今や私たちの生活から切り離せなくなったスマートフォン。便利さと背中合わせのリスク…。「何歳から持たせる?」「家庭でのルール作りは?」。SNS時代を生きる、子どもとスマホの『理想の距離感』とは…。脳科学の視点も交えながら、考えます。

スマホデビュー 平均は10.1歳

NTTドコモモバイル社会研究所の調べによると、スマホを持ち始める子どもの平均年齢は10.1歳で、低年齢化が進んでいます。

スマホを子どもに持たせた理由は、
▼緊急時の連絡(50%)
▼子どもに欲しいと言われた(35%)
▼居場所の把握(31%)

共働き世帯が増えている背景から、持たせざるを得ない側面もあります。

子どもにスマホを持たせるのか、またどう使っているのか、子育て家庭のリアルなスマホ事情とは…。街で聞きました。

子育て世代のリアルなスマホ事情は

【母親のお下がりを使っている小学生の家庭】
こちらの家庭では、当初学習ゲーム用として渡していたといいます。しかし、知らない間に一般的なネット利用も広がっていそうです。

親自身もスマホを利用しているため「自分も触っている手前、強く注意しにくい」という本音も聞かれました。

【低学年から利用している高校生の家庭】
時間制限機能(1日1時間)を設けて管理してきたものの、部活以上にスマホが生活の中心になっている現状があるといいます。

「スマホ以外に楽しみは?」という記者の問いかけに、「ない」と答えた我が子の姿を見て、驚く母親。

さらに母親は、流行しているSNSアプリの導入を「誕生日プレゼントはこれでいい」と強くねだられた際、「みんながやっていることを制限しすぎるのもどうか…」と悩んだと言い、頭を悩ませていました。

子育て家庭から、「スマホとの付き合い方が難しい」と悩む声が多く挙がるなか、県教育委員会がこどもとスマホをテーマにしたフォーラムを開きました。そこでは驚きの事実も明かされました。

スマホをいじりながら3時間勉強しても学習効果はたったの30分?

4日に開催された家庭教育フォーラム、「脳の発達とスマホとの上手な付き合い方」。親子や、保育・教育関係者など150人が参加しました。

講師は、東北大学で脳科学を研究している、榊浩平(さかき・こうへい)助教授。仙台市教育委員会とともに、7万人の子どもを対象に行った調査から、驚きのデータが示されました。

榊 助教授
「スマホをいじりながら3時間勉強しても、実はたった30分やった学習効果しか得られていないということが分かった」

通知音が聞こえるだけで集中力は下がる

榊助教授は、「スマホを触りながら3時間勉強した」ときと、「たった30分集中して勉強した」ときの成績がほぼ同じという結果を示します。

その上で…

榊 教授
「悪いのはその子ではなくて、勉強中にスマホを触ってしまう習慣の方なんです」

通知音が聞こえるだけで集中力が低下するという結果も出ていて、「勉強中は電源を切って、目に入らないようにすることを徹底すべき」と榊助教授は話しました。

一方で、見逃せないのは、「親自身のスマホ依存問題」と指摘します。

「子どもにルールを押しつけるのではなく」

“見逃せない問題”として挙がったキーワードは、「親自身のスマホ依存問題」です。

榊助教授
「親がスマホをたくさん使っていると、子どももたくさんスマホを使う。きれいな相関が出ています。」

では、どうすればスマホと上手に付き合っていけるのでしょうか。

榊助教授は、「親が作ったスマホのルールを子どもに押しつけているケースがよくある」と指摘します。

そのうえで、「家庭で“子どもの”ルールを作るんじゃなくて、“家族の”ルールをつくることが最重要ポイント」と話します。

「子どもと目線が揃う」ことが効果的

榊 助教授
「これまでは自分のことを棚に上げて怒っていた親というのは、子どもにとっては敵になちゃう。その関係性がよくない。家族のルールをつくると、『じゃぁこの目標に対してどうやったら達成できるかな?』と共感的な問いかけに変わってくる。子どもに目線が揃うわけです」

メモを取りながら熱心に耳を傾ける参加者。
質疑応答の時間には多くの質問が飛び交い、関心の高さがうかがえました。

参加した母と娘
娘「好きな動画が流れてくるから、これも見たいってなっちゃうから、やめられる自信はゼロ。お母さんとお父さんと妹ががんばるなら、私も頑張ろうと思います!」
母「そうですね、やっぱり親も見ちゃうので、みんなでルールを作って…」

では、一体何歳からスマホを持たせればいいのか、「スマホ依存」をテーマに研究している榊助教授に、ズバリ聞きました。

スマホを持たせるのは何歳がいい?

【スマホを持たせるのは何歳からがいい?】
榊 助教授
「まず答えとしては、できるだけ遅い方が良いという事以外には言えない。そこから現実を見て、我が子がしっかり自分でコントロールできる状態なのか、親が自信を持てた段階が次の答えになるかと思います」

【理想の距離感とは?】
榊 助教授
「やはりスマホは道具であるので、目的があって使用するのを徹底するのがポイント。目的なしにダラダラとショート動画を見てしまう、ゲームをしてしまう、そういった状態がよくない。ただ道具として何かを調べてみるとか、学習に用いるも含めて有効に使えば道具としての価値はある」

やりとりの内容まで確認できるアプリ?子育て家庭の対策

RCCが行った、子どもとスマホに関する視聴者アンケートでは、「ファミリーリンク」と「Kroha」というアプリを使っているという声が複数寄せられました。

これらは、親のスマホと子どものスマホをペアリングさせ、親が管理・制限するもの。

【ファミリーリンク】
▼スマホの利用時間の上限を設定できる
▼特定のアプリを使用できなくすることなどが可能
▼位置情報の確認など。

【Kroha】
▼LINEなどのやりとりの内容も確認することが可能
▼視聴した動画のタイトルやサムネイル、日時なども確認できるなど。

スマホ依存の予防策は?

最後に、榊助教授に「スマホ依存の予防策」を聞きました。

それはズバリ、『スマホ以外の楽しみを見つけること』だそうです。

未就学のうちから、子どもにいろんな経験をさせて、その時間や感情を親子で共有して子どもの好きなことを育んでほしいということでした。