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中国山地の一部で“謎の地震活動” 最近2か月で局地的な「微小地震」が1300回以上頻発 “水のような流体”が地下を移動か 周辺には複数の活断層や活火山が存在 「従来と異なる変わった地震活動」と専門家も注目

中国山地の一部地域で、2月以降、非常に活発な地震活動が続いています。いずれも人が揺れを感じない程度の小さな地震ですが、何が起きているのでしょうか。地震の専門家に聞きました。

2月に始まった地震活動 観測回数は1300回を超える

山口県北部、萩市の郊外です。中国山地の山あいにあるこの地域の地下では、今年に入って「謎の地震活動」が起こっているといいます。

RCCウェザーセンター 岩永哲気象予報士
「こちらは気象庁のホームページです。ここでは、最近1週間に起きた地震の震央の位置を確認することができます。萩市郊外のエリアを見ると、たくさんの小さな丸が集まっていますが、これは小さな地震が相次ぎ発生していることを示しています」

この地域で2月ごろから始まったという地震活動。特に最近1か月は地震の数が増えていて、これまでに観測された回数は1300回以上に達しています。いったい何が起こっているのでしょうか。地震学が専門でGPSのデータを使って地震を引き起こす「地盤のひずみ」を調べている京都大学防災研究所の西村卓也教授に聞きました。

これまで発生なかった深さで地震が頻発 震源の移動が意味するのは

京都大学防災研究所 西村卓也教授(地震学)
「3月中旬からは1日に数十回の地震が、非常に小さい地震だけど起こっていて、ちょっと変わった活動だなということで注視している」

現地で起こっている地震の規模は最大でもマグニチュード1.8。人が揺れていることに気がつかないような非常に小さな地震ですが、西村教授には気になる特徴があるといいます。

京都大学防災研究所 西村卓也教授(地震学)
「震源の深さは、従来、山口県では地震が起きていなかった深さ30キロから25キロで起こっています。震源の深さが移動している特徴があって、当初は深さ40キロから始まって、それが徐々に浅くなって25キロくらいになって、その後は25~30キロの間を移動している。水平位置も西から東へ移動している傾向がある」

「移動があるというところから、地下の深部から『流体と呼ばれる水のようなもの』が浅い方に上がってきて、その移動に伴って地震を引き起こしている可能性が考えられる」

能登半島地震では “水のような流体”が活断層を刺激か

去年1月に石川県で起きた能登半島地震。震源の活断層周辺では、地震が発生するよりも前に、流体が地下深くから地表付近へと上がってきていたことが、西村教授の研究などで捉えられていました。この流体が活断層を刺激したとのではと考えられています。

今回、微小な地震が頻発しているエリア周辺には、複数の活断層が存在しているほか、中国地方には2つしかない活火山のうちの一つ、「阿武火山群」も存在しています。

京都大学防災研究所 西村卓也教授(地震学)
「この活動が今後どうなるかよくわからないところがあります。流体の移動が関わっているとしても、現在の震源の位置、深さを考えると大きな地震が起こらない深さですので、これが直ちに何か大きな地震につながったりとか、あるいはこの周辺には『阿武火山群』という火山がいくつかあるが、火山活動に直接関係することは、今の段階では考えにくい」

京都大学防災研究所 西村卓也教授(地震学)

「ただ、これが震源がさらに浅くなってきたり、地震に伴って地殻変動が観測されたりするようになると、より大きな地震とか火山活動との関係をもう少し詳細に調べる必要が出てくるかなと思う。」

コメント (1)

つくし - 2025.04.12 12:04 0

能登半島の地震も流体が原因かとされているので、中国山地の地震は今後も気になる話題。

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