昨季限りで現役を引退した田中広輔氏(36)が来季から広島カープの内野守備・走塁コーチに就任することがわかった。

現役時代は「不動の1番・ショート」として球団史上初のリーグ3連覇を牽引。

同級生トリオ「タナキクマル」の一角として黄金期を築いた鉄人が、指導者として再びカープのユニホームに袖を通す。

「タナキクマル」で3連覇牽引 盗塁王と最高出塁率を同時受賞

田中氏は東海大相模高、東海大、JR東日本を経て、ドラフト3位で2014年に広島へ入団。同期には大瀬良大地や九里亜蓮らがいる。

背番号「63」を背負った入団2年目から遊撃手のレギュラーに定着すると、背番号を「2」に改めた2016年からは、リードオフマンとして打線を牽引。

菊池涼介、丸佳浩とともに「タナキクマル」の同級生トリオを形成し、チームを25年ぶりのリーグ優勝へと導いた。

同年のクライマックスシリーズでは12打数10安打、打率.833という驚異的な勝負強さを披露した。翌2017年には盗塁王(35盗塁)と最高出塁率(.398)のタイトルをダブル受賞。これはイチロー(当時オリックス)、山田哲人(ヤクルト)に続くプロ野球史上3人目の快挙。さらにベストナインを受賞し、2018年にはゴールデングラブ賞にも輝いた。

歴代2位の635試合連続フルイニング出場培った経験を若手へ

守備の負担が大きいショートというポジションでありながら、球団では衣笠祥雄氏に次ぐ歴代2位の「635試合連続フルイニング出場」を達成。

2020年からは選手会長を務め、国内FA権を取得した際も「強いカープに戻したい」と強い広島愛を示してチームに残留した。

通算12年間で1203試合に出場し、965安打を積み重ねた田中氏。走攻守すべての高い技術と、グラウンドに立ち続けた強い精神力を、今度は若手育成の現場で次世代へと伝承していく。

■会見一問一答

Q就任が決まったときの気持ち

「身が引き締まる思い。すごく責任を感じている」

Q就任の経緯について

「話があったのはだいたい1週間から2週間前。来シーズンよろしくな、という話をいただいた。実際にカープを退団するときに、コーチの話もいただいていた。今年は、その話も頭の片隅に置きながら1年間過ごしていたので、連絡があればしっかりと受けようという思いでいた」

Qカープの現状について

「1年間やった結果はみなさんもご存じの通りだと思う。ただ、外で見ているのと実際に中で選手を見るのとでは別物なので、しっかり選手とコミュニケーション取りながらやっていきたい。すごく能力が高い選手がたくさんいるので、まずはその自分の能力をしっかりと活かしてあげられるような指導がしたい。選手一人一人とコミュニケーションを取っていきたい」

Q若手選手へのアプローチについて

「いきなりジャンプアップはできないと思うので、地道にコツコツと。時間は限られているので、その中で何ができるか一緒に考えながら日々過ごしたい」

Q今季のドラフトについて

「いいものを持って評価されて入団してくるので、まずはしっかりと自分のプレーを発揮してほしい。その中で私は現役中たくさんいろんな失敗をしてきたので、(選手が)困ったときにしっかりとした答えを出せるように準備したい」

Qリーグ三連覇の経験について

「よく三連覇したと言うが、それは過去のことであって、今チームでは、勝たないといけないことが課題。成功体験も必要だが、失敗した経験がすごく財産になっているので、それを伝えていきたい」

Q守備・走塁について

「失敗はつきもののスポーツなので、失敗後にしっかり練習して、自分のプレーに責任を持ってほしい。そのために必死になって練習してほしい。僕も力になりたいと思う」

Q新井監督とカープを支えられることについて

「また一緒にユニフォームを着て、優勝に向かって戦っていけることがすごく楽しみな部分もあるが、責任も感じている」

Qどんなチームにしたいか

「勝つために一人一人なにができるかを考えられる集団になってほしいので、僕の経験談もお話しながらやっていきたい」