2月に広島県東広島市で発生した殺人・放火事件について、警察は殺害された男性の「義理の甥」で29歳の男を殺人などの容疑で再逮捕しました。

ことし2月16日未明、東広島市黒瀬春日野の住宅街で、突然、火の手があがります。その直後、女性が近所の人に助けを求めました。

助けを求められた人は当時の状況について「寝ていたら呼び鈴が連打され、駆けつけたら血を流された女性がいた。髪の毛焦げていたので、火の中逃げてきたんだと思った」と振り返ります。

火事があった住宅の裏側には...

火事から約40分後、現場に駆けつけた警察が、住宅の裏側で血を流して倒れている男性を発見します。この住宅に住むリフォーム会社経営・川本健一さん(当時49)、その場で死亡が確認されました。

けがをして助けを求めたのは、川本さんの妻でした。

捜査関係者によりますと、妻は駆けつけた警察官に対し、
▽刃物で脅された
▽男ともみ合いになって火を付けられ、2階から飛び降りて逃げた
▽旦那がまだ中にいるので助けてほしい
と住宅の中で起こったことを説明したといいます。

住宅に侵入した何者かが、川本さんと妻を襲って火をつけた疑い、警察は殺人と放火事件として捜査を始めます。

捜査の過程で新たな事件が...

4月29日、広島県三原市の会社敷地で土の中から徳田雅希 容疑者(当時29)の遺体を発見。遺体に致命傷となるような傷はありませんでした。

東広島市と三原市で起きた2つの事件がどう結びつくのか…。事態が大きく動いたのは、先月29日のことでした。

警察は、三原市の会社敷地内において借金700万円の支払いを免れる目的で、友人の徳田容疑者を生き埋めにして殺害したとして、倉本幹太 容疑者(29)を強盗殺人容疑で逮捕したのです。

警察は倉本容疑者と徳田容疑者が東広島市の殺人・放火事件で共犯関係だったとみていて、倉本容疑者が口封じのために徳田容疑者を殺害したとみて捜査していました。

東広島市の事件から5か月あまり経った17日…。

倉本容疑者が、殺人や現住建造物等放火などの疑いで再逮捕されました。

警察によりますと倉本容疑者は、徳田容疑者と共謀し、住宅にガソリンを撒いて火を付け、川本健一さんを殺害するなどした疑いが持たれています。

警察の調べに対し、倉本容疑者は「私ではありません」と容疑を否認しているということです。

倉本容疑者は、川本さんの妻の甥で、同じリフォーム会社に勤務。事件当時は営業や工事の施工などを担当していました。

さらに、この会社の「後継者」とされていた人物でした。

将来の後継者 一方で...

一方で「倉本容疑者が将来的に役員を約束されていたが、会社内でトラブルがあったと耳にしたことがある」という声もありました。

倉本容疑者は詐欺や横領の罪で起訴されています。

起訴状によると、自身も働いていた川本さんのリフォーム会社が請け負った工事の着手金や、架空の工事で外注費をだまし取り、その額は合わせて1000万円にのぼるとされています。

倉本容疑者を知る人は「『会社からお金を取ったのがバレそうになって、ちょっとやばい』と周囲に漏らしていた」と話します。

倉本容疑者が詐欺の疑いで最初に逮捕された日の翌日、リフォーム会社は倉本容疑者を懲戒解雇の処分としました。

警察は、倉本容疑者が東広島市の事件の首謀者、共犯の徳田容疑者が実行役とみて、事件の詳しいきさつを調べています。