまり「トリガー条項」を発動できなかったわけです。
「トリガー条項の凍結解除」を訴えたのが、国民民主党です。10月の衆議院選挙で「103万円の壁」と並ぶ公約に掲げ、大幅に議席を増やしました。その後、自民・公明・国民の3党で「暫定税率」そのものを廃止することで合意しました。
中根夕希 キャスター
直近では10円上がるが、将来的には上乗せ分の25円分下がるんですね。
末川徹 記者
石油情報センターによりますと、▽小売店の市場競争があるので、今すぐガソリン価格は急上昇しない。▽2025年1月半ばまでに180円、2月末までに185円の予想。▽暫定税率分(25.1円)の引き下げについて、「具体的な廃止時期は未定。早くても2026年4月以降では」との見方を示しています。
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