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「知らないと前に進めない」裁判に遺族参加し語った“絶望” 高速道路2人死亡事故 男性は他人かばい女性は救助に 「被害者の名前は『分かりません』」被告に下された2年越しの判決 広島(下)

広島県の山陽自動車道で2022年11月、路上にいた2人をはねて死亡させるなどの罪に問われたトラック運転手の裁判。12月12日、広島地裁で判決が言い渡されました。事故発生からすでに丸2年が経過していました。

その日も、法廷には喪服を着た遺族や事故の関係者とみられる傍聴人が集まっていました。緊張した様子で弁護側に座った玉置被告と、検察側に座った被害者参加の遺族と弁護士。静かな法廷に入った裁判長は、被告を証言台に促しました。

裁判長「主文 被告人を禁固1年8ヶ月に処する」

検察側の求めた禁固5年に対して裁判長はそう告げると、判決に至った理由を述べました。

▼量刑の理由「過度に重い刑を科すことは相当ではない」

裁判長は判決の理由として、被告が注意義務を怠った点を認めたうえで、「先に事故現場を通過していた自動車が事故の関係車両を避けて走行していたことなどに照らせば、被告人の過失の程度を軽くする事情はなく、過失の程度は相当に重く危険かつ悪質と言わざるを得ない」と指摘。「2名の尊い命が失われた結果は誠に重大」で「基本的には被告人の過失行為に帰責されるべき」としました。

一方で、「被告人なりの言葉で自らの罪に向き合おうとする姿勢を示している」として、厳罰を求める遺族の感情に理解を示しつつ、「適切な賠償がなされる見込みがある」ことや「制限速度超過は過失によるもの」として「過度に重い刑を科すことは相当ではない」としました。

判決を聞き終えた被告は、裁判長と遺族側に対して深く一礼をし、遺族らが退廷するまで静かに席に座り続けていました。

▼「遺族が待ち続けた2年間よりも短い」

高速道路上で起きた3つの事故では、他人の安全を思い行動に移した2人の命が奪われました。2人の遺族や関係者も、真実を知るため、辛い思いを押し殺して裁判に参加するなどしました。

事故の発生から2年以上が経過し、出された判決。

閉廷後、遺族の担当弁護士は取材に対して「遺族が待ち続けた2年間よりも短い期間の判決。納得はいかない」と語りました。

これに対して、被告の弁護側は13日、検察側は25日付で、いずれも言い渡された判決を不服として広島高等裁判所に控訴しました。

取材にあたり、関係者からは「報じてもらいたくない」「真実を伝えたい」など、複雑な思いを聞くことができました。
事故発生のニュースが報じられた直後、SNSなどでは誤った情報や故人への中傷とも思われる言葉が広がりました。
その一部は遺族の目にも触れました。
本稿はデジタル配信のみの記事ですが、コメント機能がついたニュース配信サービスには記事配信を行っていません。また、関係者の名前はすべてアルファベットで表記し、裁判中に明らかにされた事実の中でも過度に個人の情報に関わる部分は省略しています。

(「上」から読む)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1638212

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