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冬の味覚・カキの産地として有名な広島県呉市で、水揚げしたカキが大量に死んでいる状態が続き、養殖業者が窮地に追いやられています。このままだと売り上げは良くて例年の2~3割になるといい、業者にとってはまさに「死活問題」。広島の海に何が起きているのか。
「いや、もう1個か2個しか残っていない状況ですね。ひとつの貝殻に対して」。呉市安浦町で100年近くカキの養殖をしている山根水産。10月からカキの水揚げを始めました。しかし、今年は、カキに異変が起きていると山根周志代表はいいます。カキを水揚げしてみると、その8割から9割が大量に死ぬ「へい死状態」になっているのです。

2年以上大切に育てたカキは、ほとんどが口を開けた状態で、殻の中には実が入っていません。
山根水産 山根周志代表
「(へい死は)もう8割から9割弱だと思います。いま、選別しているんですけどほとんどが空なんですよ」
生き残ったカキも、身が小さいなど状態が悪く、出荷できないといいます。
山根水産 山根周志代表
「加熱してしまうと身がどこにあるか分からなくなる。ちょっと出荷は難しい状態ですね」

「8月までは順調に生育していたはずだ」と、山根代表は言います。栄養不足や海水温の上昇などによって死んだ可能性が考えられますが、原因は、まだよく分かっていません。
東広島市安芸津町の三津湾から呉市の倉橋島にかけてへい死状態が多く発生していることが確認されています。
山根水産 山根周志代表
「原因が分かっても、おそらく手の打ちようがないと思う。今後どうしていくかが課題ですよね。廃業せざる終えなくなってくる状況になってきてますよね」
呉産かき振興協議会 田中耕三事務局長
「今年はこの状況だと売り上げ的にいうと良くて2、3割という状況。だとしたら経費も払えないし、冬場に営業していくにも商品がないので、死活問題」

こうした状況を受け呉市では、地元産の生カキを返礼品とするふるさと納税の寄付受付を一時停止しました。
呉産かき振興協議会 田中耕三事務局長
「新規の募集は止めてますし今、現状注文頂いている部分の対応はカキの生産者と市の方と協議をしながらどういう対応していくか調整している」
これから海水温が下がったとしても例年通りのカキの水揚げを回復するには、3年以上はかかるとみられています。
山根水産 山根周志代表
「もう既に来年のものも海に浸けている状況。そこも6割から7割くらい、へい死している状況なので2年は見通しが立ってないかなと思います」

さらに船の燃料費や資材費、人件費の高騰などが重くのしかかってきます。
山根水産 山根周志代表
「実習生を雇っていますので、そこの給料面だったり資材費であったり厳しい現状なので、支援の手を差し伸べていただければ…」
呉市は県と協力してカキの大量死の原因を早急に調べるとともに、被害の範囲を特定した上で資金面などを含め養殖業者を支援することにしています。


























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