スマートフォンなどの画面を近くで長時間見る生活習慣の影響で、老眼のような症状を訴える若い人が増えています。「若者の老眼」について取材しました。
スマートフォンやタブレットでインターネットの動画を毎日、何時間も見てしまう…。寝転がって画面を近くで見ながらメッセージをやりとりしてしまう…。そんな生活習慣に心当たりのある人が多いのではないでしょうか。
大学生
「ゲームとかYouTubeを夜な夜な見ているのでそれで目は疲れますね」
「(Qどういう症状?)ピンぼけとかですかね」
「目を使いすぎたら自分は頭に来るタイプで頭が痛くなる」
社会人
「まさに仕事終わって来たんですけどパソコンに向かっているときは目が疲れます。しょぼしょしたるうわ乾燥したなっていう…」
仕事でもプライベートでもデジタル端末が手放せない現代。目にはどのような負担がかかっているのでしょうか。
眼科医で、広島大学客員準教授の戸田良太郎さんに聞きました。
眼球には「水晶体」というカメラのレンズに当たる部分があります。周りの筋肉が伸び縮みすることによって水晶体が厚みを変え、目のピントを調節しています。
スマホなどの画面を近くで見るときは、水晶体が分厚くなった状態。これが長時間続くと、筋肉に過度な負担がかかってしまうといいます。
眼科医 戸田良太郎さん
「ずっと近くでスマートフォン見てたら、ずっとスクワット状態ですよ。空気椅子みたいな状態で。空気椅子30本やって歩こうと思ったら、よろよろってするでしょ。それが目に起こる」
この状態が日常的に続くと、目のピントを調節する機能が弱まり、若い人でも老眼のような症状が出ることがあるといいます。“スマホ老眼”ともいわれています。
眼科医 戸田良太郎さん
「スマホ老眼と言ったらどっちも悪いイメージあるじゃないですか。スマホも悪そうだし、老眼もあまりポジティブなイメージないから。でもそうじゃないんですよ。スマホも大事だし、エイジングもいいことなんで、生活習慣を変えればより快適に行けるということをお伝えしたい」
目の筋肉に負担をかけずにピントを合わせられる距離は年齢によって異なります。戸田さんによると
▽10代は最も近くて約5センチ
▽20代は約10センチ
▽30代は約15センチ
▽40代は約30センチ
といいます。
ただスマホを見るときはこのような加齢による変化を考慮しつつも、実際にはこの距離以上に離して見る必要があります。
眼科医 戸田良太郎さん
「スマートフォンも悪くない。自分の加齢がが悪いわけではない。ただ、自分の近くを見るピントの距離の限界が、だんだん10代、20代、30代ってなって大人の階段を上るにつれて一段一段離れていくというイメージですよね」
10代の子どもは約5㎝とありますがスマホを近くで見ても大丈夫というわけではありません。
戸田さんによると、特に8歳未満の子どもはまだ目が成長段階のため、画面を近くで長時間見てしまうと、▽近視の進行や▽後天性内斜視(目が内側に向いた状態になる)リスクが高まるそうです。
これはあくまでピントの合わせられる最も近い距離なので画面を離して見ることを心がける必要があります。
このため、スマホやパソコンを使う際は▽少なくとも30センチ以上話すことを心がける▽30分に1回は目を休める▽長時間使用しない、と戸田さんは話しています。
若者もなる老眼のような症状
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ピントを調節する仕組み
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子どもがスマホの画面を近づけてみるリスク
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