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49歳プロレスラー「レイパロマ」尽きない闘志  夢への挑戦や挫折、難病やコロナ禍に悩まされても…「ファンが一人でもいる以上はリングへ」 デビュー24年の軌跡 節目のリングに密着

広島を拠点に活動を続けているプロレスラーが、デビュー24周年を記念したリングに上がりました。夢への挑戦や挫折…さまざまな壁に立ち向かいながら、49歳になっても闘志を燃やし続ける理由とは。節目のリングに密着しました。

「見ている人の生きる力になる、僕、めっちゃ嬉しいんですよ」

リングアナウンサー
「赤コーナー、極上のポップス!レイパロ~マ~!」

レイパロマ、本名・熊谷次郎さん、49歳。広島発祥の団体「ダブプロレス」所属のプロレスラーです。体は小柄ですが、ダイナミックな技とコミカルなパフォーマンスでファンの心を放しません。

ファン
「パロマの試合を見ていると笑えるし、どんなに追い込まれてもやっぱり最後まで本当に真剣に試合をしているところもあって、なんかその強弱がすごい」
「見ているだけで、すごい人を幸せにするオーラとか、力とか、街に住むスーパースターみたいな存在だと思ってます」

レイパロマさん
「プロレスによって勇気とか元気をもらう人がいる。その人が喜んでくれる、その人が生きる力になる。僕、めちゃめちゃ嬉しいんですよ。僕はそれをもらうために自分が生きるためにやってますよ」

夢の実現のため単身・メキシコへ デビュー後すぐに“燃え尽き症候群”に

メキシコでプロデビュー(2000年)
パロマさんが夢だったプロレスラーになるため、単身・メキシコに渡ったのは24歳の時…。修行を積み、翌年デビューします。しかし、たった2試合だけで “燃え尽き症候群” になり、プロレスラーを辞めて帰国しました。

パロマさん
「俺、何しにメキシコ行ったんだろうみたいな…。結局何もやってないじゃんみたいな感じで、そこでなんかちょっとね、心になんかあったんですね」

ダブプロレス(2006年取材)
再び心に火が点いたパロマさんは、2000年7月に仲間と共にプロレス団体「ダブプロレス」を設立。最初は覆面を被り、華麗な空中殺法を使う “正義のヒーロー” でした。しかしプロレスのことをうまく理解できていませんでした。

パロマさん
「マスクマン時代は、プロレスをやっていて全然楽しくなかった。ただ技をたくさんしないといけない、綺麗な技をしないといけない。子どもも小さかったし、正直あの時代、プロレスのことあんまり考えられていない、生きるのに必死でした。」

“覆面を脱ぐ”のが転機に 自分をさらけ出すようになってブレイク 

リング上で覆面を脱ぐ(2009年)
転機は2009年ー。試合に敗れ、覆面を脱いだのです。

自分をさらけ出した本来のキャラクターが、ファンに受けてブレイクしました。多くのプロレス団体から全国各地の大会に呼ばれるようになりました。

パロマさんにはもうひとつの顔があります。2016年からメキシコ料理店「アカプルコ」を経営。自ら厨房に立ち、プロレス修行時代に覚えたメキシコ料理を再現しています。

3歳のとき、パロマさんとプロレスごっこをしていた長男の走さんも大学生となり、店でアルバイトをしています。

長男 熊谷走さん
「レイパロマに会いに来る人がほぼ毎日いて、(パロマさんが)いてもいなくても。そういうのを見ると愛されているな、すごいなと思います」

プロレスファンや料理の味を求めて来る人はもちろんですが、一番の魅力はパロマさんの人柄です。

常連客
「やっぱりメキシコ料理って言ったらアカプルコよね」
パロマさん
「そうですよねー」
常連客
「パロマさんの人柄ありき、料理ありきみたいな、美味しい」
パロマさん
「僕は料理も好きですけど、やっぱりこうやってお客さんがね、おいしいって言ってくれるのが一番嬉しいですよね。そのためにやってるようなもんで、プロレスもそうですよね」

パロマさんのプロレスデビュー24周年を祝う記念大会が迫っていました。

20周年興行のはずが…コロナ禍で延期に 自らも感染して肺炎で入院

2020年5月取材

その大会は元々はデビュー20周年を記念して2020年4月に予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行で延期になったものでした。緊急事態宣言が行われたさなか、苦渋の決断でした。

パロマさん(2020年5月)
「中止になったときのファンのガッカリ感がすごい、みんな本当にプロレスを愛しているんだなと…」

翌年にはパロマさんも新型コロナに感染ー。中等症の肺炎となりました。咳が止まらなくなり入院。ツライ経験をしました。

パロマさんの母・熊谷萬里子さん
「これを産んだ母として一番悲しいのは鼻が歪んどるだろうが、歪んどるよ」
パロマさん
「プロレスよ」
母・萬里子さん
「あれが一番悲しい。ちゃんと産んであげたのに」
パロマさん
「全部プロレスのせい」

紆余曲折を経て24年間プロレスラーを続けてきたパロマさん。母親の萬里子さんはそんな我が子を誇りに思っています。

母・萬里子さん
「よう頑張ったねと思う、だって自分が好きだったことをやり遂げるってすごいと思うよ。ちっちゃい時からのね、プロレス好きですから」

4度の骨折に首の難病に悩まされ… それでもリングに上がり続ける理由

年間60~70試合をこなすパロマさん。激しい闘いに耐える体を保ち続けるためのトレーニングは欠かしません。それでも24年間の試合で何度も大きなケガを経験しています。

パロマさん
「骨折は結局足を4回…。首は難病で『後縦靱帯骨化症』というのに…」

首の痛みで眠ることもできず1か月半も苦しみました。いつ再発するかわかりません。大きなケガを経験しながらも、49歳のパロマさんは引退を考えることはありません。

パロマさん
「僕らの商売っていうのはファンが0人になったらリングに立つ必要はないと思うんで、ファンが一人でもいる以上はリングに上がる意味はありますんで、ファンが一人もいなくなったら辞めます」

レイパロマデビュー24周年興行「PALOMA EXPO」2024年9月29日

パロマさん初めての自主興行ー。
やっとこの日を迎えることができました。

女性4人組のファン
「パロマさん、24周年おめでとう!!」

♪ゴング
開催を待ち望んでいたプロレスファンで会場は超満員になりました。大会にはパロマさん選りすぐりの23選手を集めました。技やパフォーマンスで会場を沸かせます。

**メインイベント60分1本勝負
レイパロマ  vs.  秋山準 **

いよいよ主役、レイパロマの登場です。
対戦相手に指名したのは秋山準選手。
過去メジャー団体のチャンピオンになった実力者です。

パロマさん
「秋山さんは大先輩で怖い存在ですけど、怖いと思ってる自分の気持ちに勝たないといけないなという自分との戦いですね」

♪ゴング
チョップとエルボーの打ち合い、両者一歩も引きません。得意技「恍惚(こうこつ)」に母親も大喜び!しかし、秋山選手の厳しい攻撃を受けレイパロマ劣勢です。

秋山選手
「パロマ終わりか、ほら、あ、パロマほら、みんな応援してるぞ、おらぁ」

観客
「パロマ、パロマ、パロマ」

やられてもやられても、歯を食いしばって立ち上がります。

観客
「パロマさんしっかり~!」

タイツがズレるハプニングも…。
レイパロマ、24年間の集大成を見せたいところです。

自力に勝る秋山選手の猛攻に耐えますが…

レフェリー
「ワン、ツー、スリー」♪カンカーン

念願の自主興行を勝利で飾ることはできませんでした。
しかし、最後まで観客を楽しませました。

観客(山口県から)
「試合最高でした。もうパロマさん大好きです。プロレスを通してもいろんなものを伝えてくれる素晴らしい方です」
観客(学生時代の先輩)
「まだまだ現役で、できるところまで頑張ってほしいと思ってます。それまで僕もずっと応援させてほしいです」

パロマさん
「おれはプロレスが大好きです、選手みんな愛してます。そして、今日来てくれたお客さん全員、愛してるぜ~!」

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