広島市中区の原爆資料館に新たに設けられる予定の「子ども向け展示」を検討する会合がありました。悲惨な展示に関する子どもたちへの注意書きの案が修正されたほか、新たに当時の女学生9人に焦点を当てる案も示されました。
原爆資料館は、修学旅行生などが館内の混雑に影響されず平和学習ができるよう、東館地下1階に小学校高学年と中学生向けの新たな展示スペースを整備します。
23日に開かれた検討会は4回目では、悲惨な展示は壁でスペースを区切ったうえで、子どもたちが見学するかどうか選ぶ「選択展示」について、前回多くの意見が出た子どもたちへの注意書きの文言案が修正され、再度議論されました。

当初は、「見ると気分が悪くなりそうな人はほかの展示物で原爆の被害を学びましょう」という案でした。修正案では、「不安を感じる人は、先生やボランティアスタッフに相談してみましょう」としました。委員からは「短く要点が伝えられている」など賛同する意見が多くを占め、この文言案で進められることになりました。
鈴木由美子委員長(広島大学副学長)
「子どもたちがトラウマになったり、もう二度と見たくないとなったりすることを無くせる意図を、委員の先生方が大変理解してくださった」

内藤愼吾委員(被爆体験証言者)
「『ほかの展示物を見て済ませなさい』というような表示は賛成ではなかったんですけど、今回はその表記がないということで、わたしは今回の表現なら良いと思います」
新たに検討された展示内容 日記残る女学生9人に焦点
また、展示内容では新たに、県立広島第一高等女学校の1年生で、原爆で犠牲となった生徒9人に焦点を当てることが提案されました。第一県女の1年生は、原爆投下時、爆心地からおよそ800メートルの土橋町付近で建物疎開の作業をしていて、223人が全滅しています。
展示を検討するのはいずれも第一県女の生徒だった森脇瑤子さんに加え、石崎睦子さんなど、あわせて9人で、被爆前日で途絶えた日記や焼け跡で見つけられた制服などが、残された家族などの証言とともに紹介される予定です。

見学する子どもたちが、実在した生徒たちのことを知って、自分事として捉えて考えるきっかけにしてもらう狙いです。
検討会は今後も視覚的な工夫などについて議論が重ねられる予定です。原爆資料館の子ども向け展示スペースは、2028年度の完成を目指しています。
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