勤務先の小学校の教室で計34人の女子児童に対してわいせつな行為をしたり、その様子を盗撮したりするなどした罪に問われた広島市立小学校の中島健夫 元教諭(40)。2025年10月に初公判が開かれ、計7回・約10ヶ月にわたって行われたこの裁判は8月19日に判決期日を迎え、広島地裁は中島 元教諭に懲役9年の実刑判決を言い渡しました。

その後、9月2日に控訴期限を迎え、中島 元教諭の実刑判決が確定しました。教育現場を揺るがした衝撃の手口とは。裁判の詳報です。

"わいせつ教員"中島健夫 元教諭の経歴は?

広島市教育委員会の案内板

広島市教育委員会によりますと、2017年4月から広島市西区の小学校に臨時的任用教職員として着任した中島 元教諭。2022年4月に現場となった安佐南区の小学校に異動しました。

そして2025年6月30日、女子児童にわいせつな行為をしようとしたなどとして、わいせつ誘拐、監禁、不同意わいせつ未遂の疑いで逮捕されます。

その後、不同意わいせつや性的姿態等撮影、児童買春・児童ポルノ法違反などの疑いで2回再逮捕され、9月26日付で広島市教育委員会から懲戒免職処分を受けました。

始まった刑事裁判 明かされる被害の実態

小学校の教室(画像はイメージです)

そして2025年10月、中島 元教諭の刑事裁判が始まります。度重なる追起訴で、被害児童の数は34人(当時9~12歳)にのぼり、冒頭手続だけで5回の期日が設定されました。

中島 元教諭は、検察官が起訴状を読み上げる度に毎回涙を流し、証言台では声を震わせながら「私がした最低の行為です。すみません、申し訳ありません」などと、起訴内容を全て認めました。

検察側の冒頭陳述によりますと、誰もいない教室に女子児童を連れ込んでわいせつな行為に及び、その様子をあらかじめ設置したタブレット型PCで撮影する手法が大半を占めていました。

裁判では、中島 元教諭が女子児童を教室に連れ込む手口についても言及されます。

「目を閉じた方が」「かわいいランキング」...事件の詳細も明らかに

中島健夫 元教諭(40)

検察側は、「体調確認のための検温」と偽って女子児童を教室に誘い出し、「目をつぶった方がリラックスできる」と言って目を閉じさせたり、目を手で覆ったりして視界を奪って犯行に及んだと指摘しました。

このほか、中島 元教諭の実家から押収されたSSDが証拠採用され、「すごい熱あるね、大丈夫?」などといった音声が記録された動画や、「かわいい女生徒ランキング」といったファイルが保存されていたことも明らかになりました。

そして、被告人質問では、
▽8.9年前から盗撮を始め、その行為でドキドキする事を知った
▽ストレスから衝動的にしてしまった
▽欲求で頭がいっぱいになり、子どものことを考えられなかった
などと話しました。

被害者は34人 検察側の求刑は...?

公判を担当した検察官(6/22撮影)

検察側は論告で、「犯行期間は約1年9ヶ月、被害児童は34人に上っている」と指摘。その上で、「教師という立場を利用した常習的で卑劣な行為」として懲役13年を求刑しました。

一方、弁護側は「中島 元教諭は反省していて、自身の性欲を抑制するための治療をおこなう予定」として、寛大な処分を求めました。

中島 元教諭は最終陳述で、「皆さん誰もが安心して楽しく行ける学校を望み、そのために力を尽くしている中で、大切な場所である学校、大切な子どもの成長と心を傷つけてしまったことは、本当に申し訳ありませんでした」と述べました。

そして、証言台からおもむろに立ち上がって振り返り、傍聴席に向かって土下座しました。

広島地裁 佐藤裁判官の判断は?

広島地裁 佐藤智彦 裁判官(8/19撮影)

8月19日、広島地裁の佐藤智彦 裁判官が判決を言い渡します。

「主文、被告人を懲役9年に処する」

佐藤裁判官は判決で「長期間にわたって多数の児童に対して行われた犯行で、常習性は顕著」とした上で、「当時教員であった被告に対する信頼や被害者らの未熟さにつけ込んだ卑劣な犯行」と指摘しました。

一方で、被害者らに対して5~10万円の被害弁償金などを支払っていることや、専門機関での治療を受ける意思を示していることなどから、懲役13年の求刑に対し、懲役9年の実刑判決を言い渡しました。

中島 元教諭は、判決を受け入れ、控訴せず、実刑判決が確定しました。

 

中島健夫 元教諭(40)