コメの価格が急落しています。新米商戦が始まりましたが、店によっては九州産超早場米が5kg税抜き2千円台で販売されました。消費者には朗報ですが農家は危機感を募らせています。広島県東広島市では、農家のグループがJAに「コメ作りが続けられる価格での買取り」を要望しました。

標高約300m。東広島市志和町内地区です。ここの集落法人の代表・高木昭夫さんは、早場米の価格に危機感を募らせていました。

ファーム志和 高木昭夫代表「もう全然、全然採算ラインにいかない数字が出て来よるから」「すごい心配ですよ」

山間にある内地区は、田んぼ1枚の面積が狭くコストがかかる上、シカやイノシシなどの獣害対策の費用もかさみます。去年、この法人がコメ30kgを作るのにかかったコストは県平均と同じおよそ1万円…。一方、業界ではことしの新米の買取り価格はそれより低いという見方が広がっています。

高木代表「みんなもう70を超えてるから」「みんな何とかかんとか我慢しながらね、身を削ってやって来ましたけど、もう限界だと思いますよ」

高齢化が進む中、広島県内では、集落法人の解散が増えています。高木さんは「米価が高騰した去年はあまりなかったが、ことし、米価が暴落すれば解散が加速する」とみています。

東広島市に本店を置く「JAひろしま」です。先週末、高木さんが会長を務める東広島市集落法人連絡協議会の役員が組合長を訪ねました。コメの買取りに関する要望です。

高木会長「このまま手をこまねいていたら、農業農村の崩壊につながってしまいます」「生産原価に基づいた再生産のできる価格での買い取りを強く求めます」

最後に国への働きかけも含めJAの奮起を求めました。

高木会長「我々も共に戦います。決起しようではありませんか。よろしくお願い致します」組合長「はい、しっかりと対処します」

JAひろしま 田中義彦組合長「ご存じの通り、民間在庫がかなり膨れておりますので、そこらあたりをね」

田中組合長は、米価下落の背景にある大量の民間在庫を減らすため、去年、放出した備蓄米を買い戻すよう政府に求めていると説明しました。しかし再生産できる金額での買取りについては、「要望に沿いたい」としながら、「今の情勢では大変厳しい」という認識も示しました。

ただ、コスト割れは避けたいという気持ちは強いようです。

記者「コストが30kgで1万円くらいですね。それはクリアしたいっていうお気持ちはあるんですか?」

JAひろしま 田中組合長「そこはやっぱりね、あの、頑張らなきゃいかんと思いますよ」

記者「東広島市内のスーパーに来ています。買取り価格が生産原価ギリギリの30kg1万円の場合、関係者によると店頭価格は、5kg税込み3000円台前半になると見られます。ちょうどここにあるおコメの値段が、採算ラインになるというわけです」

広島県内の新米の買取り価格はいくらになるのか?

JAグループでは早ければ来月中旬に買取りの前払い金=概算金の額を決める予定です。