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「転出超過」が全国ワーストという深刻な現実を抱える広島県。若い世代はなぜ、東京や福岡といった県外の都市に夢を託すのでしょうか。
彼らの率直な声から、広島に残りたいと思う魅力の発見と流出を防ぐカギを探ります。
県内の出身者が6割を占める広島経済大学。毎年、卒業生の半数が県外に本社を置く企業に就職しています。インタビューに答えた学生たちも、広島を離れる決断をしました。

山崎皓太さん(家電メーカー内定・仙台)
「就職の軸が成長できる環境を中心に考えた。全国で探した方が自分に合う会社が見つかる」
大田泰雅さん(住宅メーカー内定・東京)
「親もいて広島で働きたいと思っていた。待遇面などを考えた結果、東京・大阪に本社がある企業を選んだ」
広島に足りない面も考えてもらいました。
末川徹記者
「『広島とばし』は、最近よく聞く。エンタメ施設も絡んでいるのかなと思う」
「広島とばし」とは、大阪や福岡といった地方都市と比べ、全国ツアーなどの開催が少ないこと。若者にとっては、まちの魅力に直結しています。
脇川杏さん(通信キャリア専門店内定・東京)
「ドームがないとビッグアーティストは来られない。広島グリーンアリーナは(チケットが)とりづらいと聞く」

広島グリーンアリーナでは10月、コンサートなど平日の利用制限が撤廃されたばかりですが、若者の理想とはギャップがありそうです。
ただ、悪いことばかりではありません。四季折々の自然や観光名所は世界に誇れる強みです。
脇川杏さん(通信キャリア専門店内定・東京)
「ティックトックなどで流行った『自然界隈』というワードがある。自然の名所を訪れて、デジタルデトックスする。SNSで発信していけば人が集まる」

山崎皓太さん(家電メーカー内定・仙台)
「ライブを増やしてドームを作ってほしい。イベントを広島でやる。他県からかき集めてほしい」
大田泰雅さん(住宅メーカー内定・東京)
「湯崎知事でどうなってしまうか焦りはなかったが、逆に刺激がない。心を揺さぶるような政策を出せば(若者の)興味関心は引ける」
さらに取材を進めると、就活のトレンドが見えてきました。コロナ禍以降、東京の企業に応募する学生は増えたものの、実際に勤務地としたのは全体の1割ほどです。

仁井明美課長(大学キャリアセンター)
「(企業は)関西・関東だと人を集めやすいが、中四国・九州は集まりづらい。エリア採用や支店採用を枠を増やす企業が多い」
都市部と同じような手厚い待遇を地方に持ち込む企業が増えています。

仁井明美課長(大学キャリアセンター)
「関西・関東の給与水準を地方に持ってくる。地元就職でネームバリュー・規模感の大きい企業にチャレンジする両方の思いがマッチした」
一方、地元に残り「世界一の称号」に貢献する若者もいます。
永松魁人さん(江田島オリーブファクトリー)
「2年目で2回目の収穫。だいぶ効率も上がってきて、パッととれるようになった」
地元・江田島市出身の永松魁斗さん。江田島オリーブファクトリーの社会人2年目です。

永松魁人さん(江田島オリーブファクトリー)
「小中高と地元に残り続け、貢献したい思いが強い農業の仕事を選んだ。皆さんにオイルとして食べてもらうのはうれしい」
江田島オリーブファクトリーは2019年、日本のオリーブオイルでは初めて、世界1位に輝きました。毎年この時期は、実の選別や加工など社員総出で作業します。永松さんは島特有の「人との近さ」を愛着だと感じています。
一方、島全体では、少子化の波が押し寄せています。永松さんの母校・大柿高校はかつて、800人近くの生徒がいましたが、いまは74人にとどまっていて、卒業生の多くが島を離れています。

永松魁人さん(江田島オリーブファクトリー)
「ランチなど若者が遊べる場所があまりない。広島市や県外への流れが多い」
島の魅力を高めるきっかけが必要だといいます。
永松魁人さん(江田島オリーブファクトリー)
「江田島を名乗れるようなイベントがない。地元や県内の飲食店が来られたら盛り上がる」
若者の県外流出について、候補者の訴えです。

横田氏
「文化やスポーツ・子育て環境など充実させる。農林水産業の振興で、子どもたちの食体験や観光に活用する」
猪原氏
「多くの小学校が閉校し、高校の統廃合計画も進んでいる。学校がなければ若者は住み続けられない。いつでも寄り添える県政を」
大山氏
「県民の選択肢を増やすこと。政治に関心がない若者にも関心を持ってもらえるよう魅力ある選挙にしたい」
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