日経平均株価は一時、大幅に下がったものの、かつてのバブル景気の水準をはるかに上回る6万円台を依然としてキープしています。株に投資する人が増える一方で、物価高もあって消費者が好景気を実感しづらい状況となっています。広島で現状を取材しました。

広島市の自営業、上田直治さん63歳です。株への投資について相談するため中区のひろぎん証券本店を訪れました。

顧客 上田直治さん
「やはりAIとか半導体関連が伸びてますし、タイミングは今ちょっと上がりすぎの感はありますけど、この業界としてはチャンスだと思いますね」

上田さんは30年以上前、日本がバブル景気に沸いていた頃に投資を始めたそうです。

企業の成長とともに収入も伸びたバブル期

バブル期の1989年。企業の成長とともに収入も伸び、忘年会シーズンには予約が殺到しました。

忘年会参加者
「(ボーナスは?)みんなたくさんもらいました、たくさんもらった仲間です」

賑わう夜の町にはタクシーを待つ行列が…。

タクシー待ちの男性
「1時間くらい待っています」

この年、日経平均株価は当時の史上最高値、3万8000円台を記録。その後、バブル崩壊で急落しました。

顧客 上田直治さん
「最初は1ヶ月位で給料の3倍ぐらい増えたんですよ、これはいいなと思ってどんどん投資したら全部お金がなくなって生活資金に困りました」

上田さんは株への投資をやめましたが、10年前に再開。株価は今月、バブル期のおよそ1・7倍に当たる6万8000円台を記録し、史上最高値を更新しました。

顧客 上田直治さん
「手数料も安くて気軽にできる。毎月10,000円とかでもできるネット証券がどんどん増えてきてますので、若い方は今から絶対投資するべきだと思いますね」

上田さんはバブル崩壊を教訓に、現在は手堅く配当金を得られる株と、短期間に売買する値動きの激しい株に分けて投資しているということです。

顧客 上田直治さん
「大きな失敗をしたくないので、若い頃は取り返すことができると思うんですけど我々も60を過ぎてしまうと、今から老後資金、年金だけじゃ足りないので」

「新NISA」以降 増える若者の投資

ひろぎん証券によると、おととし1月にNISA=少額投資非課税制度が新しくなって以降、中高年だけでなく若者で投資を始める人が増加。最近の株高を受けてさらに急増しているといいます。

ひろぎん証券 石田裕昭営業本部長
「株価が6万円を大きく超えてきて、取引の量、数、相談が非常に増えてきていますので、きょうも朝から窓口、ブースがですねいっぱいになるくらい相談が増えていると」

【投資していますか?】(街録)
30代夫婦
「NISAですね。半導体系は今上がっているんでね、それに便乗して。微々たるもんですけど。家族で週末に美味しいご飯でも食べに行けたらいいなと思ってるんですけど」
「美味しいものは週末に連れて行ってくれるんで期待しています」

70代夫婦
「株はやってますね、だいぶ上がりました。老後に配当金もありますしね、それでためています。それはありがたいかな。(今、半導体がすごいが?)ああいうのは手を出しません、もう安定株で」

投資家目線と消費者目線で違う受け取り方

投資ブームの一方で、こんな声も聞かれました。

男性(40代)
「ガソリンとか食料品とか物価が大変。(株が上がっているが実感は?)全然ないです」

ひろぎん証券 石田裕昭・営業本部長
「今の株価を享受されている方もいるし、そういう実感のない人もいる。これは投資家の目線と消費者の目線では受け取り方が違うという事ですね」

物価の上昇に収入が追いつかず社会保険料の増加など将来への不安も相まって、”実感なき好景気”とも言われています。また、株価自体も企業によって明暗が分かれているといいます。

ひろぎん証券 石田裕昭・営業本部長
「マーケットがこれだけ大きく上昇してるのは、やはり半導体業界ですね。株価に反映してマーケットがずっと高値を更新し続けている。いい業界もあるんですが、2月からイラン情勢が大きく変ってきてまして、原油高、ナフサが入ってこない、そういった影響も出始めていますし、2極化が進んでいると言う状況です」

民間調査会社の分析は

地元広島関連の銘柄について帝国データバンク広島支店は、中東情勢の影響で見通しの厳しい企業が多いとした上で、こう分析しています。

帝国データバンク 広島支店 牧秀樹・情報部長
「例えばマツダで言いますと、今年度は10%の増収見込みを出していますし、マイクロンを中心に半導体関係の見通しも活発になっていますので、銘柄ごとにはなっていきますが株価が上がっていくのかなと思っています」

ただ、好調な株価が一般の個人投資家に大きな恩恵をもたらすかどうかについては、冷静に見ています。

帝国データバンク 広島支店 牧秀樹・情報部長
「売り買いというよりは、好きになった企業を応援して、その配当が来ればその配当分はたまにはいいものとか食べましょうとか。我々から買える株の量でもらえる配当ってそんなにないですからね。一方で足下の物価高の方の影響をより懸念して見ています」