広島の川が鮮やかに彩られました。川の街ひろしまを復興させようという取り組みについて、お伝えします。

川を埋め尽くす色華やかなボード。SUP(サップ)の全国大会が広島市内を流れる川で初めて開催されました。北海道から沖縄まで全国のトップ選手が集う国内最大のレースです。街中の川が舞台となるレースは珍しいと言います。

廿日市市から・全国大会3回目
「川の河口の方なんで波も入ってこないしフラットで漕ぎやすい」
佐賀県から・全国大会初出場
「不思議な感じですね、街中を漕ぐことはあまりないので新鮮で楽しいです」

芝原叶妃さん高校3年生、全日本出場は4回目、優勝候補の一人です。

鹿児島県から 芝原叶妃さん(17)
「広島で漕ぐのは2回目なので3年ぶりに広島なのですごく楽しみです」

念入りにテーピングしているのはクラス最高齢の72歳。

大阪から・三口省賢さん(72)
「橋があって横で遊んでいる人がいたり、そこで頑張ってくださいと応援、あれがすごい励みになって手を振ってしまいますわ。手を振ったらレースが遅れてしまうんですけど手を振ってしまいますわ」

三口さんも全日本の常連です。

大阪から・三口省賢さん(72)
「スタートしてすぐに原爆ドームがあって、去年は見られなかったけど必死すぎて。今年は絶対見ながら漕ごうと思ってます」

午前10時10分、最初に全日本エリートクラスの100人がスタートしました。原爆ドーム前を一定間隔で走り抜けます。

元安川を南に下り宇品橋で京橋川を北上。広島駅前で折り返し太田川に出てスタート地点がゴールとなります。広島市内の川を一周する全長13キロです!一流選手になるとスピードは時速10キロ以上、走る速さとほぼ同じだといいます。

River Do!ひろしま川祭り・西川隆治実行委員長
「のんびりするサップをご覧になられている方が多いと思いますけど、きょうやる競技のようにほんとすごい高い身体能力を必要とするのがサップレース」

バランス感覚と瞬発力、持久力が求められるといいます。広島市は6本の川が流れ、かつて船着き場だった雁木が日本で最も多く残っているといいます。1952年サンフランシスコ平和条約で日本は主権を取り戻し、全国各地で復興に向けた祭りが開催されました。そんな中、広島で開催されたのが「ひろしま川祭り」でした。広島市民が川と深くかかわってきたことがわかるエピソードだといいます。

River Do!ひろしま川祭り・西川隆治実行委員長
「広島は川から出来た街、広島市民のアイデンティティーの部分なので、それを通しては広島の魅力を発信していきたいな思ってます」

川祭りは1976年で一旦途絶えていましたが、水のみやこをアピールしようと西川さんは6年前から川祭りを復活させました。

さらに、西川さんが代表をつとめる団体は2021年からひろしまゲートパーク横の河川敷一体を民間団体として初めて占有・管理しています。レース当日はブースが出店しステージイベントも行われました。

安芸高田市から参加
「いいですよね、川でスポーツのイベントがあって見てるのも楽しいし、お店とかもあるので楽しめると思います」

ドイツから観光に
「私たちはトライアスロンをやってるので水のある場所は好きだし、人も雰囲気も気に入りました」

さらにレース中間地点の鶴見橋周辺ではボランティア企業によるゴミ拾いも行われました。大会を通じて、川だけではなく、海や街を合わせ一緒になって広島を盛り上げました。

日本スタンドアップパドルボード協会)も、広島は水辺のスポーツが日常の中に自然に溶け込んでいく土壌があると期待しています。

日本SUP協会(SUPA)柿澤寛理事長
「ここは都市河川、太田川で雁木が400以上あるとお聞きしてるので我々SUPにとってはアプローチしやすい場所、景観が町の風景と自然が融合してて、原爆ドームなどもありますので我々プレーヤーも漕ぐことは意義深いなと思っています」

ひろしまSUPクラブ・西川隆治実行委員長
「川の上にも広島のスタジアムがあるということを広島の市民の皆さんにも気づいてもらいたいと思っています。天然のスポーツスタジアムが、広島は川があると言うことです」

さて、全日本レースの行方は・・・ゴール直前までデッドヒートとなりました。

実況「第12回SUPA全日本大会一位を勝ち取るのはどっちの選手でしょうか・・・ゴール!」

接戦を制したのは去年の世界大会で3冠を達成した田口頼選手。

去年のISA世界選手権3冠、ロングディスタンス3回目の優勝
「(おめでとうございました)ありがとうございます。今日は川のレースてなかなかないんですよ。戦後80年でここまで平和に素敵なイベントが出来るようになったんだよという感じの思いがありましたね」

各クラスの選手たちが次々とゴールしてきます。全日本出場4回目の芝原選手・・・

全日本エリートクラス女子4位・芝原叶妃選手
「きつかったです、色んな橋をくぐったり景色も紅葉がきれいで、応援しやすい川なのでお母さんとか応援してくれる人の声が聞こえて頑張れました」

今年は原爆ドームを見ると話していたクラス最高齢の三口さんもゴールしました。

全日本マスターエリートクラス最高齢・三口省賢選手(72)
「街の周りを見とる場合じゃないね、漕ぐので精一杯ですわ。原爆ドームは見ました、ドームは絶対見よう思うて今回は。SUPの魅力、やった人しかわからない、やってください」

水の都、広島で初めて開かれた国内最大のレース、多くのボランティアに支えられ無事終了しました。西川さんは広島の川祭りを世界に広めていきたいと意気込みます。

「世界からこの広島の地でSUPを漕ぎに来る、世界から多くのパドラーが原爆ドームの前で平和を感じるためにSUPを漕ぐと言うような大会を開きたいと思います」

(スタジオ)
広島市内には6本の川、通勤通学でいくつもの川や橋を渡り、雁木で気軽に川に降りることができる、空がこれだけ開けている、広島市民には当たり前すぎる光景だが、改めて川が市民に身近な存在。今年は全日本大会もあわせて実施されたが、来年以降は川祭り、地元のSUPレースは続けていくということです。

元安川をスタート!

全長13キロ

水の都ひろしま