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「このまま死ぬんだろうと・・・」幹線道路が土石流の ”通り道” に 流されても車から脱出できず 西日本豪雨6年 あのとき何が起きたか ドライブレコーダーの映像から

“平成最悪の豪雨災害” 平日夕方の帰宅時間を直撃で車は混乱

広島市内 2018年7月6日夕方

全国で230人以上が犠牲となり「平成最悪の豪雨災害」となった2018年の西日本豪雨。広島県だけでも150人を超える人が亡くなりました。広島県の広い範囲で ”観測史上1位” の雨量を更新する記録的な大雨でした。

マイクロバスのドライバー
「あ、バッテリーがやられた・・・」

東広島市黒瀬町 2018年7月6日夜

特に激しい雨のピークとなった7月6日の夕方から夜のはじめにかけては、平日の帰宅時間帯と重なったこともあって、多くの車が混乱に巻き込まれました。当時、被災地で撮影された映像から記録的豪雨に見舞われた広島で何が起こったかを振り返ります。今回はドライブレコーダーがとらえた映像です。

広島市と呉市を結ぶ県道 道路の上が “土石流の通り道”に

県道34号・広島市安芸区矢野 2018年7月7日朝 

安芸区と呉市を結ぶ矢野峠を越える県道34線。7月7日朝、上空から撮影した映像では、坂道には川のように濁流が流れ下っていました。

7月6日の夜、桐山慎司 さんは仕事を終えて呉市の自宅へ帰るため、この県道の坂道を車で登っていました。

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区矢野 2018年7月6日

桐山慎司 さん
「あの看板が映っているので、この辺の映像かな」

“わずか3分”で道路は濁流に ドライブレコーダーが捉えた映像

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区矢野 2018年7月6日

・7月6日午後7時36分
桐山さんの車のドライブレコーダーの映像では、午後7時半を過ぎた頃、桐山さんの車は渋滞につかまり停車します。

桐山さん
「これくらいの雨だったら大丈夫だろうと、上からは対向車も下りてきているので、もうしばらく様子を見ようという気持ちでいました。」

・7月6日午後7時39分
それからわずか3分後・・・。道路上は一気に濁流となっていました。

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区矢野 2018年7月6日

桐山さん
「いろんな物が流れてきたりとか、対向車がバックで下りてきたりとか、ふらつきながら下りてきたりしたので、これはちょっと危ないと思いました。これは行けないと思った時点では、反対車線にも車があって、自分の後ろにも車があったので、Uターンするにも動けない状態だった。」

その後、少しずつ車を動かしつつ、引き返す機会をうかがう桐山さんでしたが・・・。

流れてきた“大きな冷蔵庫” ほとんどタイヤのグリップも効かず・・・

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区矢野 2018年7月6日

・7月6日午後7時44分
桐山さんの車にぶつかったのは、大きな冷蔵庫のようなボックスでした。その後、なんとか車の向きを変えて坂道を下っていった桐山さん。なんとか難を逃れました。

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区矢野 2018年7月6日

桐山さん
「もう流されるようにハンドルを右に切って、ほとんどタイヤのグリップがしていない状態で、もうこれは最後ダメかなと思って、かろうじて対処できました。」

県道34号 広島市安芸区 西日本豪雨発生後

ただ、6日の夜、この県道では、多くの車が濁流に巻き込まれていました。中には流されても車から脱出できない人もいました。

県道34号 広島市安芸区 西日本豪雨発生後

車ごと流された人は
「私の前にいた車も何台も流されるのを見たし、目の前も何も見えないし、最後は車が浮いて流され引っかかって停まったが、水はばぁっと来るし、反対側は川だし、子どももいるし、このまま死ぬんだろうなと思った」

【画像で確認】道路は “土石流の通り道に”ドライブレコーダーの記録&車が転落…川の護岸が削られ“道路崩落”の危険

道路をずっと流れ続けた土石流 多くの利用者が甚大な被害受ける

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日午前

今回は、道路沿いで発生した複数の土石流が道路を通り道として流れ下ったことで広範囲に被害が拡大しました。この結果に専門家も大きな衝撃を受けています。

広島大学 土田孝 教授(地盤工学)(当時)
「今回は土石流が道路の横から流れ出て道をふさいだという災害ではなくて、土石流が大量の水と土だったり流木だったりが道路の中に流れ込んで、道路を流路としてずっと流れ続けた。それによって道路の利用者が甚大な被害を受けたという、これまでにない災害」

当時を振り返って桐山さんは次のように話します。

桐山さん
「けっこうな雨は降っていたけど、これくらいないら大丈夫という気持ちで走っていましたが、実際、特別警報とか出ていたので、我が身のこととして受け止めてほしいし、私は助かった方でよかったと思う。」

川の護岸が崩れて道路陥没が相次ぐ 車ごと落ちて行方不明も

国道2号 広島市安芸区 2018年7月7日午前

・7月7日朝
上空からのリポート
「国道2号線が陥没してしまっているのでしょうか、そして車がご覧のように横倒しになっています。」

国道2号 広島市安芸区 2018年7月7日

西日本豪雨では川沿いの道路が陥没し、走行中の車が巻き込まれるケースも相次ぎました。

落ちるのを目撃した人
「道路の下が陥没して空洞になった。そこへ車が来てフワッとした形で落ちた」

畑賀川 広島市安芸区 2018年7月7日

広島市安芸区を流れる畑賀川沿いでは、道路が突然陥没。通りがかった母親と3人の子どもが乗った車が転落しました。2人は救助されましたが、11歳と6歳の姉妹が行方不明となりました。なぜ川沿いの道路は次々と崩れ落ちたのでしょうか。

広島工業大学 田中健路 准教授(気象災害学)(当時)
「川がまがっていて、カーブしている外側は水深が深くて少し流速が速い。その分だけ護岸にかかる力が強い。礫も混じって衝突する」

畑賀川 広島市安芸区

その結果、弱くなった護岸の中に水が流れ込み、内部の土砂が洗い流されて、上部の道路の崩落につながります。これは「洗掘」と呼ばれる現象で、川がカーブする地点や橋の下流などでよりおきやすいといいます。特に大きな河川よりも中小の河川の方が、危険性が高いと指摘します。

畑賀川 広島市安芸区

広島工業大学 田中健路 准教授(気象災害学)(当時)
「中小河川の方が大きなれきが混じって流れる割合が高い。川幅はせまくても単位面積あたりにかかる力やエネルギーは小さい河川でも大きい」

【画像で確認】道路は “土石流の通り道に”ドライブレコーダーの記録&車が転落…川の護岸が削られ“道路崩落”の危険

広島市内 2018年7月6日夜

広島市内 2018年7月6日夕方

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日午前

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

ドライブレコーダーの映像 県道34号 広島市安芸区 2018年7月6日夜

県道34号 広島市安芸区 西日本豪雨後

県道34号 広島市安芸区 西日本豪雨後

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日

県道34号 広島市安芸区 2018年7月7日

広島大学 土田孝教授 (地盤工学)※2018年当時

国道2号 広島市安芸区瀬野 2018年7月7日午前

国道2号 広島市安芸区瀬野 2018年7月7日午前

国道2号 広島市安芸区瀬野 2018年7月7日午前

国道2号 広島市安芸区瀬野 2018年7月7日午前

国道2号 広島市安芸区瀬野 2018年7月7日午前

畑賀川 広島市安芸区

畑賀川 広島市安芸区

国道2号 広島市安芸区瀬野

国道2号 広島市安芸区瀬野

国道2号 広島市安芸区瀬野

広島工業大学 田中健路准教授(気象災害学)※2018年当時

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