先週の衆議院選挙で予想以上に接戦となった広島2区…。当選確実が判明したのは、日をまたいだ午前0時41分でした。
前職の自民党候補が優勢と予想された中で「イマナマ!」では初めて衆院選に出た対立候補に密着しました。
田村友里 キャスター
「すみません。RCCアナウンサーの 田村友里 と申します」
国民民主党 福田玄 候補
「上がります?」
選挙という名の、熱い人間ドラマをお見せします。
広島2区の候補者は4人。中でも最有力視されていたのは、通れば6期目、自民党の現職議員だった 平口洋 候補でした。投票を締め切る午後8時すぐに当確が出る予測もありましたが、この 福田玄 候補が追い上げたこともあって予想以上の接戦となりました。
◆27日(日)午後8時前
田村友里 キャスター
「すみません。RCCアナウンサーの 田村友里 です。お世話になっております…」
今回、わたしが密着させてもらったのは、国民民主党の 福田玄 候補でした。国会議員の政策秘書を経て、今回、衆議院選挙に初挑戦しました。
田村友里 キャスター
「結果が出るときの候補者のみなさんの気持ちって想像つかないんですけど…」
国民民主党 福田玄 候補
「まな板の上の鯉ですよ。神のみぞ知る…。神様・仏様ですよ。今もお仏壇に手を合わせてきました」
福田さんの顔には緊張感が漂っていました。
◆27日(日)午後8時18分
RCC WEB配信
「では続いて、まだ結果が出ていません、広島2区。こちらは、平口洋さんの事務所です」
選挙前日までの情勢調査では、投票締め切りと同時に対立候補の平口さんが当確という予想もありましたが、そうはならず…。
国民民主党 福田玄 候補
「すごい。2区(結果が)出ていない。これ、写真撮ってよ。それX(エックス)あげてくれる?」
田村友里 キャスター
「伸びた要因は?」
国民民主党 福田玄 候補
「今回、やっぱり国民民主は特に若い層は反応がありましたよね。特に手取りを増やすっていうのがね…」
福田さんの所属する国民民主党は、今回の衆議院選挙で議席を4倍に増やす大躍進。「手取りを増やす」「103万円の壁を壊す」というわかりやすい公約が主に若い世代の心に響いたとみられています。
福田さん自身もSNSを駆使したり、気さくに話しかけたりして距離感の近さをアピール。でも、初挑戦ならではの失敗もあるようです。
国民民主党 福田玄 候補
「今回、超ミスっていて、名刺に個人携帯(番号)を書いたんですよ。いっぱい有権者から電話かかってくるようになっちゃって」
なんと名刺には個人の携帯電話の番号が…
国民民主党 福田玄 候補
「きょうも『投票しました』とか電話がかかってきたりして」
◆27日(日)午後9時00分
田村友里 キャスター
「すごく素人な質問なんですけど、負けた場合って、みなさん、どうなるんですか、仕事は?」
国民民主党 福田玄 候補
「まあ、ないですよね。選挙やっているときからないですからね。秘書も同じ。大将が負けたら一緒に職を失うわけですからね。そういう意味ではふつうの人生はあきらめているというか」
選挙に勝てば年収1500万円。でも負ければ無職。… “ばくち” のような勝負です。
国民民主党 福田玄 候補
「実家が太い(裕福な)人とかいいですけど、ぼくはそうじゃない。でも、そういう人だからこそ、やんなきゃいけないっていう思いはあるので…」
◆27日(日)午後9時30分
国民民主党 福田玄 候補
「はいよ。まだ落選してない。比例で1議席とれた?」
そう、福田さんが狙っていたのは、小選挙区で負けたとしても、比例で復活当選することです。
今回、中国ブロックの小選挙区で立候補した国民民主党の3人は、全員が比例代表に重複立候補していました。自分の党が議席を獲得したら、小選挙区で負けたとしても「惜敗率」が高かった人、つまり、より惜しい負け方をした人が復活当選するのです。
田村友里 キャスター
「比例で自分が通ろうと思ったら、ほかの区の仲間が負けてくれていないとってことですもんね」
国民民主党 福田玄 候補
「切ないというか。嫌な感情を持ってしまう。『あいつ、伸びるな(よ)』みたいなことを思っちゃうじゃないですか」
◆28日(月)午前0時
「0時になりました。てっぺん越えた」
福田さんの勝負の行方はその日のうちには判明せず…
◆28日(月)午前0時41分
国民民主党 福田玄 候補
「出た! 平口さん。よし。いや、『よし』って言ってしまった。『よし』ではないね」
日付を超えた午前0時41分、広島2区では平口さんの当選が報じられました。
国民民主党 福田玄 候補
「終わりました。とりあえず第一弾がね。(電話だ)お疲れさまです…。よし! 行きましょう!」
「及ばなかったということで、力不足を実感しているところですね」
今から落選のあいさつをすると語った矢先、比例復活が判明しました。
国民民主党 福田玄 候補
「(電話)はい、福田です。比例来た? あー、入ってる、入ってる! 当選、当選、当選! よし!」
本人が事務所に到着したのは、午前1時前。
◆28日(月)午前0時58分
集まった人たちは、まるで自分が勝ち抜いたかのように喜び合っていました。
国民民主党 福田玄 候補
「これからスタートですから」
田村友里 キャスター
「がんばってください。ありがとうございました」
― なんでも知ればおもしろいものですが、この選挙も知ってみれば、まさに “人間ドラマ” を見るようでした。終わってみれば、実際には平口さんは圧勝でしたが、福田さんの追い上げの勢いは午後8時すぐに当確を出すのをテレビ局にためらわせるほどだったということ。そこにも駆け引き、ドラマ性がありました。
投票率が広島が全国で一番低かったとか、若い世代が投票に行かないとかいう現状がありますが、候補者の中に “オシ” を見つけられたら、もっと自分事として熱くなれるのではないかと感じました。みなさまもぜひ。
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