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「これが子宮頸がんね、それでこれがピル」。10月下旬、広島市内にある青少年センターの一室。広島市の産婦人科医や助産師たちが、準備を進めていました。彼女たちが開いたのは、性の悩みを気軽に専門家に相談できる「若者のためのクリニック=ユースクリニック」です。身近な人にこそ相談しづらい性の悩み。10代、20代の若者の受け皿になろうとする動きが広まっています。

性の悩みについて 相談相手はだれ?
国際協力NGOジョイセフが15歳から29歳の若者を対象に行った、「性などに関する意識調査」。性の悩みについて相談相手は誰という質問に、「相談する相手が誰もいない」と答えた人が最も多くなっています。インターネットやSNSが相談相手という回答もあります。そんな中、10代や20代の若者が体や心、性の悩みを気軽に専門家に相談できる場所が、スウェーデン発祥の無料相談所「ユースクリニック」です。
10月、広島市内で開かれた「ひろしまユースクリニック」。室内には、性教育の本や月経前症候群(PMS)に関するパンフレットのほか、生理用品のサンプルなどが並べられています。

会場準備する産婦人科医や助産師たち
この取り組みを広島で企画したのは、産婦人科医の保谷茉莉さんが代表を務める「ココテラスひろしま」です。
ココテラスひろしま・保谷茉莉 代表理事
「若者は性とメンタルヘルスの問題を抱えやすいとされていて、なおかつ医療につながりにくい世代ともされているんですね。ですので、病院にかかるきっかけとしてこちらに来ていただいて」

話し合いするメンバーたち
「どんな話が聞きたいかよね」「即席でやるかよね」。産婦人科医や助産師、看護師など様々な専門家がボランティアで運営する「ココテラスひろしま」。メンバーたちは休みに集まっては、どんな取り組みをして若い世代に関心を持ってもらうかなどを話し合っています。
手弁当でも活動するのは「若い人たちを救いたい」という強い思いからでした。
活動に参加した助産師
「(自分の体のことを)知らないまま過ごしているせいで大事になって、結局自分の体にダメージを負わないといけない人が世の中にはいっぱいいるというのを外来で見ていて、一緒に出来ることがないかなと思って」
活動に参加した助産師
「生理があるから必ず排卵しているわけではない。無排卵かもしれない。(若い人たちには)ちゃんと自分の体がわかって、いつか(子どもを)欲しいときに妊娠できる体になってほしい」
10月に開かれたユースクリニックでは、団体メンバーの一人、水津純江さんが、訪れた若い世代の子を持つ母親たちを前に、「心の境界線」をテーマに話をしました。

思春期の娘を持つ母親を前に話をする産業医・水津純江さん
産業医 水津純江さん
「バウンダリーがゆるすぎない、あるいは強すぎない、健康的なバランスを大切にして自分らしさを実現していきたいなと」
水津さんは心の健康を保つために、自分と他人を区別する適切な「境界線」を見つけることが大切だと伝えました。
思春期の娘を持つ母親
「直接丁寧に教えていただけたので助かりました。病院だと予約しないといけないし、なかなか時間がとれないんですけど、好きなときに来て帰れるというのは行きやすかったなと思います」
思春期の娘を持つ母親
「女性って10代の頃から月経が始まって、特に悩み事があるはずなんですけど相談先が思いつかない。病院の外にこうして専門の先生が出てきてくださって、女の子の母としてはすごくありがたいです」
ユースクリニックの会場では、色水を使って経血量を実感できるワークショップも行われました。

新本穂乃佳アナウンサーもワークショップを体験
「15mlで大体このくらいです」「うわあ…やっぱり全然感覚があってなかった。びっくり」「最近のナプキンは吸収がいいので、漏れにくくはなっていますけど、これで漏れちゃってという人は(月経量が)絶対多いと思っていただいて」
保谷さんはこの場所に足を運んでもらうことで、10代、20代が病院にいくハードルを下げたいと考えています。
ココテラスひろしま・保谷茉莉 代表理事
「ちょっとした相談事でもよくって、これはどうなんだろうとか、悩んでいることがあったらSNSで調べるのではなくて、やっぱり専門職の人に相談することを考えてほしいと思います」
「ひろしまユースクリニック」は月1回開催する予定で、次回は11月30日(日)、広島市中区のエソール広島(おりづるタワー10階)で開催することにしています。
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