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憧れのジャージーで“聖地”へ… 中学生のときに観た「戦う男たち」 になって 親元を離れて過ごした3年間の集大成 主将が語る「花園への覚悟」 広島県代表尾道高校

全国高校ラグビーフットボール大会。全国から勝ち抜いた高校が集い、数々のドラマを生んできた「花園」が27日に開幕します。広島県からは尾道高校が18年連続で出場。「戦う男たち」を意味する「BURIKENS」という愛称で親しまれているフィフティーンが目指すのは日本一です。

チームの大黒柱・上田主将

「最初から100%以上の力を出そう」。花園開幕を1週間前に控えた22日。尾道高校のグラウンドでひときわ声を張り上げる1人の選手がいました。

100人を超える「戦う男たち」をまとめるチームの大黒柱・上田恭悠主将です。

この日は、愛媛県代表の松山聖陵高校を迎えての練習でした。本番を想定し、一つ一つのプレーを確認し、課題を調整しました。

上田主将は、仲間が良いプレーをすれば「ナイス!」と声をかけます。ケガをしている選手やマネージャーへの気配りも…。グラウンドの内外問わず、常にチームの事を気に懸けています。

花園で観た「戦う男たち」に憧れて

県大会決勝で躍動する尾道高校の選手たち

大阪府出身で、兄の影響で中学1年生の時にラグビー部へ入部。大阪はラグビー強豪校と呼ばれる高校がいくつも存在し、全国的にもラグビーが盛んな地域です。

そんな中、中学1年生の時、花園での尾道高校の試合を観戦しました。その日の試合は、尾道が劣勢で、相手チームに大差をつけられるゲーム展開でした。それでも、最後まで気迫あるディフェンスで、体を張ることを崩さない姿に衝撃を受けました。

尾道高校について調べる内に、文武両道をしていることや地域と深く関わり貢献する活動に惹かれ、縁もゆかりもない尾道高校への進学を決めました。

入学当初、尾道高校での生活は上手くいかなかったといいます。早朝からの練習、睡魔と戦いながらの勉強、親元を離れての生活…。多くのことが想像以上の毎日でした。
1年と2年は、花園メンバーにも入ることができず悔しい2年間を過ごした。

新主将に任命「人を動かす前に自分から」

相手をかわし独走する上田主将

2024年の1月、新体制としてチームが始動。尾道高校では、まず、どういうチーム作りをしていくのか選手同士で話し合いを重ねます。その中で、新体制にふさわしい主将を選んでいくといいます。そして、上田選手が21代目の主将に選ばれました。

何事にも一切手を抜かない姿勢が評価されました。田中春助監督は「誰よりも責任感がありリーダーシップに優れている。チームメイトからも信頼されている」と話します。

「人を動かす前に自分で動く。雑用や人がやりたがらないことも率先して行う。」
主将に選ばれたことで、今までとは違う責任感が芽生えました。ゴミ拾いや部室のゴミの入れ替えも率先して行います。

そんな上田主将にチームメイトは
「ヤス(上田主将のあだ名)を全力で支えていきたい」と厚い信頼を寄せます。

日本一を目指し夢の花園へ

県大会決勝で喜びを爆発させる尾道高校の選手

11月27日、花園への切符をかけた広島県大会決勝。上田主将は後半から出場し、勢いのあるタックルでチームを鼓舞しました。66対7で崇徳高校を下し、尾道高校が18年連続の優勝を果たしました。

上田主将にとって初めてとなる花園は、憧れの場所でもあり、チームとして集大成を発揮できる場所です。

「自分が辛いときに支えてくれた家族やスタッフ、チームメイトに今までの感謝の気持ちも込めて恩返ししたいと思う。プレーの面でも生活の面でも精神的支柱になり花園で日本一を目指します」

尾道高校は28日に1回戦で沖縄県代表の名護高校と対戦します。勝ち進むと、今大会の優勝候補、島根県代表・石見智翠館高校と激突します。中学1年生の時に憧れた「BURIKENS」。その21代主将として大舞台に立ちます。

「BURIKENS」集合写真

◇尾道高校ラグビー部
2002年創部。愛称の「BURIKENS」は古フランス語のBrigand(ブリガンド・山賊)からインスピレーションを受け、英語のBrave(ブレイブ・勇敢な)と漢(カン・男)を掛け合わせ作った造語。ここから「戦う男たち」を意味する。

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