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年末年始、旅行や帰省で利用客の増える高速バスの予約をめぐって、いま一部の利用者による「相席ブロック」という行為がバス会社を悩ませています。
「相席ブロック」とは、乗客が自分の座る席以外に、周りの席も予約して、出発直前に周りの席はキャンセル。他の人が自分の周りに座らないようにするものです。
広島市に本社を置き、広島から東京や福岡などの各地に高速バスを運行するJRバス中国では、3年ほど前から「相席ブロック」が目立つようになったといいます。
JRバス中国 営業戦略課 淺原賢二課長
「出発直前、バスの乗務員の目の前で『隣を今からキャンセルします』というお客様がいらっしゃったり、1人だけお座りになられて周りはキャンセルされているとか、同じ名前でいくつも予約されているとか、そのような事例が散見されています」
隣だけではなく、前後の座席までブロックするケースもあり、ひどい場合には、周りを囲むように8席をブロックする事例もあったといいます。

JRバス中国 営業戦略課 淺原賢二課長
「本当に利用したいお客様に座席をお届けできないことが、我々としては非常に色々な機会の損失になっていると思っています」
JRバス中国では、予約後、購入までの期限を短縮したり、乗車券の払い戻し手数料を改定したりする対応をとることになりました。
例えば、広島と福岡を結ぶ「広島ドリーム博多号」では、出発時刻まで一律100円だった払い戻し手数料を、9月から出発が近づくにつれて手数料が高くなるように変更。乗車当日は、出発の2時間前まで50%が、直前の2時間は100%の手数料がかかります。
広島と東京を結ぶ2路線でも、2月より、出発の前日から直前までの払い戻し手数料を、20%から50%に引き上げました。
ただ、バス会社の担当者は、このような対応は心苦しいとも話します。
JRバス中国 営業戦略課 淺原賢二課長
「体調不良などの理由で、どうしてもキャンセルしなければならなくなったお客様もいらっしゃると思うんですけれども、一方で『相席ブロック』が散見され、続いてくると、我々の路線の維持にも影響を与えますので、やむを得ずという気持ちでいます」

この「相席ブロック」は、法的に問題はないのでしょうか。
消費者問題に詳しいベリーベスト法律事務所広島オフィスの海嶋文章弁護士に聞きました。
ベリーベスト法律事務所 海嶋文章 弁護士
「あたかも複数の席を利用する意思に見せかけてやっているけれども、最初からそのつもりはないということで、これは言ってみればバス会社を欺く行為で業務を妨害しているということになるので、偽計業務妨害罪という刑法上の犯罪が成立する可能性があります」

「相席ブロック」は、法定刑が3年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金と定められている、偽計業務妨害罪にあたる可能性があるといいます。さらには、民事上の責任を問われる可能性も指摘します。
ベリーベスト法律事務所 海嶋文章 弁護士
「会社に経済的な損失を与えていると評価できますので、民法で言えば不法行為で、損害賠償請求ということになる可能性があります」
犯罪にあたる可能性もある「相席ブロック」。今年も残すところあと1か月…年末年始にかけて、旅行や帰省で高速バスの需要が高まっていくなか、利用する全員の意識が問われています。















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