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しまなみ海道の橋10本、ハシからハシまで!

さて問題です。しまなみ海道、橋は何本?
広島県尾道市と愛媛県今治市の間の海上約60kmを行く『しまなみ海道』(自歩道を走る場合は全長約70km)。言わずと知れた、瀬戸内の顔ともいうべき名所です。正式名称は『西瀬戸自動車道』、9つの島を10本の橋でつなぐ高速道路で、歩行者・自転車道が併設されていることでも知られていますね。
でもちょっと待って。橋は10本もあったかしら? どの橋がどんな形?
そんな疑問も解き明かすべく、今回は『橋』に大注目。すべての橋を、じっくりと見ていくことにしましょう。
ではさっそく、尾道から出発!


1本目『新尾道大橋』は兄の隣で(尾道~向島)

最初は尾道から向島に渡る『新尾道大橋』です。

画像:一般社団法人 尾道観光協会(浄土寺山不動岩から見た新尾道大橋)

『新尾道大橋』は、既にあった『尾道大橋』に並走して新造されました。お兄さん橋の方が少し細身ですが、兄弟2本の橋が調和する景観美も追求したそうで、スッと並走する様子は、なんだか背筋が伸びるような清々しさです。

画像:一般社団法人 尾道観光協会(新尾道大橋塔頂からの風景)

『新尾道大橋』は自動車専用道路で、自転車道の併設はありません。一方、一般道の『尾道大橋』は歩道もありますが、道幅が狭く交通量も多いため、歩行や自転車は渡船の利用をおすすめしています。

画像:一般社団法人 尾道観光協会(早朝の尾道大橋・新尾道大橋)


2本目は二階建ての『因島大橋』(向島~因島)

続く2本目は向島と因島に架かる『因島大橋』です。

この橋は、瀬戸大橋や大鳴門橋も含む四国と本州を結ぶ橋(本州四国連絡橋)の中で、最初の吊り橋でした。大きな特徴は、2階建て構造になっていることです。

画像:一般社団法人 尾道観光協会(因島大橋塔頂から見る向島)

オープンエアの上段を走るのは自動車。

画像:一般社団法人 尾道観光協会(因島大橋の自転車歩行者道)

歩行者と自転車は下の段、筒状の骨組みの中を通り抜けます。両側の眺めは少し遮られてしまいますが、緻密な工作を見るような骨組みに味わい深さを感じます。


3本目『生口橋』(因島~生口島)

3本目、因島から生口島へ渡る『生口橋』は、『斜張橋』という形の橋です。塔から斜めに張ったケーブルで橋桁を支えていて、1991年の完成当時、世界最長の斜張橋でした。

橋全体の強度やバランスのために多くの試行錯誤を重ね、さまざまな技術を駆使して造られました。その技術蓄積があってこそ、次の『多々羅大橋』の完成があるといわれています。


4本目『多々羅大橋』で広島から愛媛へ(生口島~大三島)

4本目の『多々羅大橋』は1999年に、世界最長記録を更新する斜張橋として完成ました。国内では2021年現在も最長です。
先の『生口橋』と同じく斜張橋ですが、塔の形が違っていて、それぞれ個性的ですね。橋のデザインを愛でるのも、しまなみ海道の楽しみ方のひとつ!

画像:一般社団法人 尾道観光協会(多々羅大橋に記された県境)

そしてこの橋は、広島県尾道市の生口(いくち)島から、愛媛県今治市の大三島へ、県境をまたぐ橋です。
サイクリングロードには県境が記された場所がありますよ。見逃さないで!

画像:一般社団法人 尾道観光協会(多々羅大橋の鳴き龍体験)

『鳴き龍』と呼ばれる現象を体験できるのも注目ポイント。塔柱の下で手を叩くと、反響しながら登る音が龍の声のように聞こえるのだとか。
体験できる場所に『多々羅 鳴き龍』の看板と、拍子木も置いてあります。自転車や徒歩での通行時にぜひお試しを!


5本目は可愛い『大三島橋』(大三島~伯方島)

5本目は、大三島から伯方島へ渡る『大三島橋』です。
1979年に開通したこの橋は、本州四国連絡橋の中で、一番最初の開通、そして唯一のアーチ橋です。

画像:一般社団法人 尾道観光協会(伯方島から見るだるま夕日)

少し小ぶりで丸くアーチを描くフォルムは、なんだか愛嬌たっぷり。ぜひカメラを片手に、島と海、空がアーチの中にすっぽりおさまるベストショットを狙ってみて。


6・7本目『伯方・大島大橋』(伯方島~大島)

画像:一般社団法人 尾道観光協会(伯方島から見る伯方・大島大橋)

だんだんゴールが近づいてきたようですが、まだ6本目…?
いえいえ、ご安心を。ここから追い上げますよ!
伯方島から大島へ渡る『伯方・大島大橋』。
こちらは小さな無人島(見近島)を挟む『伯方橋』と『大島大橋』、2本を総称して『伯方・大島大橋』です。ですから6本目と7本目の2本をカウントします。

伯方島の中央にそびえる宝股山(ほこさん)に登れば、周囲の海と橋をぐるりと見渡すことができますよ。


最後は一挙3本『来島海峡大橋』(大島~今治)

いよいよ最後。『来島海峡大橋』です。あれ、まだ8本目なのに最後?

画像:一般社団法人 尾道観光協会(亀老山展望台からの風景)

大島から今治(糸山)まで、約4kmの長〜い1本の橋のように見えますが、実は3本が連なった吊り橋なのです。一気に8・9・10とカウントして、無事10本でゴール!

大島から武志島(むしじま)までが『来島海峡第一大橋』。現在は無人島の武志島ですが、かつてはかの村上水軍の砦が築かれていました。
次の馬島までが『来島海峡第二大橋』。馬島は、島民(と緊急車両)だけが車で上陸できる島です。徒歩や自転車なら橋脚のエレベーターで上陸可能。
そして最後が糸山に降りる『来島海峡第三大橋』。
この3本の総称が、『来島海峡大橋』です。

(今治の糸山から馬島へ向かう眺め)

伸びやかに腕を広げて立つような三連吊り橋。3本がなめらかな一つの曲線になるように考えられたというのも納得の、惚れ惚れするような美しさです。


これで『しまなみ海道』10本の橋を全制覇!
いかがでしたか? それぞれに潮や島の環境、安全も景観も熟慮して、最適なスタイルを追求した橋たち。すべてが、知恵と技の結晶です。ぜひ橋も、通り過ぎるだけでなくじっくりと愛でて、しまなみ海道をさらに深く味わってください。


▼記事提供元

瀬戸内Finder

「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。

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