日本を代表する棚田の一つ広島県安芸太田町の「井仁の棚田」で、都会の消費者らが参加して田植えの体験会がありました。主催したのは生活雑貨の「無印良品」。ことしで8年目を棚田の保全活動に注目しました。

「あっ!キレイきれいですね。すごい!」標高450メートル以上の山間に広がる安芸太田町の「井仁の棚田(いにのたなだ)」。日本の棚田百選の一つです。

5月24日、ここを訪れたのは県内の「無印良品」の客と店のスタッフ約50人です。

女性参加者
「棚田が気にはなってたんですけど、たまたま無印さんで、見つけて」

「泥が気持ちいい」子どもたちも楽しんで

これから棚田で田植え体験です。先生役として動き回る1人の男性。津川光太さんです。元・地域おこし協力隊員で去年、ここに移住して来ました。

民宿を経営していて農業は目下、勉強中です。

津川光太さん
「井仁のファンになってもらうというような気持ちで、ちょっと僕らも頑張らないとな、と思ってます」

津川さんの説明を聞きながら、苗を植えていく参加者たち。

こどもたちは田んぼの泥に悪戦苦闘していましたが中には、こんな子も…

女の子
「(Q気持ち悪くない?)気持ち悪くない、気持ちいい(気持ちいい?)泥好きだから」

コメ作り体験は7年前から

無印良品がこの棚田でコメ作り体験を始めたのは7年前でした。

無印良品 広島アルパーク 平原美穂子さん
「私たちがイベントを開催することで、それをキッカケにこの土地に足を運んだりとか、この地域の方と交流して頂いたりっていう」

この春には収穫したコメを初めてPR用に商品化しました。背景にあるのが農家の高齢化です。地元の棚田保全グループ「いにぴちゅ会」の河野司会長も頭を悩ませていました。

河野司会長
「高齢化してですね、実際に田んぼをやる人が少なくなってきた。ようするためにどうしたらええかという時に、無印さんなんかに協力願って、広くPRした方がよいんじゃないかと」

今や、棚田の3分の2は作り手のいない休耕田となっています。そんな中、「いにぴちゅ会」では、ことし、ある決断をしました。

休耕田の1枚を田んぼに戻し、津川さんに託すことにしたのです。収穫したコメは、無印良品で販売されます。

津川光太さん
「責任重大な感じはするんですけど、まあでも、やるからには景観もよくなりますし」

新たな棚田ファンの獲得へ

昼食のご飯が炊き上がりました。無印良品のコメと地元の黒米を混ぜたご飯をスタッフがおむすびにします。

料理を担当したのは、地元のカフェです。地元の食材を使ったオードブルも用意されていました。オーナーの友松裕希さんも元・地域おこし協力隊員です。

友松裕希さん
「野菜もお肉も、おコメに合うような食べ物にしようかなと思いまして」

昼食が始まりました。棚田のコメの味はどうだったのでしょうか?

男の子
「もちもちして美味しい」

参加者は、地元の恵みを堪能していました。

会場には黒米の生産者も顔を見せ棚田のコメをPRしました。

棚田米生産者 小笠原晋さん
「興味を持って頂いて、また普段でも井仁に訪ねて来てもらえるなら嬉しいですね」

新たな棚田ファンの獲得につながるのか?無印良品では7月に棚田の夏を楽しむイベントを9月末に稲刈り体験会を開く予定です。