RCC東京支社報道制作部長が東京での取材メモを配信します。
広島の記者が東京で感じたコト。また東京から見た広島とは。

広島藩の支藩、浅野三次藩の屋敷があったのが赤坂氷川神社(東京・港区)だ。

ここに樹齢450年とも推定される大銀杏が立っている。

幹には空洞ができているがこれは80年前の3月10日の東京大空襲で負った焼損だという。

戦争の歴史を無言で伝えてくれる存在だ。

赤坂氷川神社の大銀杏 秋には鮮やかに黄葉する

東京大空襲による焼損

東京大空襲では10万人が亡くなったとされる。

戦時中、全国各地で米軍による空襲があった。

しかし民間人の被害に対して国の補償はない。

原爆被害に対しても一緒だ。

先月下旬、日本被団協の田中熙巳代表委員が衆議院予算委員会で意見陳述した。

強く批判したのが戦争被害受忍論だ。

戦争の犠牲は国民が等しくがまんすべきだとする考え方で国の法的責任は問われない。

被団協は従来から「受忍論」に反発し、原爆被害への国家補償の実現を訴え続けている。

ノーベル平和賞演説でも言及したことは記憶に新しいところだ。

国家補償の要求は必ずしも一般に理解してもらえない。

なんで原爆の犠牲だけなのだ、アメリカに要求すべき、結局はカネか…。

しかし、田中さんはうらみつらみで言っているわけではない。

単に原爆死没者への償いを求めているわけではない。

「受忍論」批判によく耳を傾ければ納得できるはずだ。

原爆被害への国家補償は一般市民の戦争犠牲に対する補償にも道を開く。

「戦争被害受忍論を否定するのは未来の戦争を防ぐためだ」と、後日話してくれた。

「市民に我慢させる国防は絶対に誤っている」と衆議院予算委員会で訴えた田中さん。

被爆者の声に力があるのは被爆証言だけでない。

彼ら彼女らが語る「受忍論批判」もまた戦争の抑止につながるはずだ。