8年の空白期間を経て、再びマイクの前へ。60歳のこのタイミングで、もう一度、実況アナウンサーの道を歩みはじめたRCC中国放送・長谷川努アナウンサーの胸のうちに全3回で迫ります。
人生を変えた夜
昨年冬、ある後輩アナウンサーの送別会があった。そこで、隣の席に座った青山高治アナウンサーから声をかけられた。
「今、全国で同年代のベテランアナウンサーが実況をしていますよ。昔の話も織り交ぜながら、楽しそうにやっています。そういう野球放送を聴きたい人は多いでしょうね」
何気ない会話だった。先輩の人生を左右しようなどという意図はない。青山はテレビ司会者として人気を博すが、熱心なラジオの愛聴家でもある。その視点からの「会話」だった。
この会話がひとつのヒントになった。
「上手く実況しなきゃいけない」。30年のキャリアがあるベテランならではの矜持が放送席を遠ざけてきた。しかし、違ったアプローチが見えてきたのだ。
「上手く実況しなきゃいけない」30年のキャリアがゆえの矜持
「(実況を辞めた理由は)自分が下手になったと思ったからでした。それなら若い人にチャンスを譲りたいと考えました。もう一度、みなさんに聴いてもらえる野球中継ができるとは思っていませんでした。でも、楽しく放送することならできると思うようになりました。自分のわがままもあるかもしれませんが、楽しんで放送をして、聴いている人にも楽しんでもらうことはできるかもしれません」(長谷川努アナウンサー)
折しも、若手アナウンサーがチャレンジする姿を目にすることも多いタイミングだった。長く管理職も務めてきた。仲間の退職は心が痛むことでもある。しかし、若者のチャレンジする姿に強烈な刺激も受けていた。
実況卒業から8年。再デビューを直前に控えた長谷川アナウンサーの胸にある思いとは?第3回「還暦で再び挑む野球実況 『あの時の感覚の1割でもいい』再デビュー直前のいま思うこと」に続く。
▽ 長谷川 努(はせがわ・つとむ)
1965年9月2日生まれ。1989年、中国放送に入社。現在は、RCCラジオで毎週日曜日あさ6時30分~『長谷川努の音楽大好き』(土曜夕方4時再放送)や日曜午後1時15分~『野球の時間だ!最速Veryカープ』に出演中。趣味はキャンプ、レコード鑑賞
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