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みみコミ👂武相荘牧山館長に聞く!白洲次郎と白州正子 ふたりの暮らした武相荘👂

白洲次郎と白洲正子 ふたりの暮らした武相荘

📻RCCのお得な耳寄り情報をお届け👂

radiko:田口麻衣noみみコミ | RCCラジオ | 2025/04/06/日 24:10-24:25
内 容:『白洲次郎と白洲正子 ふたりの暮らした武相荘』展について
出演者:旧白洲邸 武相荘  館長 牧山圭男(まきやま・よしお)さん

三次市の奥田元宋・小由女美術館で4月15日(火)まで
「白洲次郎と白洲正子 ふたりの暮らした武相荘」を開催中です。
今日は東京都町田市にある旧白洲邸 武相荘の館長牧山圭男さんにお話を伺います。
牧山さんよろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いします。

牧山館長は白洲次郎さん・正子さんご夫妻の長女、桂子さんのご主人ということで、次郎さん・正子さんは、義理のご両親にあたるわけですよね。
白州次郎さんは留学先のイギリスで身につけたマナーと教養を武器に、
戦後日本の復興に尽力されました。
そして正子さんは古典芸能や古美術を愛し、随筆家として活躍されました。
牧山さんは著書も出されてるんですね。

※絶版となり武相荘制作の私家版/価格 ¥1,980(税込)
(販売中の私家版は、装丁が異なります。一般書店での販売はありません。)

白州家の日々、娘婿が見た次郎と正子という本を出されてまして、
その帯には『愛娘を奪った日から、白州次郎の唯一の宿敵となった僕
型破りな義父母との日常はびっくり仰天の連続だった』
とありますけれども、牧山館長からご覧になった白洲ご夫妻、どんな方たちでしたか

白洲次郎
よく日本人っていうのは本音と建前を使い分ける、みたいなことを言われますけどね、次郎はイギリス、正子はアメリカの小学校も行ったせいなのか、
元々武家の出だからなのか、日本古来の「武士道」っていうのも、
そういうものだったのかもしれないと思いながら、
「プリンシプル」ということをとても大事にするんですね。

「プリンシプル」っていうのは英語の辞書を引くと「原理・原則」てことなんだけど、次郎にそれはどういう意味ですかって聞いたら、筋を通して生きるってことだよと。

外国人と付き合うときはね、本音と建前を日本人は使い分けるけども
はっきりYes・Noを言わないといけないよ、みたいなこと言ってましたけど。
実際にビジネスとかいろんな人との付き合いもそういう態度を貫いてましたね。
怖いかっていうと、こっちが悪いことしてると怖いけど、
向こうは筋が通ってますからね。とってもいい勉強になりましたよ。
緊張はしますけどね。

ご家族になられても緊張はされてたんですか
そうですね。勉強させてもらってるって感じの方が強いかもしれない。

白洲正子
正子さんはどんな方だったんですか。
正子さんはね、逆に日本の文化とかそういうものを本にしたりしているので
次郎はプリンシプル・プリンシプルってうるさいけども、
日本人っていうのはやっぱり物事を曖昧に表現することによって、
より正確に物事をつかもうとする文化があると、元々、日本の文化っていうのは
豊かな四季折々があるからね。これがベースで日本の文化って成り立ってんだから、
色々あっていいのよ、ってそこんとこはちょっと意見が違ってましたけど…

三次に伺ってね。びっくりしたのが、空気がゆったり動いていて…
初めて伺ったんだけど、美術館も素敵ですし、
大きくてゆったりと奥田元宋さんのドデカい絵がゆったりと飾ってあって
とっても良かった。

その空気感っていうのは、武相荘と似てますか?
そこそこ敷地があって、農家を楽しく改造しながら暮らしてきましたからね。
一般の東京の家よりも緑が多くて、とても楽しいところですけども、
広さとゆったり感は、奥田元宋・小由女美術館に負けました。

今回、白洲たちが使ってた、いろんな生活の道具をお貸しして
展示して頂いているわけですけども、ああいう何かスカッとした建物の中で、
一品一品を拝見すると、それぞれが上等なものに見えますね。
また見え方が変わって綺麗でした。

武相荘について、改めて牧山館長から教えていただいていいですか。

元々、白洲郎は英国で教育を受けて、
正子は御殿場で、伯爵ご令嬢ですから、広い敷地で馬に乗ったりして楽しんでたから、東京にあんまり遠くなくて、郊外のゆったりしたところで、農業でもやりながら暮らしたいねっていうのは彼らの夢だったわけです。
いろいろ探していたところ、縁があって、東京の外れの町田というところで、
気に入って、戦争中でしたけれども買ったんですね。
平和になったら楽しく暮らそうねって言ってたんですけども、戦争が激しくなって
慌てて引っ越してきて、それから亡くなるまで何十年もここに暮らしてたわけです。

夫婦が終の棲家として今に残した旧白洲邸 「武相荘」 

戦争には残念ながら負けて、当時の総理大臣の吉田茂さんから、ちょっと手伝って
呼ばれて、東京へ行って、アメリカや連合軍の人たちとの窓口として、
一緒に働いたわけですね。はい。
東京でのアメリカさんと、戦後の日本処理について必死で働いた後は、
もうそのまま、まっすぐ帰ってきて田舎の景色を楽しんでいたっていうことですね。

まだ、その頃のまま残っているんですよね。
そうです。元々はね、絹を取るための繭を育てる養蚕農家だった。
それがそのまま残ってるのは、今の建築学的にも貴重になってきちゃったみたいな…

今は、そういった貴重な建物ということで2人の資料を展示する記念館として
2001年から開館されているということなんですよね。
今回の企画展は、三つの展示スペースに分かれているわけですけど。

1章が、武相荘で2人の暮らしを彩った家具や調度品などを紹介してます。
2章は、白洲次郎さんのコーナーですね。服飾品だったりゴルフクラブとか。
ご友人から贈られたお酒などが展示されています。
3章では、白洲正子さんのコーナーで、著作の原稿ですとか、収集された陶器や着物などが紹介されています。牧山館長何か印象深い話題が何かありますか?

正子が蒐集した織部皿(江戸時代前期)

白洲正子の直筆原稿「御殿場の憶い出」

何かおっしゃった通りで、ほとんどここにあった暮らしていた道具は、
そちらへ行ってるわけですけれども、もう一つ見逃して欲しくないのは、
次郎が敗戦後の日本をどうするかっていうとき、
日本はもう焼け野原で食べるものもない、仕事もない、破産状態だったわけですね。
それを何とか次の世代に、もうちょっと日本をましにして渡したいっていう意識で
働いた証拠が少し残ってます。
それは例えば、今、世の中でいろいろ議論している軍隊がいるとかいらないとか
いろんなことがありますけれども、そのときに日本の憲法が軍国主義で良くないよっていうアメリカの指示でもって、はい、民主的な憲法を作るんだって言われて、
無理やり作らされた憲法の原稿ですとかね。

その後、お前らも一生懸命やってるらしいから、ちゃんと真面目に独立国として認めてやるよって言われた、サンフランシスコ講和条約ってのがあるんですが、
それに吉田さんと白州次郎が行ったときの、吉田さんが戦勝国の首脳たちに挨拶をした時の演説時の原稿用紙が飾ってあったりします。

それは今、三次にも飾ってあります。
そういう部分、中身が戦後の教育で負けたときの話だもんで、
あんまり教科書にも載ってないんだけども、
食うものもないような日本から、今のような日本になっていく。
第一歩みたいな話が垣間見えるような資料があるんです。
これはもう、そこに携わった少数の人しか知らない資料ですから、
ぜひそんなものを丁寧に見ていただけたらありがたいですね。

白洲次郎の手記
わかりました。しっかりね、貴重なものですから、中身も拝見したいと思います。
今回のようにゆかりの品からお2人の素顔に迫る企画展って各地で行われていますけれども、実際、武相荘に行ってみたいけど行けないという方にはとてもありがたいんですが、こういった企画展で、牧山館長はどんなことを感じてほしい、どんなことを伝えたいって思われますか。

あの武相荘にいますとね、何人もの方がね、
広島、今行ってきた、三次から帰ってきた。三次の展覧会見たんで来ましたよと
おっしゃる方は結構いらっしゃるんですよ。
多分、遠いようで、結構皆さん案外いらっしゃるっていうことなんですけれども…
150年も経った農家を、英国やアメリカで暮らした、
明治生まれのちょっと変わった夫婦が楽しんでいた家というのを、
雰囲気をね、はい。感じ取っていただいたら一番嬉しい。

日々、鳥の声を聞き、虫の声を聞き、竹林の風を味わいっていうようなね。
日本の原風景みたいな暮らし方っていうのを、肌で感じていただけたら嬉しいですね。

はい。そうですね。今おっしゃっていただいたように、もしかしたら
この、三次の企画展を見て、より知りたいということで武相荘にお出かけになる方も
いらっしゃるかもしれません。おすすめの時期とかありますか?

もう何の、雪が降れば雪が降っても綺麗だし。
紅葉の時期も、新緑も綺麗、いつでも綺麗です。
いつでも綺麗だから、いついらっしゃいなんて言えないです。
白州たちが暮らしていた居場所そのものですからね。
しかもこの辺はね、縄文土器まで出てくるから、
人間が暮らしやすかったとこなんでしょうね。風土的に。

昔だったら日本っていうのは正子が言うように、豊かな四季折々の変化で
文化が発展点したんだっていうようなことを言っていますけれども
それを感じさせるのが一番ですね。

四季折々の武相荘を見に行かせていただきたい、美味しいご飯も食べられるますし、ゆっくりとお出かけいただければと思います。
牧山館長、今日お忙しい中本当にありがとうございました。

松原館長さんからすすめられたワインを1本、行っていただいたんだけど、僕もね、
つられてその隣の三次ワイナリーで買ったんですよ。
結構高かったけど当たり年だって言うから興奮して買った。
持って帰ってきてね開けたんです。はい。そしたらね、
栓を抜いて1時間ぐらい置いとくと、ものすごい美味しいワインになります。
素晴らしかった。それを付け加えておきますありがとうございます。

もうきっと三次の方もお喜びだと思います。今日は本当にありがとうございました。

●期間:2月20日(木)~4月15日(火) 休館日:毎週水曜日
●会場:奥田元宋・小由女美術館
●時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分まで
4月13日(日)は開館時間を21:00まで延長
●入館料:一般:1,000(900)円、高大生:500(400)円
     中学生以下無料、(  )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は観覧料無料

●お問い合わせ 奥田元宋・小由女美術館
住所:三次市東酒屋町10453番地6 TEL:0824-65-0010 

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